不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2019.01.15 11:52
KPG 沖縄リゾート1000室プロジェクトを推進 ヒューリックとの協業で高級旅館も
「総合的なレジャー事業開発の実現」をコンセプトに、宿泊施設はもちろん、フードサービス・スパ・エンターテイメント等を手掛けているのがカトープレジャーグループ(KPG 東京本社・東京都千代田区)だ。同グループはリゾートホテル開発分野では、沖縄で「1000室プロジェクト」を推進している。
同グループは現在、「カフーリゾートフチャクコンド・ホテル」、「オキナワグランメールリゾート」と合わせて633室を運営しているが、夏には「グランディスタイル沖縄読谷ホテル&リゾート」54室が開業させる計画だ。
この施設は全室スウィートで初めて年齢制限を設けた。同グループの加藤友康社長は話す。「『大人のリゾート』として富裕層をターゲットに、中長期的滞在ができる施設を目指しています。全室を分譲し既に完売しています。購入者の方には収益をペイバックしていく方法です」。
同氏によれば開業予定を含めると687室となるという。2020年までには1000室まで拡大、「既に2棟の建設計画があります」(加藤社長)。
沖縄は地元資本や外資系、本土からの進出組など競争が激しくなっているが、同社は差別化を図るため、いずれのホテルも高級路線を進めていく考え。「沖縄は歴史と文化はもちろん、自然にも恵まれており、海外にも誇れるリゾート地です。しかし富裕層に喜ばれる施設が意外に少ない。当グループはインバウンド含めて中長期的滞在ができる新しいライフスタイルが提案できる施設を作っていきたいと考えています」(加藤社長)。
同社は沖縄で人材の育成にも注力。既に600名ほど雇用しているが、琉球大学との連携でインターンシップや実践講座などを行っている。地元で生まれ育った人材が成長して重要ポストに就いてもらうことによって、沖縄の観光産業の成長に繋がるとの考えからだ。
同社はまた、高級旅館分野では大手不動産会社ヒューリック(東京都台東区)との協業で出店を加速。新たに同グループが13.3%、ヒューリックが86.7%を出資して「ヒューリックふふ」を設立した。「ふふ」1軒当たりの事業予算は約40億円で、300億円規模の開発を進めていく。今後、都心から 2 時間程度の距離にある温泉リゾート地を中心に展開し、2020年までには「ふふ」ブランドを10店舗まで拡大していく方針だ。
2019年には熱海新棟、2020年に日光・京都・奈良、強羅を開業させる。
日光は日光田母沢御用邸記念公園に隣接し、世界遺産の社寺も近傍に有するロケーション。建設用地は1914年建築の「田母沢御用邸付属邸」の跡地で、皇室の静養地として利用されてきた歴史ある土地だ。一方奈良は、奈良公園に南側にある高畑町裁判所跡地に建築、京都は南禅寺にほど近い場所になるという。
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ 「アンドルームス」名古屋に開業
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)では、「ホテル・アンドルームス」の4号店「ホテル・アンドルームス名古屋伏見」(愛知県名古屋市)を4月25日に開業させる。
同ホテルは地下鉄桜通線・鶴舞線「丸の内駅」より徒歩2分に位置。敷地面積249.58㎡、延床面積2102.98㎡、鉄骨造一部コンクリート造、地上11階建て。総客室数88 室で、カフェ・コインランドリー2台、自動販売機・製氷機・喫煙室を配置する。
全客室に洗い場を備えた独立型のバスルームを採用する。客室のインテリアは、清潔感のあるホワイトを基調とし、壁や天井に伸びるシャープでユニークなブラックのラインをアクセントにした。伏見通沿いに建ち、銀行などが並ぶ丸の内・伏見のビジネスエリアにあることから、近年増加傾向にあるインバウントと併せてビジネス需要も高いと見込んでおり、おひとりでもゆったり使えるベッド幅のダブルルームと、ツインルームの客室構成となっている。同ブランドは、シンプルで無駄のないデザインが若い女性に支持されており、この名古屋伏見でも同様の客層も期待している。
建物所有者は玉善、設計はアルファワークス、内外装デザインは橋本夕紀夫デザインスタジオ、松井建設が施工を担当する。
ホテルの1階には、名古屋初出店のカフェ「ウニール名古屋」が同日にオープン。京都のスペシャルティコーヒー「Unir(ウニール)」のヘッドバリスタである山本知子氏は、昨年9月に東京で行われた日本のバリスタ最高峰の選手権、「JBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)2018」で優勝した。また、Unirから簡単な朝食を客室へ届ける「ブレックファストデリバリー」サービスを提供する予定だ。
