不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2019.07.01 12:03
「IKIDANE」ブランド宿泊施設全国展開 ホテル・ゲストハウス・民泊の3タイプで
訪日外国人向けサイト「IKIDANE NIPPON」を運営しているIKIDANE(東京都新宿区)では、「IKIDANE」ブランドのホテル、ゲストハウス、民泊という3タイプの宿泊施設の全国展開をスタートさせた。
「IKIDANE HOUSE」は、一戸建てを丸ごと使った合法民泊シリーズで、既存住宅のリノベーションから新築プランまで同社が担当する。「IKIDANE RESIDENTIAL HOUSE」は、マンションやホテルを丸ごと一棟利用し、競合のホテルと同様の施設と設備を持つコンドミニアム型ホテルシリーズ。
「IKIDANE COZY HOSTEL」は、その土地ごとの目に見えない雰囲気を表現し、"粋であること"にこだわった同ブランドのコアとなるシリーズだ。
同社は施設運営開始当初は、民泊運用代行会社として、利用者の募集から清掃まで多岐にわたる業務を進めてきたが、一級建築士事務所と一般建設業許可を取得することで、建築プランの提案から、設計・施工、インテリアデザイン、運用代行、清掃までを一括したサービスを提供できるようになった。
今後、旅館業施設の提案や、既存建物の旅館業への転用のコンサルティング、リノベーション工事の請け負いなどの他、宅地建物取引業も取得しているため、土地探し・不動産仲介・売買も進めていく。具体的には、利回りの良い時はホテルとして利用し、それ以外の時は共同住宅で運営出来るフレキシブルな運用が可能なコンドミニアム型ホテルなどを手掛けていきたいという。投資家と一緒にプランニングし、土地とセットで売却するモデルも増え、東京や大阪、京都、沖縄など全国区で20棟の供給を予定している。
同社は2017年設立。前述の「IKIDANE NIPPON」では、外国人スタッフたちが中心となり、旅行者だけでなく、日本に興味や関心を持つ世界中の人々に向けて日本のコアな情報を発信、ASEAN諸国を中心に300万人以上のフォロアーを集める人気サイトに成長させた。
西松建設とホテルオークラが富山で共同建設
西松建設(東京都港区)とホテルオークラ(東京都港区)の子会社であるオークラ ニッコー ホテルマネジメント(東京都品川区)はこのほど、富山県富山市で「ホテルJALシティ富山」を共同で建設することとなった。開業は2022年の予定。
同事業を推進するにあたり、西松建設と、同社が100%出資し設立する西松ホテルマネジメント、オークラ ニッコー ホテルマネジメントの3社間で、同ホテルに関する運営管理契約を6月下旬に締結する。
同ホテルが位置する富山市は、安価な電力供給と良質で豊富な工業用水を得られる地理的条件、充実した産学官提携研究施設などを基盤として、精密工業製品や各種微細加工素材、高機能ロボットの製造など、日本海側における屈指の工業都市だ。また、自然ゆたかな富山湾の恵みをはじめとする観光資源と、2015年に北陸新幹線が開通したことにより、よりアクセスが容易になり、ビジネス・レジャーともに、市内宿泊者数の増加が見込まれる地域となっている。
また、今回のホテル計画地はJR富山駅から徒歩3分と至近の距離にあり、ビジネス・レジャーの拠点として、恵まれた立地にある。
同ホテルは、延床面積約9600㎡、10階建て。平均客室面積25㎡で、総客室数250室。オールデイダイニング、バー、ライブラリーなどを備えた宿泊主体型ホテル。ホテルJALシティのブランドコンセプト「Smart simplicity (最先端のシンプリシティ)」に基づいて、デジタルデバイスを用いることでスマート&シンプルな滞在を実現し、限られた時間を有意義に過ごしたいという宿泊客のニーズに応えるホテルを目指していく。
西松建設は、富山市の将来性、同計画地の潜在的可能性を踏まえ、当該ホテルを開発・所有することとなった。企画・設計段階から自社のノウハウを活かし、長期的な視点に立った建物を造るとともに、そのホテルの運営を、国内外に幅広いネットワークを有するホテルオークラグループに委託することで、宿泊客に長く選ばれるホテルを目指していきたいという。
WBFグループがグランピング場を沖縄でオープン
WBFホールディングス傘下の沖縄で観光事業を展開するWBFリゾート沖縄(沖縄県豊見城市)は、那覇空港から車で10分の沖縄南部の島にある「グランキャンピング瀬長島byWBF」をリニューアルオープンした。
同施設は、空港から10分で行くことができ飛行機の離発着まで見える、日本一飛行場から近いグランピング施設。宿泊はビンテージのキャンピングトレーラーが利用でき、通常のキャンプやホテルでは味わうことの出来ないグランピング体験を提供する。
