不動産トピックス

第4回ビル経営アワードノミネート「上野コアビル」

2018.05.28 11:02

ノミネートNo.1
上野コアビル
所在地:東京都台東区元浅草2-6-4
建物規模:地上9階地下1階
構造:SRC造
所有者:コーヨー

 2016年2月にコーヨー(千葉県松戸市)が購入した「上野コアビル」。東京メトロ銀座線「稲荷町」駅から徒歩3分の場所に立地する。
 「浅草と上野に便利な立地、在日外国人や訪日客が多い場所のビルですが、多くの部屋が空室でした」と話すのは東京支店長の中島賢氏。以前1階に寿司屋、2階に雀荘が入居していたが、購入時には既に空室でとても暗く廃墟。「そこで1階にコーヨー東京支店を設置し、多国籍テナント、訪日客、来訪者のお客様に開放的なコミュニティ・スペースを低コスト・短期間で構築することをコンセプトにリノベーションを開始しました。特に外国人テナントは、日本語力の問題があり電子メールでは意思疎通に難があるため、直接顔を合わせやすいようにしました」。
 設計デザインを担当したのはアスリート(東京都台東区)の児玉崇社長。「同じ部材を使っても、1階と2階で変化をつけてそれぞれの事業の特性を出すように心掛けました。また、什器を撤去すれば、次に入居するテナントがそのまま使用できるシンプルな状態にしました」と話す。元雀荘だった2階は「タバコのヤニがクロスに多くついていた」という。アスリートの業務がデザイン業ということもあり、天井・壁ともに撤去しコンクリートむき出しの状態とした。ちなみに1・2階合わせた工期は約1カ月半、費用は約650万円。「リノベーション費用は青天井。2階は敢えて躯体をむき出しで、低コストで最大限の効果を狙いました」(中島氏)とのこと。
 現在、同ビルは満室入居。「工事中から問い合わせをいただき、工事終了後半年足らずで満室になり懇意になったテナントが新しいテナントの誘致もしてくださいました。今では1・2階含めたビルの内部で、グローバルな新事業企画が頻繁に飛び交うコミュニティ・スペースに生まれ変わりました」(中島氏)。
 
コーヨー 東京支店長 中島賢氏
・「2階の通りに接する壁はガラス張りになっていて、各種ショールームや美容室等にも適しています。私たちが自社使用しなくなった時、そのようなテナントにも入居しやすいリノベーションを前提にしました」(児玉氏)
・「リノベーションにより、建物改築(ハード面)だけでなく、隣人愛をコンセプトにしたコミュニティ・スペース構築により多国籍テナントの事業が活性化するよう働き方を支援すること(ソフト面)でも効力を発揮するように、ビルのイメージを再構築することで、新たなテナントの獲得に成功しました」(中島氏)

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