不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2018.10.01 18:26

オリックスオリジナルブランド「クロスホテル京都」をオープン
 オリックス不動産(東京都港区)は9月25日、「クロスホテル京都」(京都府京都市)を開業させる。オリックスグループのオリジナルホテルブランドである「クロスホテル」としては、札幌、大阪に次ぎ3棟目となる。
 同ホテルは、京阪電鉄「三条」駅から徒歩約4分、歴史的建造物をはじめ、老舗の京料理屋やお洒落なレストランが軒を連ねる、市内屈指の観光エリアである河原町三条に位置する。敷地面積2176・28㎡、延床面積1万4308・95㎡、地上9階建て。
 コンセプトは「カジュアル ラグジュアリー」。ホテル内各所にあるアート作品や1階レストランにある世界中を旅してコレクションしたというテーマで陳列している各国のオブジェなど、都会的で感性豊かなゲストへ感性を刺激するきっかけを提供していくという。
 外観は、京町屋の格子をモチーフにデザインし、二段庇の特徴的なファサードを構える。ロビー横のラウンジには京都の奥座敷をイメージしたスペースを設置。
 客室は全301室。スタンダードからスイートルームまで4タイプで構成される。全室独立したバスルーム・トイレ・洗面を採用。平均30㎡が中心で、ソファベッドやスタッキングベッドで家族、友人同士での利用も対応可能だ。
 「京感(共感)」と「木(気)づかい」をテーマにした客室は、温かみのある木材や柔らかな質感の和紙などを使用した。最上階に位置する76㎡のプレミアムスイートは、特徴的なソファを備えたリビングルームに東山三十六峰を望む大きな窓、広々としたベッドルームを設置した、また、日本の伝統美と現代的な機能性を融合させた70㎡の和スイートは、最大6名様まで利用できる。
 バスアメニティには、イギリスのスパブランド「ila(イラ)」を日本のホテルで初めて採用。さらに、 Dyson Hygienic MistTM(ダイソン ハイジェニック ミスト加湿器)を全室に用意した。
 1階のレストラン&バー「KIHARU Brasserie(キハル ブラッセリー)」では、宿泊者以外でも飲食ができ、朝食のほか、夜は地中海料理を中心とした国際色豊かなメニューを取り揃える。レストラン&バーは深夜24時まで営業しており、気軽に立ち寄れるバーとしても利用することができる。

リソルグループ京都にオープン「ホテルリソルトリニティ」ブランド
 リソルグループ(グループ本社・東京都新宿区)のリソルホテルは10月1日、京都市中京区麩屋町に"ホテルリソルトリニティ"シリーズの「ホテルリソルトリニティ京都 御池麩屋町」をオープンする。 
 同ホテルは地下鉄東西線「京都市役所前」駅より徒歩2分、延床面積6127・52㎡、建築面積883・71㎡、鉄筋コンクリート造地上9階、客室数はツイン165室、ダブル15室の計180室。京阪電鉄不動産(大阪府大阪市)が建築、リソルホテルが運営を行う。またホテルロビーは、ブルーノート・ジャパンがプロデュースする「BLUE BOOKS cafe 京都」と一体化しており、これは"ホテルリソル"ブランドの新たな試みとなる。 
 宿泊者専用の大浴場のほか、京都オリジナルの「ウェルカムアロマ」、靴を脱いで客室でくつろげる「シューズオフスタイル」を設ける。
 「BLUE BOOKS cafe」と一体化した「リビングロビー」は、「もう一つの居場所があるホテルへ」をコンセプトにした空間を提供する。ブルーノート・ジャパンがプロデュースするこのスペースは、「豊かなる日常、未知なるジブンと出会う場所」をテーマに、音楽と本のある日常と"自分のための"時間を提案する「大人の食堂」として2012年静岡に誕生。東京、自由が丘に続き、京都は3店舗目のオープンとなる。「BLUE BOOKS cafe京都」ではホテルロビーと一体化した店舗として、ビュッフェスタイルでの朝食を提供。開放的なカフェラウンジで、好きなパンと具材でカスタムできるミニサンドウィッチなどを提供する。
 同ホテルは、京都エリア初の"ホテルリソル"として6月に開業した「ホテルリソル京都 河原町三条」、8月開業の「ホテルリソル京都 四条室町」に続く、京都エリア3館目となる。
 同社が展開する"ホテルリソル"ブランドは、「ホテルリソルトリニティ」シリーズと、「ホテルリソル」シリーズの2タイプ。前者は"三位一体"という意味を持つ"トリニティ"。「眠り」「グルメ」「癒し」の三位一体のステイをテーマとしたもの。後者は宿泊を主体に、インテリアから照明、音楽、空気、快眠、アロマまで、五感をリラックスさせる空間づくりを追求したシリーズ。
 今後同社では、2019年3月に「ホテルリソル横浜桜木町」(神奈川県横浜市)、同年4月に「ホテルリソル秋葉原」(東京都千代田区)、2020年には「(仮称)ホテルリソル上野」(東京都台東区)、「(仮称)ホテルリソルトリニティ大阪 淀屋橋」(大阪府大阪府)の開業を予定している。

