不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2018.11.19 16:40
ベッセルホテル開発 名古屋エリアに相次ぎ2棟オープン 異なるブランドで
ベッセルホテル開発(広島県福山市)では愛知県名古屋市で、10月17日には、「ベッセルホテル カンパーナ名古屋」、11月1日には「ベッセルイン栄駅前」の2棟を相次いで開業させた。
「ベッセルホテル カンパーナ名古屋」は、JR「名古屋」駅から徒歩4分に位置、敷地面積1635・82㎡、延床面積6846・30㎡、客室はスーペリアツイン中心の全233室。大浴場も配置している。
一方、「ベッセルイン栄駅前」は、地下鉄東山線「栄」駅から徒歩2分に位置、敷地面積768・99㎡、延床面積6584・29㎡、鉄筋コンクリート造、地上14階建て。客室数は、スタンダードシングル・シャワーブースシングル・スタンダードツイン・スーペリアツイン・スーペリアトリプル・ユニバーサルタイプの全225室。
ベビーベッドなどの貸出品、子供用アメニティやおむつ・おしりふきなどベビー用品も無料で提供するほか、女性にはメイク落しや乳液などのアメニティを無料提供する。客室には無料のVODシアターを世設置、チェックイン時のウェルカムドリンクは無料。朝食は名古屋名物メニューを取り入れた和洋食ビュッフェ。
施主はJA三井リースと近畿総合リース、設計は三橋設計、施工は前田建設工業が担当している。
いずれのホテルも全室禁煙。
同社は現在、出店エリアを拡大させている。この後も2019年2月には「ベッセルイン千葉駅前」(千葉県千葉市)、同年5月は「ベッセルホテル カンパーナすすきの」(北海道札幌市)、同年12月には「ベッセル熊本新市街ホテル」(仮称 熊本県熊本市)の開業が控えている。今後2020年春には、「ベッセルリゾート沖縄(仮称)」本館・別館(沖縄県中頭郡)をオープンさせる計画だ。同社は現在、「2020年までに30店舗」体制を目指し出店を加速させている。
同社が展開している「ベッセルホテル カンパーナ」、「ベッセルホテル」、「ベッセルイン」の3ブランドは、それぞれ客層に合わせた特徴を持っており、条件や立地によってブランドを選択していく。
スペースデザインが民泊事業に参入
スペースデザイン(本東京都港区)は民泊事業に参入する。このほど同社が企画・運営しているサービスアパートメント「ビュロー渋谷(BUREAU SHIBUYA)」(東京都渋谷区神南)で住宅宿泊事業法を活用した賃貸と民泊のハイブリット運営を開始した。これにより、従来の最短1カ月からの賃貸借契約だけでなく、民泊として1泊からの宿泊も可能になる。
同物件は東京メトロ銀座線・半蔵門線・東急東横線・JR線「渋谷」駅から徒歩約8分に位置し、原宿、表参道や代々木公園や明治神宮にも徒歩圏内にある。数多くの飲食店やデパートが集まり、最先端のファッション・音楽など文化の発信地として、また、ビジネスエリアとして利便性も高く、居住エリアとしても人気のロケーション。
構造・規模はRC造、地上10階建て、部屋戸数37戸で民泊運営対象住戸はうち8戸。
部屋タイプはツインベッド仕様の2LDK、1LDK他の計4タイプ。室内には家具・家電・調理用具等は勿論、Wi-Fi・CATV・handyスマートフォン等も用意する。
住宅宿泊事業法を活用したサービスアパートメントは、引き続き12月には「ビュロー高輪(BUREAU TAKANAWA)」(東京都港区)でも実施する予定だ。
同社は、世界各国から中長期滞在の訪日外国人ゲストをもてなし、1カ月間から滞在できるサービスアパートメント"ビュロー(BUREAU)/ビーサイト(B-SITE)"シリーズを運営している。今後も、住宅宿泊事業法の活用によるハイブリット運営に取り組む事で、運営会社として更なるバリューアップを図っていきたいという。
「桜」をテーマにコンセプトルーム
四季の自然舎(神奈川県三浦市)が運営している「マホロバ・マインズ三浦」は、現在販売中の「コカ・コーラルーム」などに加え、新たなコンセプトルーム「SAKURA(桜)ルーム」の販売を開始した。
この客室は、同ホテルが「河津桜」の神奈川県内随一の名所・三浦海岸に位置することから、スタッフが自ら企画し、客室じゅうに桜をモチーフにした装飾を施したもの。
「河津桜」は、毎年2月から3月にかけて、約1000本もの河津桜が「三浦海岸」駅から京急線に沿って「三崎口」駅までを彩り、30万人もの観光客が訪れている名所。元々は地域の名物作りを目指して、住民が中心となって植樹された。
