不動産トピックス
ビル業界ミニトピックス集
2018.04.16 17:41
■銀座のビル屋上で「白鶴銀座天空農園」を行う酒造メーカーの白鶴酒造(東京支社、東京都中央区)は、来月下旬から6月上旬までの間に同社社員の家族や取り引き先企業などを招いての田植えの開催を企画する。
毎年100名超の参加者で賑わう「天空農園」の田植えは、土曜日の午前中に開催。沢山の参加者が集まり一斉に始めるため、たった数時間行っただけで全て完了してしまう内容だ。更に参加者は都内で暮らす人が大半を占めるため、普段から田んぼに入り作業することもない。この稀少な機会に参加してはどうか。
■西新宿の代表ビルのひとつである「新宿住友ビル」。現在、大規模改修計画が行われている。所有する住友不動産(東京都新宿)の発表によると、国土交通省より「民間都市再生事業計画」の認定を受けたもの。既存の「新宿住友ビル」の機能亢進、設備リニューアルに加えて、「国際会議場施設」と日本最大級の「全天候型屋内アトリウム広場」を新たに整備するものだという。日本へのインバウンドが増えるなかで観光が脚光を浴びるが、ビジネスインバウンドが多いことも事実。副都心・新宿の更なるビジネス機能の強化のためにも欠かせない工事である。 が、既存の入居テナントはあまり良い顔をしていないようだ。あるテナント関係者は「現状、駅直結となっていない。工事期間も2019年7月までを予定する長期間のため、利便性が低下しているという印象」と語る。
既存テナントの利便性を確保していくことも忘れられない。
■五反田エリアに「町原ビル」を所有する町原寿氏。ビル1階には「Cafe Terrasse MINOSA」が入居。ランチやディナーを提供する同店は平日昼間になるとビル入居テナントのワーカーや近隣住民、オフィスワーカーなどが訪れ賑わう。町原氏によると「お昼もディナーも非常に混み合う」とのこと。
ここではしばしばイベントも開催されている。そのひとつが「緊縛ショー」。縛られた女性が吊るされ、その隣で琵琶を弾くというもの。このように書くと「アングラ」な雰囲気だが、町原氏によると「来場者は女性が多い」とのこと。筋肉が美しく見えるように縛るため、一種の芸術イベントとなっているようだ。
■銀座を中心に貸ビル業を営む丸高産業(東京都中央区)は、同社保有の「丸高ビル」内にある貸会議室の稼働率が好調である。
「周辺エリアでも充実した設備とリーズナブルな利用料金が好評で、近隣にオフィスを構える企業にとっては利便性が高い」と語るのが同社取締役 営業部長の佐太木真氏。100人以上も収容可能な広い会議室を保有し、東京メトロ「東銀座」駅や「銀座」駅からも徒歩5分ほどでアクセスができる。そのため、地方から都心へ進出する企業や分室を確保したい企業が「丸高ビル」内にあるシェアオフィスを利用しつつ、セミナー開催や打ち合わせとして貸会議室を利用するケースが多いとのことだ。
■小田急線「経堂」駅南口から徒歩1分圏内に立地する「松原ビルディング」は、通常深夜0時までテナントが営業する商業ビル。この深夜遅くまで営業する入居テナントはスーパーマーケットで、同店舗の御陰もあってか周辺住民からも親しまれている。
この点を特長・強みとすることから取材に伺う度に、松原ビル(東京都世田谷区)代表の松原順一氏は「大晦日の営業時間がいつも年を越しての、翌日元旦の午前5時まで営業しています。入居するテナントにとっては重要な稼ぎ時と聞いていますよ」と楽しげに語る点が印象的だ。
年越しの営業を希望するテナントに5階に入居するボウリング場・経堂ボウルがある。経堂ボウルは、毎年年越し営業を行うことで周辺住民に認知されており、また大晦日にボウリングをしたい人がわざわざ遠くから電車を利用して訪れる程で知られている。「松原ビル」が駅南口から出て直ぐに立地することもあってか、利用しやすい・訪れやすい点も好まれている。また1階に入居するスーパー「ピーコック」も同様に、翌日の午前5時まで営業予定。周辺地域で夜遅くまで営業するスーパーが無いことから、当日は終始利用客が絶えない。
松原氏は「かつて大晦日は、営業せずに休む・営業時間を縮めるといった店舗が大半でした。しかし年々営業時間が延びていき、現在は小田急線の始発時間まで利用ニーズが有ります。ビルオーナーとしては、テナントの要望にできる限り応えたいという認識から年越し営業を承諾します」と語った。
■埼玉県越谷市で「蒲生ビル」の運営管理を行うアイホームコンサルティングの井上嵩久氏。画期的な記憶術であるアクティブブレインによる宅建講座を昨年より開講しているが、実は学習塾事業の展開も計画しているという。
井上氏によると「アクティブブレインを活用していくことはもちろんのこと、AIやラーニング技術なども活用していくことになる。昨今の技術発展によって学習環境もかつてと比べて大きく発展している。そのような最新の技術を活用した学習塾を展開していきたい」とのこと。現在、塾長探しを行っているが「なんとか目途がつくのでは」と言う。
多店舗展開にも積極的で「越谷、蒲生エリアで数店舗展開はもとより、より幅広いエリアでの出店も検討している。事業の一環として行うことを考えると、少ない店舗数では成り立たない」(井上氏)。
新しい技術を活用することで、未来の日本を支える人財が育っていくか。期待したいところだ。
■不動産投資に甘い話はありえない、と警鐘をならすべきか。最近、流行しているのが「京町家」。インバウンドブームに乗っかり、デベロッパーや大手事業者、中堅含めてこぞって進出している。京町家や大阪・長屋などのインバウンド事業を進める某オーナーは「京町家バブル」だと指摘する。 ただ同氏曰く「これから京町家に投資するのは悪手ではないか」とのこと。価格が高騰しすぎたのが理由。弊紙で近日中に特集を組む予定だ。