不動産トピックス
今週の一冊
2019.02.25 17:49
約4000万坪が宅地化!? その活用法とは
生産緑地はこう活用するQ&A 2022年問題に向き合う
著者:藤田壮一郎、原雅彦、中村優
発行:2019年2月15日
出版:日刊建設通信新聞社
価格:1600円(税別)
2022年に生産緑地の約8割にあたる約1万3000ha(約4000万坪)が「生産緑地の指定後30年」を迎える。これらの緑地が宅地化も可能になるわけだ。ただ長期的な人口減少トレンドのなかでの大量供給懸念に「空き家・空き室問題が悪化するのでは」という懸念も聞こえる。
生産緑地の所有者にとっては「指定後30年」は大きな意味を持ちそうだ。多くのオーナーは高齢化、ないしは代替わりをしている。ただ現状、日本で農業を専業にして生計を立てることは収入の問題から難しくなっている。
本書は長年生産緑地問題に取り組んできた藤田壮一郎氏などによって書かれた、いわば生産緑地の「手引き」。2022年問題の対応や法改正・税制改正、活用方法などを紹介。生産緑地の所有者にこれからの選択肢を示している。収益のあがらない生産緑地は宅地化して収益不動産へと変えたいところ。そのときマンション一択ではなく、トランクルームやロードサイド店舗などの活用方法もある。またマンションと一口に言っても音楽マンションなど近年需要の高いものにしていくことも可能だ。2022年まであと3年。本書をかたわらに置いて、今後の運用のあり方を考えたい。