不動産トピックス

今週の一冊

2018.05.14 11:46

マンション管理組合とビル経営の共通点大いにあり

マンション管理組合理事になったら読む本 理事が果たすべき役割とは
著者:貴船美彦
発行:2017年12月18日
出版:幻冬舎
価格:1200円(税別)

 マンションとビルは似て非なるもの。ビルは生活共同体の場ではなく、マンションのように「生活価値」を求められることはない。マンション所有者とビル所有者は全く異なるものであるが、「マンションの付加価値を高めるために」という本書のフレーズはやはりビル所有者であれば気になるところであろう。
 付加価値を高めることは建物所有者の義務でもある。ビルオーナー視点で目を通してみると、意外にもビル管理にも応用できる「マンション管理組合理事」の心得が多いことに驚く。「管理会社の活かし方」、「理事として押さえておきたい大規模修繕工事の知識」、「失敗しないコンサルタントの選び方」「マンションの安全と防災対策」はそのままビルの経営にも役に立つ。
 更に、「資産価値を高める改善方法」における「長所を伸ばし、短所は隠す」という基本的セオリーは奥が深い。
 建築学科卒で設計会社代表の著者らしく、大規模修繕工事は築10年から15年の初めての工事、築20年から25年の2回目、そして築35年から40年の3回目、築50年以上の場合と細かく解説されており大いに参考になるだろう。




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