不動産トピックス
クローズアップ セキュリティ編
2018.12.25 14:27
部外者や不審者が簡単にオフィスフロアへ侵入できないビルはテナントからの評価が高い。セキュリティがしっかりと施されているはどうかで、ビルの稼働率にも影響してくる。セキュリティの向上に繋がる製品を紹介したい。
使用・設置・管理が簡単な電子錠 ICカードを宣の先端にかざすだけで開錠
奈良建設(横浜市港北区)の100%子会社であるセットアップ横浜(横浜市港北区)は、手軽に取り付け可能な電子錠「CARD LOCK CYLINDER PIQRU(カードロックシリンダー ピックル)」を販売する。
ピックルは、既存のシリンダー錠を活用した非接触タイプの電子錠。見た目はドアノブのようだが、ICカードをノブの先端にかざすと解錠できる。解錠時は「ピッ!」という電子音が鳴り、その後にノブを「クル」と回すだけ。製品名「ピックル」の由来にもなった、そのシンプルな操作方法から子供やシニア層まで幅広く愛用されている。また取り付けは、既存のカギから同製品に取り替えるだけの簡単施工。使用する工具もプラスドライバー1本だけ。粘着シートを使用して扉に取り付けるスマートロックや電子錠と違い、不意の脱落やズレなどの心配もない。また施工時に扉を加工することもないため、原状回復工事が求められる賃貸物件への設置にも適している。
営業部長の山田紀雄氏は「使いやすさも好評ですが、施工性の良さからテナントビルや賃貸マンションに導入を決める不動産オーナーも多く、店舗、レンタル倉庫、シェアオフィス、社員寮、銀行、病院、学校などの様々な設置事例があります。また製品自体が高額でないうえ、セキュリティ性の高さや利用者のニーズに応えた柔軟性も強みとなっているのが特長です」と機能性についても語る。
そもそも同製品はICカードをカギとして使用するので、通常のカギ穴式が被害にあうピッキングの心配はない。カードもICチップ管理なので、カギの複製も難しい。更に使用するカードは3種類あり、入居者がカギの解錠に使用する「カードキー」、カードキーの持つ解錠の権限を個別に削除する「イーレスカード」、カードキーの登録や紛失時の権限の削除に使用する「プログラミングカード」がある。通常は物件オーナーや管理会社がイーレスカードとプログラミングカードを管理し、入居者やテナントなどはカードキーを保有する仕組みだ。万が一、カードキーを紛失してもカギの権限は個別で簡単に削除でき、また外部の人間が紛失したカードを拾っての悪用はできなくなっている。
一方で柔軟性の高さもある。ピックル自体のカードの登録件数は最大で1000件。社員が数百名を超えるオフィスや学校、賃貸物件のエントランスにも設置が可能で、プログラミングカードを使用すれば1枚のカードキーで複数の部屋や共用部扉の解錠も指定できる。その結果、入居者と管理人で入退室が可能な部屋を区別することも可能だ。これは社内の機密情報漏洩のリスクも下げることになる。「社内の資料室の出入りを特定の社員のみ」に制限することにも生かせる。
更にピックルは電池1本で約3万回の動作が可能。停電時でも難なく機能するため、震災時にも高いセキュリティが持続。待機期間(使用されない期間のこと)は3年間続いても機能し、賃貸物件の空室管理でも効果を発揮する。山田氏は「賃貸住宅では、入居者が入れ替わるたびにカギを取り換える業務が発生します。これをピックルに取り替えると、カードの権限を削除するだけで解決。無駄なコストも削減できるので、不動産オーナーこそ導入してはどうでしょうか」と改めて賃貸物件への適正について語った。
SEC 防犯カメラ内蔵の多機能ディスプレイを提供開始
創業50年を迎えた独立系エレベーター保守会社最大手のエス・イー・シーエレベーター(東京都台東区、以下SEC)は、エレベーター(EV)専用メディアのベンチャー企業の東京(東京都千代田区)と協力し、防犯カメラ内蔵の多機能ディスプレイ「東京エレビ」の0円配布を17日より開始した。
これまでEV利用する、特に若い女性を中心に「密室に知らない人と乗り合わせるのは不安」、「乗る時間が気まずい」などの意見があり、安心面に課題があった。だがEV内に防犯カメラを設置するには高額なコストが発生。EV内でのカメラ設置があまり普及していなかった。
SECはこれら課題解決に向けて、防犯カメラ付きの多機能ディスプレイ「東京エレビ」を東京と共同開発。防犯カメラの機能に加え、テナントによる広報や緊急時の避難経路等の多種多様な情報をウェブを通じて入稿・掲示できる。