不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2018.07.09 15:37

ベッセルホテルG 世界的クチコミサイトで好評価 新規出店も続々2021年には四国に初進出
トリップアドバイザー「石垣島」は8年連続
 全国で宿泊施設を展開するベッセルホテル開発(広島県福山市)が運営する10ホテルはこのほど、世界最大級の口コミサイト、トリップアドバイザーのCertificate of Excellence(エクセレンス認証)を受賞した。
 これは、12か月間に旅行者がトリップアドバイザーに投稿した口コミの質、件数、投稿時期を考慮して決定されるもの。認定施設として選ばれるには、トリップアドバイザーの総合評価で5段階中4以上を維持し、最低限の口コミ数を獲得する必要がある。
 今回、認証を受けた「ベッセルイン札幌中島公園」は5年連続、「ベッセルホテルカンパーナ沖縄」は6年連続、「ベッセルホテル石垣島」に至っては8年連続で受賞することとなった。また「ベッセルイン八千代勝田台駅前」は、2013年9月開業後、初の受賞となった。
 このほか、「2018年 エクセレンス認証」を受賞したホテルは、「ベッセルホテルカンパーナ京都五条」、「ベッセルホテル倉敷」、「ベッセルホテル福山」、「ベッセルホテル苅田北九州空港」、「ベッセルホテル福岡貝塚」、「ベッセルホテル熊本空港」。
 トリップアドバイザーは、6億件を超える口コミ、750万を超える宿泊施設、航空会社、観光ポイントやレストランの情報を掲載している。49の国や地域で展開する同ブランドのサイトは、月間平均4億5500万人のユニークユーザーを有する世界最大級の旅行コミュニティとなっている。
 同社はまた、伊予鉄道グループ(愛媛県松山市)との協業で、松山市駅西隣の伊予鉄西ビル跡地に出店する。  予定する建物は、建築面積733・04㎡、延べ床面積8564・32㎡、鉄骨造14階建て、客室数は216室を計画している。1階には商業店舗、2階にフロント、3階には宿泊客専用の大浴場やサウナを完備する。開業日は2021年夏の予定。
 同ホテルは、伊予鉄グループが建物を建設し、ベッセルホテル開発が賃借する。同社にとって四国では初の出店となる。
沖縄では新たに2棟 2020年までに30店舗
 更に同社は、沖縄・北谷地区で2棟を計画している。沖縄県中頭郡北谷町で建設を予定しているのは「ベッセルリゾート沖縄(仮称)」本館・別館の2棟。同社は既に同所で「ベッセルホテルカンパーナ沖縄」本館・別館を運営しているが、完成すれば、3、4棟目のホテルとなる。
 このホテルは、敷地面積8166・46㎡。延べ床面積は本館1万2192・05㎡、別館3657・04㎡、構造は本館が鉄筋コンクリート造地上9階建て、別館が同8階建て。客室数は本館229室、別館48室。施主は本館が美浜リアルエステート、別館がDepot island spa&resort。設計はアイランドb.dプランニングが担当する。着工は2018年4月で開業予定日は2020年春。
 同社は大手デベロッパーとの協業により、出店エリアを拡大させている。今年は既に10月の「ベッセルホテル カンパーナ名古屋」11月「ベッセルイン栄」(両方とも愛知県名古屋市)の2棟が開業予定で、2019年2月には「ベッセルイン千葉駅前」(千葉県千葉市)、同年5月は「ベッセルホテル カンパーナすすきの」(北海道札幌市)の開業が控えている。
 ベッセルホテル開発は「ベッセルホテル カンパーナ」、「ベッセルホテル」、「ベッセルイン」の3ブランドで全国20のホテルを展開しているが現在、「2020年までに30店舗」体制を目指し出店を加速させている。

ホテルレオパレス札幌リニューアル
 レオパレス21(東京都中野区)では、同社が運営する「ホテルレオパレス札幌」(北海道札幌市)の本館をリニューアルした。
 昨年10月に行った新館のオープンに続くもので、大浴場を全面改装するとともに、全室にシモンズ社製のベッドを導入するなど客室を大幅に改装した。
 デザイン・コンセプトとして、昨年10月にグランドオープンした新館にも採用している、北海道の四季を表した4種のイメージカラーを全館に配置。それぞれのカラーを施したメゾネットルームも1フロア毎に用意した。 
 また、全館Wi―Fi、ビデオ・オン・デマンド約200タイトル無料見放題、無料客室スマートフォン「handy(ハンディ)」などの館内サービスも多数提供する。今後も、決済システムへの「WeChat(ウィチャット)」や「Alipay(アリペイ)」の導入を検討していくという。
 北海道経済部観光局によると、北海道への観光客数は年々増加しており、外国人旅行者は、過去最高記録を更新した昨年に引き続き、2018年度は230万人を記録している。今回のリニューアルにより、国内の旅行者はもとより、引き続き増加傾向にある海外からの旅行者にもより快適な滞在空間を提供していきたいという。  同社は、国内外でホテル・リゾート事業を展開しており、国内では札幌・仙台・名古屋・博多と全国4箇所にレオパレスホテルズを展開している。
 同社では今後も多様化する利用者のニーズに応えるべく、積極的に最新技術の導入や新サービスを拡充することで、道外・海外からの旅行者にとって、より快適な道内での滞在をサポートしていきたいという。

