不動産トピックス
土地活用
2018.06.25 14:50
エリアリンク 2×4工法用いたストレージを投資家に販売 土地・建物1億円で利回り約6%
ストレージ開発・運営を展開しているエリアリンク(東京都千代田区)では、首都圏を中心に「ハロートランク」、「ハローコンテナストレージ」等のハローシリーズを展開しており、2017年12月時点で全国1631拠点、総室数8万1555室の出店・運用を行っている。日本のストレージ市場規模は2017年現在657・0億円といわれており、2020年には777・9億円まで拡大が見込まれているという。そのため同社は現在、積極的にストレージを活用した不動産投資を提案している。
20年サブリース 10年保証付き
同社は2015年より従来のコンテナ型とは異なる2×4工法を用いた木造トランクルームを法人・投資家向けに販売している。
第一号として2015年8月にオープンした「ハローストレージ船橋栄町」(千葉県船橋市)は、トランクルーム用に設計された建物で、0・7帖から8帖タイプ、全2フロア75室。利用価格は4800円から4万2000円。セキュリティーや空調設備を完備しているほか、手洗い場や芳香剤など快適性も追及している。
また、2017年6月にオープンした「ハローストレージ大阪津守プレミア」(大阪府大阪市)は、1・0帖から9・6帖までで全2フロア50室。利用価格は7500円から4万7000円。同物件は関西地区で初めての「ハローキティ」とのコラボレーションによるもの。
2×4タイプの物件は、土地建物含めて1億円から2億円程度が販売価格。同社によれば20年間のサブリースを行うとともに、10年保証付き、利回りは6%程度を想定している。
オーナーにとっては従来型のコンテナタイプよりも、40から60坪という小規模でも出店が可能なことと、建物自体が住宅地でも違和感なく、周囲の景観を損なわない。もちろん建築コスト削減・短期短縮で資金の早期回収が可能、所得税・相続税対策が可能だ。
遊休不動産活用で年間10%の成長
エリアリンクは1995年の設立以来、不動産オーナーの遊休資産活用法として、「屋外コンテナタイプ」、「屋内コンテナタイプ」、「土地付きストレージタイプ」など様々なストレージを運営している。
トランクルームビジネスは拡大の一途を辿っている。セルフストレージ協会によれば、「野積みコンテナ」に代表される屋外型、雑居ビルの一部を改装したレンタル収納スペース(屋内型)などを含めた「セルフストレージ」の供給数は毎年10%の成長を続けており、現在では約50万室以上が稼働しているといわれている。狭い住宅事情の日本では、まだまだ拡大の余地がある。
発祥の地であるアメリカでは1970年代から広がりを見せ、全米に5万カ所、1700万室以上が稼働しているという。
利用者の多くは、ちょっとした在庫の保管として法人の利用のほか、一般家庭で利用するケースは、テントなどのレジャー用品やストーブ、スタットレスタイヤなど季節ごとに使うものが多い。その後、バイクを保管するバイクボックスなど様々な形態のものが登場し、その利用方法の幅は広がってきている。
私募ファンド設立 約50棟を出店へ
エリアリンクは近年、個人・法人投資家向けに土地・建物付きの「トランクルーム投資」商品の販売を強化している。
この投資は、「修繕費等のランニングコストが少なく手間がかからない」、「相続税対策効果がアパート等と同じように期待できる」、「水回り設備がほぼなく、建物の経年劣化の進行が緩やか」といったメリットがある。
同社は現在、りそな銀行、長谷工不動産投資顧問と共同で「合同会社ハローストレージファンド1号」を設立している。
これは文字通りストレージのみを投資対象とした私募ファンド。エリアリンクが開発、販売、運用を行う土地付きストレージを投資対象として、レンダー・信託業務をりそな銀行、アセットマネジメント業務を長谷工不動産投資顧問、アレンジャー業務をデベロップ(千葉県市川市)が担当する。
ファンド期間は5年間の予定)で、組成規模は20億円程度。2月28日に設立し、3月27日に物件を譲渡した。売却物件は、ハローストレージ江東東砂プレミアム(東京都江東区東砂)・ハローストレージ田無プレミアム(東京都田無市)・ハローストレージ練馬谷原プレミアム(東京都練馬区谷原)・ハローストレージ横浜睦町プレミアム(神奈川県横浜市南区睦町)の総室数406室。
