不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2019.04.15 12:19
「変なホテル」全国展開加速
全国で11カ所 海外進出も計画
H.I.S.ホテルホールディングス(H.H.H.、東京都新宿区)では、「変なホテル」ブランドの全国展開を加速させる。
このほど、大阪の中心地である心斎橋に、関西地区初の「変なホテル大阪 心斎橋」を開業する。これにより「変なホテル」ブランドは全国で11拠点となる。
同社は2017年3月に、開業した「変なホテル東京 舞浜ベイ」を皮切りに7棟を開業、2019年に入り博多(福岡県)、心斎橋、西心斎橋(大阪府)を、京都初となる「変なホテル」をオープンさせる。
今後は、2019年冬に客室数131室の「変なホテル石川 金沢」(石川県金沢市)、2020年には、客室数130室の「変なホテル京都 五条」(京都府京都市)、109室の「変なホテル奈良」(奈良県奈良市)、2021年には、客室数209室の「アクアイグニス多気」(三重県多気郡)、150室の「変なホテル仙台」(宮城県仙台市)、このほか、「変なホテル京都3(仮)」「変なホテル京都4(仮)」、「変なホテル沖縄(仮)」、「変なホテル沖縄離島(仮)」を計画している。
海外展開では、今年中にニューヨーク、2020年にはパムッカレ(トルコ)、2022年にソウル(韓国)へ出店する計画だ。
同時に、先進技術のロボットとシステムを開発、導入することで、世界一のローコストオペレーションの実現を目指していくという。
エンタメ性と快適快眠を両立
同社によれば、今後のホテルコンセプトは「エンターテインメント性と快適快眠の進化」。「遊び心」を取り入れたエンターテインメント性の追求、各ホテルのコンセプトに合わせ装飾や映像プロジェクションにより、宿泊客がより楽しく、満足できるサービスの提供を目指す。
客室での新たな展開としては、シャープ社と業務連携し、ロボットコンシェルジュやロボホンルームを展開。ロボホンは、旅行者とのコミュニケーションを行い、ホテルコンシェルジュとして、館内情報や観光情報の案内をすることはもちろん、客室内の空調、照明、TVの操作、フロントへの連絡などができる予定だ。
これらを通じて、今までホテルスタッフが対応をしてきた案内時間を削減する事ができ、更なる「生産性向上」を図る。更にフロントエンターテイメントの象徴であるロボットフロントも、「光のホログラム」を初導入する。
一方、「快眠」の追求では、今年開業のホテルからフランスベッド社と共同開発したマットレスを導入する。高温多湿な日本の気候に合わせてフランスベッド社が独自に開発した「高密度連続スプリング」等を採用したマットレスで睡眠をサポートする。また、ファイテン社との業務連携により、同社が持つ技術を今後開発のホテルに展開し、客室、廊下にアクアメタル技術を施した、「ファイテンルームフロア『ファイテンスペースデザイン』」などを取り入れ、宿泊客のボディケアもサポートしていく。
海外展開についてはグループの海外拠点ネットワークを活かし、旅行事業との大きなシナジー効果を発揮させていく。インバウンドの予約チャネルは、オンラインからの予約だけではなく、H.I.S.グループの海外70カ国159都市271拠点からの日本への送客力を活用し、H.I.S.グループ内のシナジー効果を最大限に高められるよう連携を強化していく。
CANATA デザイン型ホテル京都にオープン
CANATA(東京都港区)は4月25日、「HOTEL CANATA KYOTO (ホテルカナタ京都)」を開業させる。
同ホテルはスウィートルーム2室を含め合計16室。1階部分にはフロント、ラウンジバーを併設する。世界遺産・二条城の眺望を室内やバルコニー、バスルームから見ることができるほか、16室だからこそ可能な適度な距離感のサービスで、老舗旅館やラグジュアリーホテルも経験した旅慣れた利用客に、京都滞在の新たな選択肢を提供していきたいという。
デザインは「現代の美意識で日本を愉しむ」をコンセプトに、トータルディレクターを務める川渕恵理子氏のもと、美術家でありながら布の研究家としても知られる吉田真一郎氏をはじめ、各分野で活躍するクリエイターが集結し、京都・日本を現代的な解釈でとらえた空間・ホテル体験を提案していく。
建築設計・客室インテリアデザインは、集合住宅やホテルのみならず、街づくりや再開発のプロジェクトもデザインをし、国際的な活躍をする光井純&アソシエーツ建築設計事務所が担当した。京都の夏の風物詩「川床」をイメージした開放的な眺望を実現するテラス、水平方向の線の美しさを強調したデザインは、いずれも京都の町並みを読み解くことで考案されたものだという。
朝食は東京・外苑前の名店、「日本料理 僖成」が監修。和食だけではなく洋食も用意、手に取る器から使用する食材全て国産にこだわった。バータイムでは、特製鯛茶漬けをはじめ、僖成によるフードメニューを提供する。
ITベンチャーが手掛けるインバウンド向け施設
