不動産トピックス
クローズアップ 電子錠編
2018.09.03 18:42
オフィスのセキュリティを短時間で、それも安価に向上させる製品として電子錠がある。大半は既存のシリンダー錠を取り替えるだけ。ICカードでも解錠・施錠が可能な場合もある。ビル設備の新機能として注目したい。
既存ドアから簡単取り付け可能
住居やオフィスなどのセキュリティ性を簡単かつ安価に向上させる製品として注目される「電子錠」。特に計電産業(東京都文京区)が販売する「Fe―Lock(エフイーロック)」は、おサイフケータイやICカードを使用して扉の解錠・施錠が簡単にできる次世代型のキーシステムだ。
「Fe―Lock」は非接触型のIC取替錠で、扉に取り付けた機器本体にカードをかざすことでスムーズに操作ができる製品。また同製品は配線不要な電池式となっており、1日に10回使用したとすると約5年はバッテリー切れにならずに利用可能。使用履歴も残るように設定されているため、使用者だけでなく管理者にも配慮した設計となっている。
営業本部営業企画リーダーの井上久夫氏は「ICカードの登録や抹消等の設定は本体とカードだけで簡単に行えるため、建物に合わせたキープランを管理者が自由に構築でき、万が一の紛失やトラブル等々にも管理者が迅速に対応可能でカギ管理のリスクも解消します」と指摘する。更には入居者が変わった後に行うカギ交換の手間も解消された。マンションやアパートでは入居者が変わるたびにカギを交換する所もあり、そのたびに交換費用が発生する。しかし「Fe―Lock」はカードの登録・解除をするだけであり、コスト削減としても有能である。
また導入時は既存のドアカギ(シリンダー錠)から簡単に取り替えることができる。慣れたスタッフであれば30分で完了し、新たにドアを加工しての施工・設置も行わないため施工コストも軽減できる。防滴構造の製品もあり、屋外の設置にも対応でき、関係者専用の出入り口に取り付ける事例も見られる。
オフィスでの設置事例はどうか。良く採用される事例にオフィスの各個室のドアや、ビル共用廊下から各オフィス内へ入る際の入口に設置するケースが増えている。利用者の管理や入退室の確認はもちろん、レンタルオフィス等では個室の数だけ機器を設置することになるため、同製品の設置コストが安価であることも生きてくる。
また「Fe―Lock」と共通の操作で利用できるカードリーダも用意されており、電気錠や自動ドア等も共通のICカードで利用することも可能となっている、井上氏は「住居のみでなくオフィスやホテル、高齢者用の施設、医療現場などにも採用されています。多様な施設にも設置・対応可能な点も強みと思います」と語った。
Qrio スマートロックのリモコンキー発売
オフィス業界でも採用が進むスマートロック。そんな中でもメーカーQrio(東京都渋谷区)は先月30日、販売するスマートロック「Qrio Lock(キュリオロック)」のオプションリモコンキー「Qrio Key(キュリオキー)」の販売を開始した。
同製品は「Qrio Lock」の解錠・施錠操作ができる専用リモコンキー。ボタン操作で誰でも簡単に利用でき、同製品を仮に紛失してしまっても、登録者のスマートフォンからカギの権限をリセットすることができる。そのため、拾得者が悪用し自宅に侵入するリスクも抑えることが可能だ。またスマートフォンを保有していない人や鍵の貸し借りが多い民泊施設、鍵をよく紛失してしまう人にも適した製品となっている。管理面においても手間が掛からないように工夫されており、紛失時の対策も考慮されている点が特長だ。なお、初期設定のみスマートフォンでの登録が必要となっているとのこと。
CANDY HOUSE JAPAN 日本仕様に改良したスマートロック
CANDY HOUSE JAPAN(東京都中央区)は先月28日、米国のスマートロック「SESAME」を日本仕様に改良した新商品「SESAME mini」の先行予約販売を開始した。
「SESAME」は2015年に米国の人気クラウドファンディングサイト「Kickstarter」にて、当初予定の15倍近い1・4億円という達成率を誇ったスマートロック。開発時から様々な鍵の写真やデータを収集し、世界中のデッドボーン式の鍵に対応するセサミを開発。現在はアメリカを始め、ヨーロッパやアジアなども含めた世界中で約5万台の販売実績を持つ。ちなみに日本では2017年秋に販売を開始。着実に普及しているとのことだ。
そんな「SESAME」から、日本の住宅に合わせて小型化された「SESAME mini」が登場。製品の機能性は変わらず重さが20%軽くなり、サイズも半分に改良。スマートロックの部類では世界最小及び最軽量を実現した。
更に高温45度、低温マイナス20度の状況下で一万回以上の回転テストを実施し、故障や剥がれ落ちの発生もなかった。対応可能な鍵の種類も大幅に増え、国内の大半の鍵に対応できるようにもなった。