不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2018.10.09 17:16

スペースデザインが運営開始 三菱地所Gと銀座でコラボ
 スペースデザイン(東京都港区)では、三菱地所グループのロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(東京都千代田区)と運営委託方式で、ロイヤルパークホテルズの新ブランドである「ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座8(ギンザエイト)」を2019年3月に開業させる。
 同施設は、東京メトロ銀座線「銀座」駅徒歩約5分に位置。鉄骨造、地上14階、客室数121室。1階にカフェ、2階にはラウンジ、キッチン、ミュージックライブラリー、フィットネスジム、14階にはレストランを併設する。
 13階客室の一部は、建築・デザインチームによるトータルデザインで定評のあるGARDEが「GINZA MODERN」というコンセプトで客室をデザインした。また、同ホテルのレストランプロデュースと運営を手掛けるトランジットジェネラルオフィスが、クリエイターが憧れる旅先での滞在を表現した「クリエイターズ・ルーム」をデザインを担当している。
 1階にはカフェとスーベニアショップをミックスした店舗である「ボトルショップ」、2階にはゲストが自由に交流できる「ラウンジ」や「プライベート キッチン」、スタッフが厳選したレコードが並びゲストが自由に聞くことができる「ミュージックライブラリー」、健康志向のゲスト向けに「フィットネスジム」を用意し、ゲストの新たな発見や体験をサポートしていきたいという。
 同ホテルは、同社親会社であるケネディクスがホテル開発し、サービスアパートメント事業等を手掛ける同社が経営を行い、ロイヤルパークホテルズに運営を委託するスキーム。
 新ブランドの「キャンバス」という名前には、「キャンバスに絵を描くかのごとく、自由に自分色でご利用いただく」をコンセプトにしたもの。「ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座8」では、ゲストひとりひとりの滞在が自分スタイルとなるよう、充実した付帯施設やコラボレーションルームの展開を通じ、滞在の魅力を高めていく。
 スペースデザインは、サービスアパートメント事業の他、「レジデンシャルホテル ビーコンテ」シリーズや、2016年グッドデザイン賞受賞の「BUNKA HOSTEL TOKYO」などで培ったホテル事業の経験を基に、今回ロイヤルパークホテルズと共にホテル経営・運営することで、更なるバリューアップを目指していきたいという。

ザ・キャピトルホテル東急が客室改装
 ザ・キャピトルホテル東急(東京都千代田区)では、スイートルーム・クラブフロア宿泊者専用のラウンジと客室をリニューアルした。
 「The Capitol Lounge SaRyoh」と新たに名づけられたラウンジは、「和みの空間」をテーマに専任スタッフによる滞在中のサポートはもちろん、時間帯ごとに飲みものや軽食を取り揃えるなどのサービスを提供する。また、今夏、改装工事を完了した宴会場では、全ての床材、壁材など内装材を新調したほか、新たに可動式の壁を設置し多様なスタイルで利用できるようにした。
 「The Capitol Lounge SaRyoh」は入り口に西陣織のアートワークを設置、一角には茶席をイメージして茶釜を囲むように畳の椅子を配置した。こちらでは茶釜を用いる飲みもののほか、総料理長特製の朝食や軽食も提供する。
 またリニューアルに際して"茶寮=SaRyoh"の名にちなみ、より上質な飲みものを用意した。中でもコーヒーは栽培・精選工程、品質管理で格別のこだわりを持って生産するブランド「ミカフェート(Mi Cafeto)」が特別ブレンド。地元赤坂の明治25年創業「土橋園」の銘茶やベルギーチョコレートを使ったホットチョコレートなどを提供する。
 スイートルーム・クラブフロアの一部客室では、和モダンのデザインはそのままに保持しながら、床材・壁材など内装材や家具を新調するほか、「クラブプレミアキング ジュニアスイート」を新たな部屋タイプとして設けた。
 宴会場は、床材、壁材など内装材を新調するほか、大宴会場「鳳凰」では250インチ、300インチの大型スクリーンを新たに導入。ホテル2階に位置する小宴会場「桜」「橘」は、壁を可動式にすることで2会場をつなげた中宴会場として利用できるようになったほか80インチの大型モニターを新たに設置した。

旅館取得物件専門サイトがスタート
 沖縄を中心に宿泊施設プロデュース事業・運営事業を展開しているスターリゾート(東京都渋谷区は、旅館業取得物件専門の賃貸物件情報サイト「YADORY(ヤドリー)」をリリースした。
 これは旅館業取得物件専門の賃貸物件情報サイト。賃貸物件を借りるように、ホテルなど旅館業または簡易宿泊所物件のみを掲載し「貸したい人」と「借りたい人・運営したい人」をマッチングさせる。 
 不動産を貸したい人は、専用問い合わせフォームから物件情報を記入すれば同社スタッフが掲載作業をおこなう。一方、借りたい人は賃貸マンションやオフィスを借りる際と同様で、各物件の問い合わせフォームから連絡をしてもらう、という仕組み。
 既に100名以上の個人投資家、民泊事業者、不動産業者が登録しているという。
 6月15日より民泊新法が施行されたが、その条件は厳しく営業可能日が最大180日しかなく、同社では365日営業可能となる旅館業取得物件の需要が高まるとみているという。また、不動産投資といえば一般的には不動産を購入するという認識が強いものの、同社には「買わずに賃貸で運営したい」と多くの相談があり、こうしたことからサービスの需要があると判断した。  同社は「地方を変え、日本を変え、世界を変える」をミッションに掲げ、地方×訪日専門の宿泊施設運営会社として設立。沖縄を中心に遊休不動産や別荘、中古不動産の再活用として宿泊施設運営事業を手掛けている。