小田急電鉄 企業の保養所取得しリノベーション
 小田急電鉄(東京都新宿区)と小田急リゾーツ(神奈川県相模原市)はこのほど、箱根・強羅で企業の保養所・研修所として使用されていた物件を取得。今後リノベーションによるホテル開発に着手する計画だ。 
 2019年8月に「(仮称)小田急強羅ホテル」として開業させる。同施設は、箱根登山鉄道「強羅」駅から徒歩5分に位置、良質な温泉を湧出する自家源泉を有しているほか、周辺には箱根強羅公園や彫刻の森美術館などの観光施設にも近い。
 ホテル施設は、ホテル棟とコンドミニアム棟の2棟構成。ホテル棟は、地上5階建てで、62室の客室に、レストラン、大浴場、中庭、ラウンジを設置する。中庭には、ウッドデッキ、焚き火炉、足湯、ハンモックを、ラウンジには、ドリンクコーナー、ライブラリー、湯上がりラウンジを配置、宿泊者がラウンジや中庭を中心に集い、それぞれの時間を過ごせるのが最大の特徴となる。 
 一方、コンドミニアム棟は、地上4階建て、全10室に温泉付きビューバスが付いたコンドミニアム。このビューバスの付いたコンドミニアムタイプの宿泊施設は、強羅エリア初展開となる。広々とした居住スペースが特徴で、短期から長期の滞在まで幅広い用途の利用を期待している。
 投資額は約21億円。リノベーションによって新たに誕生するホテルでは、こうした物件の特徴を活かした宿泊体験を提供する施設を目指していきたいという。
 小田急グループは、ホテル事業を成長分野と位置づけ、地域の魅力を引き出す特徴あるホテルの出店を進めている。都市型ホテルやリゾートホテルなど、2015年度から出店を強化しており、2020年度までに15店程度を出店する計画だ。 また、箱根地区では、グループの各交通機関の結節点となる駅やターミナル、観光施設への大型投資を開始している。強羅は箱根登山電車の終点であり、ホテルの開業により新たな滞在拠点を設けることで、強羅エリアの魅力を発信していきたいという。

キャビン型施設をビジネスマンにも
 全国でフィットネス施設「ジョイフィット」を250店舗展開するオカモトグループ(北海道帯広市)は、姫路では初となるキャビン型の宿泊施設、「CABIN INN 姫路駅前」を8月1日にオープンさせた。
 「旅費をリーズナブルに抑え、観光を楽しみたい。だけどしっかり疲れがとれ、くつろげる空間が良い」をコンセプトとした同施設は、JR「姫路」駅北口より徒歩1分に位置、除染専用含め総部屋数は131室。ドミトリー、トイレ、パウダールーム、コインランドリー、乾燥機、ラウンジ、ワーキングスペース、会議室、喫煙所、ミニキッチン、自動販売機などを併設する。宿泊の他、コワーキング等、多目的に使えるラウンジも備える。
 カプセルユニットは木目を基調とし、従来のカプセルホテルとは異なるワンランク上の眠りを届けていきたいという。
 ラウンジは大人の隠れ家を思わせる落ち着いた雰囲気を演出し、日中はコワーキングスペースとして開放されるため、ビジネスセンターとしても利用可能だ。
 また、団体客向けにはドミトリールームを用意するほか、女性ひとりでも安心して利用できる専用フロアも備える。

からくさホテルズが大阪エリアに全396室規模
 からくさホテルズ(東京都港区)は11月末、「からくさホテルグランデ新大阪タワー」(大阪府大阪市)をオープンさせる。
 同ホテルは、新幹線や各種在来線、地下鉄御堂筋線が乗り入れる「新大阪」駅から徒歩約5分に位置。延床面積約1万8450㎡、地上24階・地下1階。客室は全396室で1131人の収容力を誇る。うちコネクティングルームは160室。大浴場もあり、グループから少人数まで、幅広い利用を期待している。設計・施工は清水建設関西支店。からくさホテルズ関西が運営する。
 同社は、2016年3月に「からくさホテル京都I」、「からくさホテル大阪心斎橋I」を開業させたのを皮切りに、2017年1月、「からくさスプリングホテル関西エアゲート」、同年11月、「からくさホテル大阪なんば」、2018年1月に北海道初の「からくさホテル札幌」がオープン。現在5ホテルを北海道・関西で経営・運営している。2019年は、東京に「からくさホテルプレミア東京銀座」(5月1日開業予定)、「からくさホテル東京ステーション」(7月8日開業予定)の2ホテルを予定している。

自動チェックインシステム始動
 民泊業界において国内登録数トップクラスの民泊運営管理システム「m2m Systems」を展開するmatsuri technologies(東京都新宿区)は、自動チェックインシステム「m2m Check―in」に、同社の有人コールセンターが宿泊者の本人確認を行う機能をリリースした。 
 この機能により、民泊事業者が認証操作をしなくても本人確認がとれるようになる。物件ごとの宿泊者名簿の作成機能も追加し、セキュリティの強化。これにより、民泊事業者の本人認証作業が削減され、同社で認証スタッフを受け持つことになるため、より健全で効率的な民泊が運営可能となるという。
 今後同社は、スマートロック対応・スマートキーボックス・Microsoft face API・個人情報のマスキングの実証も検討しており、より健全で効率的な民泊運営を広めていき、日本の宿泊需要に答えていける民泊市場を作っていきたいという。




週刊不動産経営編集部  YouTube