不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2018.09.25 15:47
ベッセルホテル開発 名古屋と熊本に新店舗開発 2020年春には沖縄エリアにリゾート施設も
「ベッセルホテル カンパーナ」、「ベッセルホテル」、「ベッセルイン」の3ブランドで全国20のホテルを展開しているベッセルホテル開発(本社・広島県福山市)では、新たに2施設をオープンさせる。同社は現在、「2020年までに30店舗」体制を目指し出店を加速させているのだ。
「ベッセルイン栄駅前」11月1日にオープン
同社では、11月1日に「ベッセルイン栄駅前」(愛知県名古屋市)をグランドオープンさせる。名古屋エリアでは、10月に開業予定の「ベッセルホテル カンパーナ名古屋」に続き2棟目になる。
同施設は地下鉄東山線「栄」
駅から徒歩2分に位置、敷地面積768・99㎡、延床面積6584・29㎡、鉄筋コンクリート造、地上14階建て。客室数は、スタンダードシングル・シャワーブースシングル・スタンダードツイン・スーペリアツイン・スーペリアトリプル・ユニバーサルタイプの全225室。
ベビーベッドなどの貸出品、子供用アメニティやおむつ・おしりふきなどベビー用品も無料で提供するほか、女性にはメイク落しや乳液などのアメニティを無料提供する。客室には無料のVODシアターを世設置、チェックイン時のウェルカムドリンクは無料。朝食は名古屋名物メニューを取り入れた和洋食ビュッフェ。宿泊料金はスタンダードシングルで1名6000円から。
施主はJA三井リースと近畿総合リース、設計は三橋設計、施工は前田建設工業が担当している。
また同社は、熊本市中央区に「ベッセル熊本新市街ホテル」(仮称)を開業する。開業は2019年12月の予定。
この施設は熊本市電「辛島町」駅徒歩1分。敷地面積1362・74㎡、延床面積6386・41㎡、鉄骨造。客室はシングル127室、ツイン53室、トリプル47室、フォースルーム2室の全229室。施主はプラザエステート、設計・施工は大和ハウス工業が担当する。
同ホテルは、多くの商業施設が集積する熊本市で最も栄えたエリアに位置し、熊本の観光やビジネスの拠点として利便性が高い。このため、ビジネスユースや家族連れ、グループ旅行はもちろん、国内外からの観光客等にも対応できる。
建物は1階がテナント(未定)、2階以上がホテルの複合ビルとなる。シングルルームに、シャワーブースの客室とユニットバスを設けた客室を用意。フォースルームは、「広々とした客室に露天風呂を備え、プライベートで開放的な空間をお楽しみいただけます」(同社)。3階には、宿泊者限定の大浴場を完備。内湯、サウナに加え、庭園露天風呂を備える。
熊本県では、2004年に開業した「ベッセルホテル熊本空港」(熊本県菊池郡)に続き2棟目のホテルとなる。
今回の計画で、同ホテルと2020年春までに開業が決定しているホテルを含め、計26施設となる予定だ。
デベロッパーとの協業2020年には30店
同社は大手デベロッパーとの協業により、出店エリアを拡大させている。今年は既に10月の「ベッセルホテル カンパーナ名古屋」が開業予定で、2019年2月には「ベッセルイン千葉駅前」(千葉県千葉市)、同年5月は「ベッセルホテル カンパーナすすきの」(北海道札幌市)の開業が控えている。今後2020年春には、「ベッセルリゾート沖縄(仮称)」本館・別館(沖縄県中頭郡)をオープンさせる計画だ。同社は現在、「2020年までに30店舗」体制を目指し出店を加速させている。
出店要件について同社の瀬尾吉郎社長はこう話す。
「既存ホテルの再生にも対応していきますが、新築ならば、主要駅から徒歩5分圏内で、客室数130室など。既存ならば、人口30万人以上の都市で、客室数80室以上が基準です。既存物件の取得や賃貸借、運営受託など様々な契約形態によって出店を加速させていきたいと考えています」
現在展開しているホテルブランドは「ベッセルイン」「ベッセルホテル」「ベッセルホテル カンパーナ」。それぞれ客層に合わせた特徴を持っており、条件や立地によってブランドを選択していく。
それぞれ客層に合わせた特徴を持っており、条件や立地によってブランドを選択していく。例えば最上級に位置する「ベッセルホテル カンパーナ」は、客室の広さはもちろん、細部にわたりゆとりの演出と快適性を追求。また周辺の立地環境にあわせた特別な設備や、18歳以下のお子様の添い寝無料などが特徴だ。
フェリーチェが新ブランドをスタート 「イチホテル(ICI HOTEL)」上野にオープン
デザイナーズホテルを展開しているフェリーチェ(東京都港区)は現在、沖縄県、福岡県、大阪府、北海道、東京都で計8店舗を展開しているが、このほど新たなホテルブランドとして「カジュアル&イージー」をコンセプトとした「イチホテル(ICI HOTEL)」を立ち上げた。