ホテル・アンドルームスは「一泊のストーリーを充実させる『&』があるホテル。」をコンセプトに、「泊まる」にプラスαすることでさらに豊かな宿泊体験を提案する都市型のホテルブランド。2017年4月に大阪本町、2018年6月名古屋栄、10月新大阪、そして今回のホテルが名古屋で2軒目となる。
博多東急REIホテルがコンセプトフロア
博多東急REIホテル(福岡県福岡市)では客室改装を実施、博多を代表する祭り博多祇園山笠をテーマとしたコンセプトフロア「博多山笠」を1月19日から販売を開始した。
同フロアは、訪日外国人旅行者にホテルでも「博多」を感じてもらえるように作られたもの。12~13階部分のツイン9室、ダブル21室、シングル4室の計34室が対象。
設計は日建スペースデザイン、施工はスタジオジャックが担当する。
デザインモチーフは、博多祇園山笠で着用する水法被柄。この柄は、博多の自治組織の呼称「流(ながれ)」ごとに異なっているが、その7つの「流」のモチーフを客室階エレベーターホールの壁面にあしらい、博多祇園山笠の賑わいを表現した。客室扉には水法被を纏った締め込み姿の男性のイラストが描かれ、祭りの雰囲気をより感じることができる。客室内は日本文化を体験できるよう、座布団を置いたベンチシート、水法被柄の作務衣タイプのルームウェアを用意。また室内は履物を脱ぎ、鼻緒スリッパで過ごすことができる。 カラースキームはレッド・ブルー・グリーン・ブラウン・ベージュの5色。この5色は博多織の「五色献上」から着想し、博多を代表する食「明太子」「ごまさば」「柚子胡椒」「もつ鍋」「とんこつラーメン」を色彩で示したものだ。
同ホテルは、全国でも訪日観光客需要がトップクラスの福岡県の中心地に位置している。福岡市の「福岡市の観光・MICE 2018年版」によれば、福岡市は2017年に外国人入国者数が298万人となり、 6年連続で過去最高を更新。特に韓国・中国・台湾・香港の東アジアからの旅行者の訪問が堅調で、今後も増加が見込まれている。同ホテルは今後も増加すると思われる東アジアから利用客に向け、博多の魅力を感じられるサービスと空間を提供していきたいという。
同ホテルは部屋数204室、2015年4月1日に東急ホテルズのブランド再編に伴い、ホテル東急ビズフォート博多から名称変更している。
アパホテル 静岡市内に初出店
アパグループ(東京都港区)ではこのほど、静岡県静岡市内にあるホテルエックシズオカを取得した。3月11日より「アパホテル〈静岡駅北〉」として開業予定でアパホテルが運営にあたる予定だ。静岡市内ではアパホテル初進出となる。
同ホテルは、JR東海道新幹線「静岡駅」より徒歩5分に位置し、飲食店や百貨店が立ち並ぶ繁華街にも近く、ビジネスやレジャーに適した立地にある。敷地面積は410.71㎡、延床面積1541.69㎡、建物は鉄筋コンクリート造5階建て、客室数は88室。
今後同ホテルは、全客室に50型以上の大型液晶テレビ、通信速度とセキュリティの面で優れたWi-Fi無料接続、BBCワールドニュース無料放映、VODの導入、ベッド寝具をデュベ仕様に変更するなど、アパホテルの「新都市型ホテル」仕様になるよう、全面リニューアルを施していく。
アパグループは静岡県内では、177室の「アパホテル〈浜松駅南〉」、163室の「アパホテル〈富士中央〉」が営業中であり、今回の「アパホテル〈静岡駅北〉」の出店により、静岡県内のアパホテルは全3棟・428室となる。
アパグループは、建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含め、全国最大級の492ホテル8万1412を展開しており、年間宿泊数は約1584万名にも上る。アパカード会員の累計会員数は、1500万名を突破している。
浅草ビューホテル別邸をオープン
日本ビューホテル(東京都台東区)は、2020年春に東京都台東区浅草二丁目に新規直営ホテル「(仮称)浅草ビューホテル別邸“HAKARAI”」を開業させる。
同ホテルは鉄骨造地上10階建て、延床面積9932.76㎡、客室数は200室。
浅草六区の歴史・文化・地区の街並み景観と一体となった外観デザインをコンセプトにしている。また、建物オーナーである松竹の全面協力によって、日本の伝統文化である「歌舞伎」をコンセプトに加え、「和」を意識した親しみを感じさせる地域密着型のホテルとする予定だ。
9・10階はペントハウスとして「解放窓」と「パネル」の組み合わせにより、建物頂部を軽やかなデザインで、3階~8階は「縦のラインを基調とした」外壁構成とした。
「六区ブロードウェイ」に面した1・2階は「ポルティコ/列柱回廊」を設け、浅草六区を訪れる人々に与える”美”と”安らぎ”を「アールデコデザイン」で表現している。