コンフォートホテルが神戸に60軒目
 全国で「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」59軒を展開しているチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)では9月28日、兵庫県神戸市中央区に「コンフォートホテル神戸三宮」を開業した。
 同ホテルが位置する三宮では、現在、神戸市による再開発の計画が進んでいるエリア。「神戸三宮」駅より徒歩約4分の場所にあり、ビジネスや観光など旅の拠点として宿泊需要が見込める。建物は地上13階、全219室。
 同ホテルは、神戸ポートタワーや中華街を代表とする観光スポットが多い「ウォーターフロントエリア」と、夜景や牧場が有名な六甲山がある「山岳エリア」の両方に隣接。海側と東西側の客室は、海を連想させるブルーを基調とした。一方、山側の客室は、山を連想させるグリーンを基調としている。「海と山に囲まれた三宮に訪れたお客さまに、神戸での楽しみとくつろぎを提供できるデザインをコンセプトとしています」(同社)という。
 館内には「Comfort Library Cafe」を新設。カフェ内では、 7種類のドリンクが飲み放題で利用できるほか、神戸に関連した写真集や本など、地域情報誌や旅行誌を中心に、さまざまなカテゴリの本を用意している。カフェの本は、選書家として数々のライブラリーをプロデュースしている有限会社バッハの幅允孝(はばよしたか)氏が選書を行った。
 同社は、ホテルフランチャイズの加盟店の募集・指導・管理・運営を展開。世界35カ国に6800軒以上のホテルを展開するアメリカのホテルチェーン「チョイスホテルズインターナショナル」の、日本におけるマスターパートナーとして、北海道から沖縄まで全国へコンフォートブランドのホテルを展開している。

「ラフォーレ」を「マリオット」へ
 森トラスト(東京都港区)は、長野県白馬村で運営している「ラフォーレ倶楽部 ホテル白馬八方」を「コートヤード・バイ・マリオット 白馬」にリブランドし、今冬に開業する。このほどマリオット・インターナショナル(本社・米国メリーランド州)と合意した。
 同施設が位置する白馬村は、北アルプスの雄大な自然が広がり、冬にはパウダースノーを、夏には登山やトレッキングなどのアクティビティを体験できる山岳リゾートだ。外国人に人気のリゾートとして知られており、白馬村を訪れるインバウンドは年々増加しているという。
   リブランドに向けて、レストラン「Dining&Bar LAVAROCK」の先行オープンや、ロビー、客室などの全館リニューアルを実施し、温泉付客室27室を増築する。森トラストグループが長年培ってきた顧客基盤や事業ノウハウと世界最大級の会員数を有するマリオット・インターナショナルの集客力を融合することで、インバウンドの更なる誘致を目指していきたいという。
 同施設は、敷地面積4833・77㎡、延床面積4997・93㎡、鉄筋コンクリート造、地上3階・地下1階。設計はエーシーエ設計、デザインエイト、施工は東急建設が担当する。
 森トラストグループは、白馬村で同ホテル開業の他にも、国内でも希少なスキーイン・スキーアウトが可能な立地を活かしたラグジュアリーホテルの開業を目指す「(仮称)白馬咲花プロジェクト」を推進している。今後、日本各地の魅力あふれる都市やリゾート地で、ポテンシャルの高い観光資源を活かしながら、日本の観光先進国化に貢献すべく、インバウンド需要の一層の受け皿拡大を目指していきたいという。

レジデンストーキョーがサービスを拡充
 全国約4000室のマンスリーマンション事業者と提携しているレジデンストーキョー(東京都渋谷区)は、AiCT(熊本県中央区)と業務提携を締結。レジデンストーキョーが企画・開発・運営を行うマンスリーマンション、宿泊施設、民泊施設で、入居者や利用者向けにAiCTが運営するスマートクリーニングサービス「LAGOO(ラグー)」を導入する。同時に入居者や利用者のサービス向上のためにLAGOOをベースにした新サービスを共同で開発していく。
 第一弾として、レジデンストーキョーが開発し、2019年4月に完成を予定している東京都江東区のマンスリーマンションにLAGOOを導入する検証を共同で開始した。今後は同社が企画・開発する不動産プロジェクト、同社子会社であるコンストラクショントーキョー(東京都渋谷区)が設計、建設請負、コンストラクションマネジメントを行うプロジェクトでも、 LAGOOの導入を進め、入居者満足度向上を目指していく。
 「LAGOO」は、スマートフォンでクリーニングの受付から精算まで、待ち時間なくスムーズに行うことができるクリーニングサービス。
 AiCTは「LAGOO」のサービスを全国8000店舗のエリアネットワークを持つクリーニングFC最大手「ホワイト急便」への導入実績がある。また、LAGOOロッカー経由での個人間物品受け渡しサービス等も現在開発中だ。




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