不動産トピックス

今週の一冊

2019.06.10 13:53

まぜあんなに儲かるのか 不動産屋の儲けのカラクリ

不動産屋の儲けの出し方
著者 斎藤 智明
発行日 2019年1月18日
発行所 ぱる出版
価格 1500円(税別)

 表紙にはこうある。「お客様が知ってはならない『裏のカラクリ』」。
 不動産屋にはあまり良い印象を持てない方も多いだろう。しつこい電話勧誘などの強引な営業、信用できないセールストーク、不透明な情報開示…。手数料が倍になる「両手」仲介のための「囲い込み」という悪習慣。
 常識あるまともな不動産屋もいるはずなのにこのネガティブなイメージはなかなか消えない。
 本書は正直に、「悪質な不動産屋が減らないどころか」、お客様が「不動産業界全体にネガティブなイメージを持っていることが多く仕事がしにくくある」、「信用してもらうことに時間がかかるようになった」と述べる。そしてその風土を変えるには客も不動産屋も意識を変えることが大切だと著者は言う。そのためには法律を整備し、不公平ともいえる手数料を適切な報酬体系とし、そして若い優秀な人材が業界に集まればという案は大賛成だ。
 顧客の不安に付け込む心理戦、デート商法などの王道的手法から、「ラストルック」(入札後にこっそり最高額を特定の希望者に開示して落札させる)といった専門的なやり口まで、不動産屋の「儲け」のカラクリを解説した本書は強い味方になるだろう。




週刊不動産経営編集部  YouTube