同社は2018年12月期に、コンテナタイプから土地付きストレージへの本格移行を打ち出しており、同期において50棟の土地付きストレージを出店する計画だ。土地付きストレージの売却方法は自社販売のほか、銀行や税務・会計事務所を通じたネットワークの強化に加え、その他の出口戦略としてファンド、REIT化にも取り組んでいくという。
“プレミアム物件”38軒目をオープン
レンタルトランクルーム「ハローストレージ」を運営しているエリアリンク(東京都千代田区)は6月3日、同社のプレミアム物件としては38軒目、最大級規模となる「ハローストレージ杉並荻窪プレミアム」をオープンさせた。
「ハローストレージ・プレミアム物件」とは、顧客からのニーズを最大限に活かし、トランクルーム専用に設計された新築物件のこと。主な特徴は「屋内型新築物件」、「24時間出し入れ自由」、「24時間セキュリティ」、「契約者向け無料駐車場」、「冷暖房設備」などがある。
今回の「ハローストレージ杉並荻窪プレミアム」は、JR「荻窪」駅と京王線「高井戸」駅の中間の旧環状八号線沿いに位置し、契約者専用の無料駐車場を完備した屋内型。
全187室の同物件の各ルームサイズは、0・7帖から7・9帖と幅広い選択が可能だ。
昭和リースがファイナンス支援 カプセルホテル新規出店を促す
昭和リース(東京都文京区)はカプセルホテルを企画・運営しているナインアワーズ(東京都港区)と業務提携し、宿泊施設の新規出店に対するファイナンス支援を行っている。
ナインアワーズが出店する施設向けに設立する合同会社に対して、昭和リースが匿名組合出資によるファイナンス支援を行うもの。同スキームでは、合同会社の投資対象は不動産を含めた施設だが、不動産については所有権のほか、借地権も対象になっているのが特徴だ。このため安定的な資金の確保のほか、幅広い資産の事業化が可能になり、ナインアワーズとしても出店の加速できることになる。
同社では、このスキームを活用した10件程度の早期出店を目指している。一方、昭和リースはこれら安定的な資金供給を通じて、ナインアワーズの新規出店を支援していく計画だ。
第1号・2号案件として「ナインアワーズ水道橋」、「ナインアワーズ麹町」に対して、匿名組合出資を実施した。これは、両社が出資した「ナインアワーズプロパティファンド合同会社」が、2施設を取得するために設立した合同会社に対して、匿名組合出資をそれぞれ実施したもの。
貸付人にはリース会社大手のリコーリースとともに有力地銀である北陸銀行が参加し、アセットマネジメント業務は三幸オフィスマネジメント(東京都中央区)が担当する。両施設とも2019年内の開業を予定している。
第3号となるのは、愛知県名古屋市に新規に出店するカプセルホテル「ナインアワーズ名古屋」(仮称)。ナインアワーズが中京地区にカプセルホテルを出店するのは今回が初めてのこととなる。2019年内に開業を予定。
こちらは両社が出資した「ナインアワーズプロバティファンド合同社」が、「ナインアワーズ名古屋」を取得するために設立した合同会社に対して匿名組合出資を実施した。
貸付人にリコーリースが参加し、アセットマネジメント業務は三幸オフィスマネジメントが担当する。
スクウィーズ 民泊事業に参入
SQUEEZE(スクウィーズ・東京都港区)は、住宅宿泊管理業者の登録を行った。これにより、同社では、これから住宅宿泊事業及び管理業に新規参入する法人向けにワンストップのソリューション事業を開始する。
具体的には、住宅宿泊事業者・住宅宿泊管理業者並びに旅館業の届出・申請代行、物件エリア選定・収支作成支援、企画・運営、オペレーション設計支援、集客サポートのリモートレベニューマネジメント支援、宿泊運営管理システム「suitebook」の提供、IoT機器を活用し事業運営を可能とする「あんしんステイIoT」の提供、Airbnbオフィシャルパートナー・igloohomeのスマートロックの提供など行っていく。
6月15日に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)では、住宅を宿泊施設として提供できるようになる一方、煩雑な運営・管理が課題となっている。同社ではこれらの課題解決を図り、住宅宿泊事業者及び住宅宿泊管理業者のニーズに合わせたワンストップサービスを提供していきたいという。