不動産トピックス

今週の一冊

2019.01.15 11:41

「コンパクトシティ」への誤解を払拭?

「空間」を「場所」に変えるまち育て -まちの創造的編集とは-
著者:北原啓司
出版:2018年4月25日
発行:萌文社
価格:1800円(税別)

 「まち育て」の専門家は「コンパクトシティこそが、『まち育て』の目標」という。本書で語られる「コンパクトシティ」の解釈は、マイナスイメージを払しょくできるだろうか。「郊外や農村部を切り捨てる意味ではまったくない」らしい。国土交通省のコンパクトシティ形成の意義は、「人口減少化において各種サービスを効率的に提供するためには、集約化することが不可欠である」ということだが、言い方を変え理屈をこねているだけではないかという不安を覚える方もおられるだろう。
 本書では一歩進んで「コンパクト&ネットワーク」という表現を使い、「サービスの『効率』を低下させたくないから集約化する。そこにネットワーク網をかぶせて、全体的な効率を上げていく」というが、さて不安は消えるだろうか。
 生活する「場所」、「街」のあり方が難しく語られることに抵抗感を持つのは時代遅れか。
 帯の「だってここ、私たちの場所だもん」は自主的に小学校の隣地の公園清掃をしている小学生が発したという。「至言」だという著者の至言を見つけよう。




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