不動産トピックス
今週の一冊
2018.10.19 15:22
頑張ってどうにかなる時代ではない
社長のマインドセットで会社は変わる
社労士事務所に学ぶ中小企業ができる「働き方改革」
著者:堀下和紀
発行日:2018年2月10日
発行所:労働新聞社
価格:900円(税別)
「働き方改革」は行政が旗を振り大企業も続々と声高らかに社内制度を変更している昨今だが、果たしてすべての職場で改革らしいことがされただろうか。「働き方改革」を断行出来る職場は安定した大企業や活況産業の企業にほぼ限られるのではないか。また「働き方改革にもなりますよ」とのセールストークに乗せられ便利なシステムを導入し江業務改善になり、それで改革したつもりの企業も少なくないだろう。
本書は「3年前までブラック企業だった」という社労士事務所の所長が自らの事務所で実践した改革を記したものだ。長時間労働が蔓延し社員の定着率の低い中小企業では働き方改革は難しい。トップの意識が低いからだ。だが言い換えればトップ次第でいくらも改革はできるということを本書は小気味良いほど断言している。「退職者が増えるとサービスの質が落ち、仕事が回らなくなる」という単純な図式を全く理解していない経営者が如何に多いか。頭数を揃えれば仕事が回るわけではない。
本書はトップのあり方を説くだけでなく、業務クラウド化、女性活用にも言及。「まずは社長を変えろ!」と呼びかける。すべての中小企業経営者必読書。なお、日本ではクラウド化は進むが女性活用は遅々として進まないだろう。