ITベンチャーのTRASTA(東京都渋谷区)では、現在展開しているインバウンド向けホテル「STAY」の新ブランド「住亭(ステイ)」3店舗目として京都の清水五条に5月、オープンさせる。
同施設は京阪電車「清水五条」駅より徒歩2分。客室はツイン、ファミリーの2タイプ。広さはツイン20・7㎡から、ファミリー37・41㎡から。ツインルームにはベッドをファミリールームにはベッド2つと布団2組を用意する。「布団を敷く」という日本文化を、宿泊を通じて体験してもらえるようにした。6月以降には、顧客体験向上の為に自社開発したチェックインシステム等を導入予定だ。
「住亭」のコンセプトは、「日本的な情緒を随所で感じ住むように泊まれる」。同社が定義した「上質で粋な文化」という基準に沿って、サービス、建築・内装デザイン、小物やアメニティをホテル内に散りばめ、その世界観をゲストに「体験」してもらえるホテルブランドだ。「日本特有のおもてなし精神に基づいた接客サービス」「自然素材を用いた和の内装デザイン」「日本各地で永く愛され洗練されその上でリデザインされた小物やアメニティ」を用意し、利用客に特別な体験を提供していきたいという。
黒部ダム近隣ホテルがリニューアル開業へ
関電不動産開発(大阪府大阪市)と関電アメニックス(同)は、黒部ダムの玄関口である長野県大町市で展開するホテル事業の再開発計画を発表した。
インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)と提携し、2020年春を目途にホリデイ・インリゾートブランド「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」を開業する。
同所でのホテル事業は、黒部ダムに最も近い高原リゾートホテルとして1965年に「ホテルくろよん」を開業し、1988年に「くろよんロイヤルホテル」として増改築してきた。
今回の再開発にあたっては「ANAホリデイ・インリゾート」のブランド力とノウハウを活用していく。まずは2020年春に既存ホテルをリニューアルし、2021年春に30室の新館をオープンする予定だ。
新ホテルは、客室数103室、付帯施設はレストラン、ラウンジ、宴会場、リゾートセンター、キッズクラブ、フィットネスセンター、温泉浴場、スパ、プールなど。
ホリデイ・インブランドは、1952年より世界中で、「Joy of Travel」をコンセプトに多くの旅行者達を受け入れてきた。
京王H新ブランド始動
京王グループの京王プレリアホテル札幌(北海道札幌市)は5月24日、新しいカテゴリーである宿泊特化型アッパーミドルホテルの2号店「京王プレリアホテル 札幌」をオープンさせる。
同ホテルは、JR「札幌」駅徒歩3分に位置し、敷地面積1573・99㎡、延床面積1万5898・75㎡、鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階、地上17階建て。客室数は359室、大浴場、フィットネスルーム等も併設する。日本人の観光・レジャー客をメインターゲットに、訪日外国人客やビジネス客まで幅広いニーズに応えるため、客室を全室禁煙とし、ツインルームとダブルルームを中心に3名利用も可能な客室など、全9タイプの客室を用意する。
朝食は京王プラザホテル札幌の洋食料理長が手掛け、北海道の食材を使用したオリジナルメニューをブッフェスタイルで提供する。ロビーは北海道の大自然を彷彿とさせるダイナミックで開放的な2層吹き抜けとなっているほか、外部から連続する印象的な石積みの壁、雪のきらめきをイメージしたアイアンワーク、暖炉など、象徴的なアートで演出する。
小規模施設向けシステム好評
タップ(東京都江東区)が提案している小規模施設向けシステム「アコモド」は、100%ウェブシステムのため、インターネット環境があれば、「部屋の使用状況」「清掃状況」といった日常業務や売り上げ管理・顧客管理がPCやタブレットで行うことができる。チェックイン時では、タブレット内にサインしてもらうだけで宿泊台帳として利用できるほか、チェックアウト時にはプリンターからレシートを発行することで会計をスムースに行うことも可能だ。
また、自社ホームページで直接宿泊プランを販売することもできる。受け付けた予約を転記する必要みなく、ミスを防ぐこともできるようになる。サイトコントローラー経由で宿泊予約も取り込めるため、予約管理にかかる手間を大幅に削減できるという。
いつでも宿泊予約ができるだけでなく、クレジットの事前決済にも対応するため、直前キャンセルやノーショウの抑制にも繋がる。
ユニホーがリゾートH
ZENホールディングス(東京都千代田区)のグループ会社である、ユニホー(愛知県名古屋市)では、3月16日に新潟県妙高市新井でリゾートホテル「パストラーレ妙高」をグランドオープンさせた。
同ホテルは、赤倉・妙高・斑尾などのスノーリゾートに囲まれた立地で、新井インターから約4分。客室は77室で、スタンダードツイン、ファミリー、スイートの3種類を用意する。全室ツインルーム仕様。
また、ホテル内のレストラン「パパアルベルト」では、新鮮な魚介類や地元野菜など旬の食材を使った本格イタリアンを提供する。