不動産トピックス
ビル業界ミニトピックス
2018.06.18 16:43
■鎌倉市で2019年1月より開業する古民家ホテル「鎌倉 古今」。運営を担う、くらつぐ(神奈川県小田原市)代表取締役の松宮大輔氏は「鎌倉は外国人観光客の多いエリアだが、ホテル供給が不足している。古民家で宿泊体験ができるということもあり、オープン後が楽しみ」だと自信を見せる。
同物件の竣工は安政2年。西暦になおすと1855年。ちなみにこの2年前はペリー率いる黒船来航の年である。「100年建築」という言葉があるが、ゆうに1世紀半を数えている。
ただ物件の状態は悪くない。「3年前まで所有者が住んでいたので、空き家といっても状態は良いほうでした」とは松宮氏。改修工事が近々開始されるが、掘り出し物も出ているようだ。
ターゲットはインバウンド。だがいっそのこと、「歴女」も狙っていきたい。
■仮想通貨投資で誕生した「億り人」。彼らは現物不動産で資産形成へ向くか。そんな流れを築くにはまだPRが不足気味だ。2018年1月に「HEYAZINE COIN」サービスをスタートしたイタンジ(東京都港区)。実は現在、サービスを停止している。どうしたのか。
「5月1日にLITSと合併したことにより、宅地建物取引業の免許を喪失しました。継続すると無免許営業となってしまうので、売買仲介となる『HEYAZINE COIN』を停止しました」(安藤のこ氏)。
サービス停止は手続き上のことで一安心。と思いきや、安藤氏に運用再開について問いかけると「うーん」といまいちな反応。「サービスを運用していて売りたい人は多くいたのですが、一方で買いたいという人は出てきませんでした。そのため成約事例はまだ出ていないのです」(安藤氏)
「億り人」はいずこにいるのか。匿名の彼らに、不動産業界の呼びかけはまだ届いていなささそうだ。
■昨年11月に東京・錦糸町にて「モクシー東京錦糸町」をオープンさせたパシフィカ・キャピタル(東京都港区)。国際的なホテルブランドであるマリオット・インターナショナルのホテルが錦糸町にできただけでもニュースバリューがある。
代表取締役社長のセス・サルキン氏によれば「高い水準で稼働している」。マリオットの会員も多く利用していて、好調を手助けしているようだ。
なぜ錦糸町だったのか。そう問うとサルキン社長は「複数のエリアを見ていたなかで、錦糸町となった」と話す。そのうえで「錦糸町は第一候補ではなかった」とも付け加える。
ただ同社が開発手法として選択したのが空きビルのコンバージョン。「都内で空きビルがほとんどないのが、他のエリアではネックとなった。他方、錦糸町では非常にホテルに向いた建物を見つけることができて、観光地や空港施設などへの交通アクセスも良い。そこで錦糸町でのオープンを決めた」と話すサルキン氏。
同社はホテル開発をさらに進めているが、「得意のコンバージョン案件ではなく新築」。オフィス市況の好調が意外なところで影響を与えた格好だ。