ホテルWBFグループは、2004年より沖縄、2009年より北海道で運営を開始した「ホテルラッソグループ」を前身とし2016年より「ホテルWBF」へ順次リブランドし、全国展開鵜を進めてきた。2019年1月現在、主力の「ホテルWBF」ブランドのほかに、天然温泉付リゾートホテル「琉球温泉瀬長島ホテル」(沖縄)、関西発のグランキャンピング施設「パームガーデン舞洲by WBF」(大阪)、スタイリッシュカプセルホテルの「シェルネルなんば by WBF」(大阪)等、多彩な宿泊施設を全国に34軒展開している。
2020年には東京、大阪、京都、福岡、沖縄に合計17軒のホテルが開業する計画で、2019年末には全国40施設規模のチェーンに拡大する予定だ。
WBFリゾート沖縄は、「旅に出たくなるリゾートエリアの開発」を目指し、リゾートホテル、高品質ビジネスホテル、温浴施設、商業施設、レンタカー事業を運営している。島全体を丸ごとプロデュースする事業として「瀬長島ホテル」の開業に続き、2015年8月に複合型商業施設「瀬長島ウミカジテラス」を開業。また2015年10月には東証上場を果たした。
渋谷東急REIホテルが大幅リニューアル
渋谷東急REIホテル(東京都渋谷区)では、10月13日のリニューアルオープンを目指し6月20日より客室、レストラン部分の全面改装に着手した。開業40周年の節目の時を迎えた今年に、東京を拠点に開催される国際的イベントを見据え、今後益々増加が見込まれるインバウンド需要や国内旅行客のニーズを取り入れた内容で実施する。総工費は約4億1000万円を予定している。
今回の改装では、渋谷における大規模再開発、国際的なスポーツイベントの開催を背景に、MICE誘致の活性化、インバウンド需要や国内の観光ビジネスの増加が見込まれることから、その拠点としての受け入れ体制を整えるべく空間価値の向上を図っていく。 具体的には客室224室とレストラン1店舗を改装する。客室はインバウンドや国内レジャーゲストビジネスの活動拠点として、アクティブに動く方が過ごしやすいような設計を施す。シングルルーム88室をダブルルームに変更。「プロジェクター付き照明」の導入や折りたたみ可能な家具の配置をすることで、室内全体の空間を活用し、大きなスーツケースでも広げやすく収納しやすいようにする。その他全室において、渋谷の街並みを取り入れたアクセントクロスや表装の改装を実施する。
レストランは多くの商業施設が立ち並ぶ渋谷で消費者の選択肢が広がる中、よりマーケットにあわせたレストランを目指していく。開放的で入りやすいエントランスをはじめ、シーンに合わせて利用できるようにする。
「渋谷東急REIホテル」は1979年1月に「渋谷東急イン」として開業、2015年に東急ホテルズのブランド再編により「渋谷東急REIホテル」と名称変更を経て今年開業40周年を迎えた。
リソルホテルがキャビンスタイル開業
リソルグループ(グループ本社・東京都新宿区)のリソルホテルは、キャビンスタイルの新シリーズ「ホテルリソルキャビン」第1号となる「(仮称)リソルキャビン東京浅草」(東京都台東区)を新規運営ホテルとして2020年1月に開業する。
同ホテルは、「くつろぎを、デザインする。」を統一コンセプトに、全国15施設に「ホテルリソル」ブランドを展開するリソルホテルが運営を担当する。建物は、三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)が建築中の複合建物(1階一部~4階・ホテル、1階一部・5~14階:賃貸住宅)で、110床のキャビンを計画している。
同ホテルは、銀座線「田原町」駅より徒歩約5分に位置、RC造・地上14階、設計・施工は本間組が担当する。
「ホテルリソルキャビン」は、カプセルホテルの合理性と「ホテルリソル」の空間づくりを両立しプライベート空間を確保した、新しい概念のキャビンスタイルシリーズ。訪日外国人の増加や国内各地で新規ホテルの開業が相次いでいる状況を受け、訪日回数の多いリピーターのインバウンド旅行客やミレニアル世代をターゲットに、キャビンスタイルの新シリーズ「ホテルリソルキャビン」を立ち上げ、新たな交流型宿泊施設の提供を目指す。
同ホテルは、男性・女性専用フロアをはじめ5~12名様までのキャビン貸切エリアも用意することで、一人からグループまで宿泊スタイルに合わせて利用可能だ。
「eph TAKAYAMA」7月1日に
エイジェーインターブリッジ(東京都中央区)では、7月1日に「eph TAKAYAMA」(岐阜県高山市)を開業させた。
同施設は岐阜県「高山」駅徒歩1分に位置、客室数は全12室。同社は2009年よりインバウンド観光を主軸に「日本の魅力」に焦点を当て、50棟以上の町家宿や古民家ホテルを京都や金沢で運営してきた。今回開業した「eph TAKAYAMA」は、同社としては初めての岐阜県での開業となる。
「eph」は同社が2019年6月に新たに立ち上げた新しいホテルブランド。その土地の歴史や文化を色濃く反映した空間で、こだわりの朝食ビュッフェを提供するホテルとして開業準備を進めてきた。
客室の窓部分にはそれぞれ、色彩豊かなアートが描かれた襖が備えられている。最上階はワンフロア全てが「ephスイート」となっている。