不動産トピックス
今週の一冊
2019.07.08 17:44
不動産営業マンの狙う層は?だましのサインを見抜け!
元営業部長だから知っている 不動産投資 騙しの手口
著者:前田 浩司
発行日:2019年3月1日
発行所:秀和システム
価格:1500円(税別)
なぜ不動産の営業マンは悪質なイメージがあるのか。しつこく営業電話をかけてくるからだけではない。勿論あの強引な電話勧誘だけでも十分迷惑だが。それよりも更に悪質なのは、金の亡者でもないごく普通の一般市民を言いくるめ、本来必要としていない不動産を買わせ投資するように仕向ける点だ。
不動産売買の仲介手数料が異常に高いことがそもそも原因の一つであるが、それにしても下劣なものだ。「会社が生き残るために客を殺すか、売らないで会社を殺すか」と社員に発破をかけ続け、与信枠ぎりぎりまでローンを組ませ、「手付金サービスします」と言いながら融資額に上乗せして回収するなど、ハイエナだ。
本書は、そんな不動産業者社員で、ノルマ達成に追い込まれ数字の改ざんをするようになった同僚や、その状況を上申しても聞く耳を持たない上司や「黙っとけ」という役員に見切りをつけ独立した著者が「正しい不動産投資の知識を持って頂き、営業マンから言われるままの安易な不動産投資から脱却してほしい」と記した一冊。
不動産投資否定ではなく、詐欺まがいのセールストークから、不動産投資のリスクや負けパターン、「投資するならこの物件」と分かりやすくまとめており、「不動産投資自体は取組む価値がある」と言うがいかに。