不動産トピックス

今週の一冊

2019.01.08 13:59

ICTの活用で鉄道利用者の利便性は更に向上

私鉄3.0 沿線人気No.1東急電鉄の戦略的ブランディング
著者:東浦亮典
出版:ワニブックス
発行:2018年12月25日
価格:880円(税別)

 著者は東急電鉄の現役の執行役員。都市開発の事業領域で長く活躍してきた経験を持ち、現在の社会問題と向き合いながら鉄道会社としてどのように成長していくべきかを論じている。
 著名にもある「私鉄3.0」。これは同社が今後目指すべきビジネスモデルのあり方を示している。「私鉄ビジネスモデル1.0」は、郊外で宅地を販売して住民を誘致。都心への通勤や買い物で鉄道利用を促そうというもの。これは阪急電鉄の生みの親・小林一三が提唱したビジネスモデルである。そこから進化した「私鉄ビジネスモデル2.0」は郊外を再生ステージに突入させ、都心との中間エリアに職住近接のライフスタイルを提案するというもの。同社は現在この「2.0」を展開しているが、将来的には「私鉄ビジネスモデル3.0」として、ICTプラットフォームを活用しグループ各社のサービス提供を著者は提唱する。同社は鉄道事業の分社化で、グループ間の更なる連携強化をを図ると発表。著者が述べる「3.0」のライフスタイルの実現は目前にまで迫っているのかもしれない。




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