同ホテルは、地下1500mから湧き出す自家源泉の温泉が宿泊者のみならず日帰り入浴客にも好評を得ている。また、300室近くの客室を擁し、平日でも数百名、休前日には1000名を超える宿泊客を迎える三浦半島随一のホテルとしても認知されている。三崎マグロや地魚などの海の幸、地元三浦の野菜をはじめとする山の幸が食べ放題のバイキングも幅広い年齢層に人気を集めている。
同ホテルは、2017年4月に、コンセプトルーム「アリスルーム」と「ティアラルーム」を完成させ、その後次々と「コカ・コーラルーム」、「ハイカラ浪漫ルーム」、「アジアンスイートルーム」の販売も開始した。
「禅」をテーマにしたカプセルホテル
SEN(東京都目黒区)では、「禅」をテーマにした新型カプセルホテル「hotel zen tokyo(ホテル・ゼン・トーキョー)」を2019年2月に中央区日本橋人形町にオープンさせる。
「禅」をテーマにした同施設は、各部屋を千利休の茶室に見立てているのが特徴。
各カプセルは、千利休が16世紀後半に生み出した茶室の傑作「妙喜庵(待庵)」を21世紀型に再解釈し、丁寧につくりあげた和モダンな空間。
近年世界的に注目を集めているカプセルホテルの通常の形式を天井までの高さ2・2mまで広げた。
シングルまたはセミダブルのベッド、床の間の形をした金庫キャビネット、電源、衣類をかけるハンガーなどを準備した。
客室タイプは全部で5種。部屋の種類によってベッドサイズ(シングルまたはセミダブル)、面積、デザインが異なる。5種類のうち3種類は茶室カプセル、残りの2種類はより広々とした、コンクリートと木の素材をフル活用したデザインのコーナールームとなっている。
館内には共用スペースが約300㎡確保されており、仕事スペースとして使えるワークラウンジやランドリールーム、飲食が可能なカフェバーなどの施設も充実させた。
古民家再生で「お花茶屋 森谷邸」
合同会社お花茶屋Labo(東京都葛飾区)は、古民家再生による宿泊事業を開始する。
築40年、宮大工が3年余りをかけ完成させた伝統的日本建築の建物を「お花茶屋 森谷邸」(同)として事業を本格スタートさせる。
同施設は、京成電鉄本線「お花茶屋」駅より徒歩8分に位置し、敷地面積1000㎡超。メインとなる本館は、天井高3mの居室が特徴的で、一続きとしても使える書院造りの4部屋の和室、欄間をはじめ組子が随所にあしらわれた建具、圧倒的な存在感ある桁丸太が支える日当たりの良い広縁、堂天然石が鎮座する高い上がり框が印象的な玄関、天然木一枚板の座卓や、手書きの襖絵、雪見障子、風情のある柱時計などが特徴だ。
別館は純白の漆喰壁と天井高4mの土間、居室やキッチンも備えており、アート系のワークショップ等クリエイティブな利用を期待している。
古民家再生に注目が集まる昨今。2020年東京オリンピック開催を控え、ますます増加が予想される訪日観光客の日本文化の体験の場としての受け皿はもとより、こうした拠点を活用した、これまでにない事業創造に期待が寄せられている。
「阿波藍ルーム」で地元発信
ルネッサンス リゾート ナルト(徳島県鳴門市)は、阿波藍の魅力を広く発信させるため、徳島県と阿波藍魅力創造発信プロジェクト協力監修の下、「阿波藍ルーム」全4室を完成させた。
江戸中期から明治にかけて、山形の紅花とともに天下を藍色で覆ったともいわれるのが徳島の藍。同ルームはその伝統的な技法を今に伝える徳島を代表する4名の"藍染めの匠"が「阿波踊り」や「渦」などをテーマに仕上げたもの。
「阿波藍」とは、徳島で栽培されたタデ科の植物である藍の乾燥葉を発酵させて作る天然藍染料「すくも」のことを言い、今も5軒の藍師が伝統製法を守りながら作り続けている。この「すくも」を使用した"天然灰汁発酵建てによる本藍染"という江戸時代から伝わる技法を用いて染め上げ、床の間の建材や襖(ふすま)の一部に施し、藍染の調度品も配置する。
建材を含め一部の藍染作品や調度品は、カタログにて詳細を紹介し、ホテルオリジナルショップやインターネットでの販売も予定しているという。
アパート型ホテルを完成
大和ハウスグループのコスモスイニシア(東京都港区)は、グループでの中長期滞在のニーズに対応する都市型アパートメントホテル「MIMARU京都 新町三条」を11月8日にオープンさせた。
関西エリア第2段物件となる同施設は、京都市営地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅徒歩5分に位置。敷地面積1046・88㎡、延床面積4021・80㎡、鉄骨造地上5階建てで、客室はグループでも快適に過ごせる定員4名の約35㎡、5名の約40㎡、約60㎡6名の全69室。コネクティング対応の客室では、約80㎡最大9名までの宿泊が可能。また、バリアフリー対応の客室も設ける。