不動産トピックス
クローズアップ 建材編
2018.10.19 15:21
ビルを構成する部材は数限りなく存在する。ビルの機能から美観を高めるものまで様々存在する中で、ビルに合った建材を選択する目が必要となる。ビルの高稼働に貢献する建材を紹介していく。
ココナッツの皮で手作りモザイクタイル
パシフィックアーバンシステムズ(東京都中央区)が販売を強化している建材が「ココナッツアートモザイク」だ。
同商品は、ココナッツの皮で作った手作りのモザイクタイル。「本来ならば廃棄される素材を使用しているため環境に優しいのが特徴です」(市川芳明社長)。
天然ヤシの殻を天日で乾燥させ、洗浄しモザイク状に殻の表面を切り取る。水性の接着剤でひとつひとつモザイクを手作業で貼り付けるといった工程で完成させる。
ヤシ柄活性炭は世界的に様々な用途で用いられているように、同商品は湿気を吸収し部屋の結露防止、断熱などにも効果を発揮するという。
タイプは「GrandCanyon」・「WhitePtina」・「EvoNatura」・「EvoAqua」・「NaturalGrain」・「NaturalBliss」など8種類。
同商品はヨーロッパへの建材や家具の表面材として輸出も多いものの、「国内ではホテル・旅館・店舗などに天然系装飾材」として利用されるケースが増えています」(市川社長)という。
同社は貿易事業を主力としており、海外ネットワークと組織力でホテル向けに様々な差別化商品を提供している。ベトナムではホーチミン市にある高級コンドミニアムの内装を手掛けているほか国内でも家具・建材等を販売している。
メンテナンス性・耐久性に優れた「スタロン」
ロッテアドバンストマテリアルズ展開
ロッテアドバンストマテリアルズ(東京都港区)は、韓国ロッテグループの先端素材専門会社だ。
前身はサムスングループで、2016年にグループ入り。日本では昨年5月よりアクリル系人工大理石の製造・販売を本格的に展開している。
同社が扱っているのは「スタロン」。商業ビルやホテル・レストランの洗面・カウンターなどに導入されているという。
同商品は、アクリル樹脂30%に石材・化学品を加えたもの。内部の組成が均一でありまがら隙間のない無孔質の素材で、衛生的かつ環境に優しい素材として脚光を浴びている。UPE系人工大理石と違い、様々なカラーとパターンのインテリアの素材であり、つなぎ目のない曲面加工ができ、メンテナンスが容易、創意的なデザイン演出が可能。「天然大理石の端緒である汚染性と加工性、多彩なカラー不足といった課題を解消しました」(張課長代理)。
メンテナンス性と耐久性が高いことはもちろん、成型などシームレス加工が可能。高透明チップが入っているTempestとエレガントなパターンを持つSupremeコレクションがある。
同社は関東・中部・関西地域の3カ所に在庫拠点を持っているため、「日本全国対応物流も整っています」(張氏)
同社では内装関係の工務店及び設計デザイナーに対して提案していきたいという。
重量3分の1のアルミパネル
小松物産(本社・大阪府大阪市)が提案している「ファザード」は、アルミ材を直線・曲線の3次元加工したパネルをシステム的に連結した商品だ。化粧ルーバーとして、ビル・マンション等の外装に利用されているという。
同商品は押し出し中空材を使うことで、同じアルミの無垢材となる鋳物と比較しても重量が約3分の1に軽くなることで荷重負担が大幅に軽減される。一方で、「伸び率もアルミ鋳物と比較して非常に高く、震動や耐圧性にも優れています」(馬氏)という。
従来の化粧ルーバーは西方上の制約から直線的なデザインのみだったが、同商品はアルミ押し出し中空材を曲げたり溶接することで、「3次元の多彩な表現を可能にしました。このためイメージから形状、材料と選択、自由度の高いデザインを可能にします」(馬氏)
壁面から持ち出して取り付けるため、既存壁面にも支持金物の設置ができればそのまま取り付けられる。また、壁面をLEDライトアップ演出など裏面空間があるため配線もできる。
「もちろん価格も軽量であることと、建築躯体への負担が少なく、また鋳型を必要としないことから初期費用も少なく大幅なコスト低減が期待できます」(馬氏)