不動産トピックス

クローズアップ オンライン不動産投資編

2019.02.04 13:41

 業界でクラウドファンディング、ソーシャルレンディングなどが活況を呈する。関係者は「各不動産企業は立ち上げを虎視眈々と狙っている」と言う。そのなかで先般、「プロ向け」ファンドへの個人からの投資を可能にするサービスや、ファンドマーケットが誕生。後者ではフィル・カンパニーなどもファンド募集を検討する。個人投資家の新しい投資手法となりそうだ。

貸付ファンドマーケット「Funds」発表 上場不動産企業参画、フィルCも検討
 クラウドポート(東京都渋谷区)は先月23日、「貸付投資」を通じて事業資金を借りたい事業資金を借りたい企業と投資家をつなぐ、国内初の貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」(ファンズ)上でのファンド募集を開始した。併せて、同日記者発表会を行った。
 同社は昨年12月20日に第二種金融商品取引業の登録を完了。また先月10日にはこれまで展開してきた融資型クラウドファンディング比較サイト「クラウドポート」を17日付で金融メディアを運営するZUUに事業譲渡していた。
 「ファンズ」に登録できる企業は同社が定める選定基準をクリアした企業となる。選定基準として「上場企業」、「監査法人と監査契約を締結している企業」、「ベンチャーキャピタルからの出資を受けているベンチャー企業」となる。加えて財務状況、資金調達力なども審査される。
 同社代表取締役の藤田雄一氏は「ファンズ」の狙いについて「資産運用の民主化」だという。「貯蓄から運用へ」が謳われ続けているが、株式市場では不安定な値動きが見られリスクも大きい。今回発表したマーケットでは貸付型を主軸に年率1・5~6%(予定/税引前)とミドルリスク・ミドルリターンのものが中心となる。
 発表同日に募集を開始したファンドは3案件。組成会社はアイフル、デュアルタップ、LENDYの3社。また会見にはフィル・カンパニー取締役の小豆澤信也氏も参加。今後、ファンド組成する1社となりそうだ。
 2019年内の組成企業として10社を目指すという。不動産業界でも新しい資金調達の手段として、広がりを見せそうだ。

ビットリアルティ 「プロ向け」ファンドを個人に開放
 ケネディクスと野村総合研究所(NRI)の合弁会社であるビットリアルティ(東京都千代田区)は個人でもプロ向けの不動産ファンドにインターネットを通じて投資ができるオンライン不動産投資プラットフォーム「bitREALTY(ビットリアルティ)」がスタートした。先月29日正午より募集開始した第1号ファンド「レム六本木ビル:第1回ローンファンド」が即日で満額となった。  このファンドは「六本木」駅から徒歩1分に位置するホテル・商業の複合ビルを対象とする不動産担保ローン債権へ投資するもの。募集総額は1億60万円で、最低投資額は100万円。予定運用期間は約7カ月、想定利回りは2・3%(年換算)。
 今回のスタートによって、これまで機関投資家や金融機関など一部のプロ向けに限定されていた非上場の不動産ファンドへの投資機会が個人にも開かれたことになる。

空き家再生ファンド人気集まる
 FANTS technologyが展開する「FANTS technology」は4回目となる募集案件を発表した。これまで合計4件の空き家再生ファンドへの出資募集を行ってきたが、投資家からの人気が高い。そのため今回募集する5案件のうち4件が空き家再生ファンドとなっている。物件は神奈川、埼玉、千葉エリアに立地するもので、それぞれ運用期間は198日、利回りは年換算で8%となっている。




週刊不動産経営編集部  YouTube