第一弾として「イチホテル上野新御徒町」(東京都台東区)を9月15日にオープンさせた。東京進出後では4棟目。
同ホテルは、都営地下鉄大江戸線・つくばエクスプレス「新御徒町」駅から徒歩2分に位置。客室はシングル18室、ダブル30室、デラックスダブル9室、デラックスツイン1室の全108室で、うちコネクティングルームを3階・5階に設定している。荷物の多いインバウンド客を想定して、折り畳み式のキャリーバック棚のある部屋を設けるなど、コンパクトな中にも空間を有効に生かす工夫を施している。
客室には、加湿機能付き空気清浄機、オリジナル消臭芳香スプレー、世界対応コンセント、USBコンセント、USBマルチ充電ケーブルなどを備える。
また、ルームコントロールタブレットを常設する。言語は日本語・英語・中国語・韓国語・タイ語・スペイン語の6カ国対応で、レストラン、ランドリーの混雑状況がひと目でわかるほか、貸し出し備品の申し込み、フロントからの連絡、各種サービス問い合わせが可能だ。海外利用者にとってわかりづらいテレビリモコンの操作説明もできるようになっている。
1階部分には、同ホテルの特徴のひとつである「イージーポイント」と呼ばれるカフェレストランを併設する。
これは「気軽に簡単に、リーズナブルに」をテーマにした24時間オープンのカフェレストラン。「早朝出発、深夜到着の利用者に、空港近くのトランジット用ホテルのように24時間いつでも食事をお楽しみいただけるスペースとなっています」(同社)という。1000円のチケット制で朝・昼・夜のメニューを用意し、世界のフードやアルコールを提供する。ホテル滞在客だけではなく、一般客も利用可能だ。
「イチホテル(ICI)」について同社の大森真社長は話す。「『利便性が高くか駅からスグの便利な位置(イチ)』、『ここでしか体験できないオンリー1のおもてなし』、『リーズナブルで使いやすい』をコンセプトにしています」。
「ICI」ブランドは、「Invite」(ゲストを快く招く、迎えるホテルサービス・設備)、「Comfortable」(アクセスの快適さ)、「Inspiration」(魅力あふれる観光エリアに隣接したロケーション)の頭文字から由来する。街の歴史や文化、人々の活気ある息吹をホテル滞在に体現する新スタイルを提案していくという。
こうしたコンセプトをもとにして上野エリアに作られた「イチホテル上野新御徒町」は、
「with green&art "緑とアートと共に"」をテーマに、「上野エリアの魅力をホテルに具現化したもの」(同社)という。森の中にいるようなグリーンを配したロビーや、アーティスティックのレストラン・客室。ホテルのレセプションには盆栽家 樹弥沙氏による和デザインとインダストリアルデザインを、駐車場には絵馬絵師Ayumi Miyakawaのウォールアートが施されているなど、「感性を多彩に刺激する空間をお楽しみいただけます」(同社)。
今回に続き、「ICI」ブランドとして11月に「赤坂」、冬に「神田」、2019年春に「浅草橋」を相次ぎ開設していく計画。
同社は2025年までに30店舗体制にまで拡大していく。また自社運営だけでなく、既存ホテルのリノベーション相談や新規開業などコンサルティング業務も展開するなどホテル事業の業域が拡大している。
民泊施設「フォレスティ心斎橋」が開業
民泊予約サイト「STAY JAPAN」を運営している百戦錬磨(宮城県仙台市)は、住友林業(東京都千代田区)との協業第一号となる、民泊施設「フォレステイ心斎橋」をオープンさせた。
同施設は、大阪メトロ四ツ橋線「四ツ橋」駅徒歩5分に位置、敷地面積144・28㎡、RC造9階建て全16戸と店舗1戸。
賃貸マンションを民泊施設に活用する国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)として、大阪市から特定認定を受けて行う事業。百戦錬磨は、開業に至るまでの市場調査、両社での事業性検証・インテリアコーディネートなどに携わり、開業後は施設への集客・運営代行も担当する。
同施設は、インテリアショップやファッションブランド店、カフェやレストランが立ち並ぶ、大阪ミナミの情報発信エリアの一つである大阪市西区南堀江に位置する。観光や買い物に便利であることから、増加している外国人観光客に加え、日本人の需要も見込む。
同社はこれまで、大阪市内で1棟民泊マンションをはじめとする約10施設の運営を行ってきた。民泊予約サイト「STAY JAPAN」で日本全国の多様な宿泊の選択肢を提供するため、これまでに培った合法民泊運営のノウハウを活用した独自のソリューションを基に運営代行事業を推進していきたいという。