外国人向けゲストハウス型ホテル登場
 サンケイビル(東京都千代田区)と、ABアコモ(東京都千代田区)は、外国人観光客向けのゲストハウス型ホテル「GRIDS(グリッズ)京都 四条河原町」(京都府京都市)をオープンさせた。
 この施設は、京都市営地下鉄烏丸線「四条駅」から徒歩7分、敷地面積358・54㎡、延床面積1303・75㎡、鉄骨造、地上5階建建て、築41年の建物をコンバージョンした。 
 客室数は46室、収容人数182人。客室タイプは、女性専用ドミトリー、男女共用ドミトリー、プライベートルーム。Wi―Fi、24時間フロントサービス、荷物預かり、読書灯、ドライヤー、キッチン、セーフティーボックス、シャワールーム等を併設する。
 抹茶体験、書道体験、着物体験など外国人観光客に人気の体験型イベントを定期的に開催し、日本文化を体験してもらうとともに、ゲストが様々な国の観光客との異文化コミュニケーションに出会い新しいつながりを見つけられるよう支援する。
 2020年に向け、日本政府は外国人観光客増加に向けた様々な施策を講じているが、この事業は、「THE TRAVELLERS HUB 旅をつなぐ。人をつなぐ。心をつなぐ。」をコンセプトに、安価・安全でシンプルな滞在に加え、新たな人やモノとのつながりを見つけられるホステルを目指しているという。
    同社は2015年4月に第一号となる「GRIDS秋葉原」、2016年1月に「GRIDS日本橋イースト」、2017年6月に「GRIDS札幌」、2017年11月に「GRIDS東京 浅草橋」を開業させ、今回の「GRIDS京都 四条河原町」は第5号となり、関西圏へは初進出となる。

民泊専用サイトがスタート
 民泊物件専門の不動産ポータルサイト「民泊物件.com」を運営するスペースエージェント(東京都渋谷区)は、リーデックス(東京都渋谷区)が運営する民泊物件専門の不動産ポータルサイト「booken.jp」を事業譲受した。
 「booken.jp」は、2016年4月には約350万件の物件データベースを持つ不動産情報ネットワーク「リアプロ」と業務提携しサイトを充実させてきた。2018年3月時点で7000名超の会員、200社以上の加盟不動産会社の利用実績を持ち、「民泊物件.com」に続く国内第二位のサイトだという。
 一方「民泊物件.com」は、2016年5月のサービス開始より成長を続け、1万5000名超の会員、400社以上の加盟不動産会社が利用している。
 今回の取り組みは、同じ民泊物件を紹介するサイトとして、会員獲得、不動産会社情報の共有、掲載物件情報の増加、成約率の向上など事業の様々な点で有益な連携を見込む。特に、慢性的に供給が不足している物件情報は、掲載情報の共通化を行うことで双方のサイトがより充実したものとなると期待できます。スペースエージェントでは、将来的にはサービス名を統一することも視野に入れているという。
 
IoT民泊アパートを福岡で
 TATERU(東京都渋谷区)と子会社であるTATERU bnb(同)は、IoT民泊アパート第6号・第7号・第8号・第9号を開発する。
 6号目となる「TATERU bnb SUMIYOSHI I」(福岡県福岡市)は、木造1棟6部屋。部屋面積19・90㎡、サービス開始は2018年夏頃。7号目の「TATERU bnb SUMIYOSHI II」(同)は、木造1棟6部屋、部屋面積19・90㎡、サービス開始2018年秋頃。8号目は「TATERU bnb SUMIYOSHI III」(同)、木造1棟6部屋、部屋面積19・90㎡、サービス開始2018年夏頃。9号目は、「TATERU bnb TOJIN―MACHI」(同)で、木造1棟4部屋、部屋面積19・14㎡、サービス開始2018年夏頃。同社が企画する「TATERU bnb」とは、FITのニーズに対応した宿泊施設。近年増加している旅行スタイルであるFITは、移動や宿泊のコストを抑え、食事や観光などの体験型サービスを重視する傾向が強くなってきている。この施設では1室4名まで宿泊することができるため、一人あたりの宿泊コストを抑えることが可能となり、より自由度の高い旅行を計画することができる。
 旅行者向けIoTデバイス「TRIP PHONE」の貸出により、24時間いつでもどこでもチャットコンシェルジュを通じたレストラン予約や交通案内、観光案内など、宿泊者をサポートする。  同社では、アプリによるIoT民泊運用「TATERU bnb」の開発・運営をはじめとした「bnb kit(スマートロック・チェックインパッド・TRIP PHONE)」の開発・レンタルなど、IoTを活用した様々な民泊運用サービスの提供を行っている。




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