不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2019.08.05 13:40
リアテック 住宅コンバージョンのホテル開業 不動産オーナー収益最大化施策の1つとして
REAH Technologies(リアテック 東京都港区)がヤオキ商事(神奈川県川崎市)とともに、東京都墨田区東駒形で開業させた「PLAYSIS ASAKUSA」は、住宅からホテルへの用途変更・リノベーションを施した施設だ。
同ホテルは、同社が開業に至るまでの市場調査、事業性検証、施設コンセプトワークなどに携わり、開業後は集客・運営管理を一括で行う。
都営浅草線「浅草」駅徒歩6分に位置、浅草寺や雷門が人気の「浅草エリア」、東京スカイツリーや東京ソラマチがある「押上エリア」、国技館や江戸東京博物館といった日本文化を感じることのできる「両国エリア」の中心にあり、成田空港や羽田空港にも乗り換えなしでアクセスできる立地環境にある。
建物は3階建てで、和モダンをベースにした内装の全16室。3~6名で宿泊可能な客室のほか、最大8名様まで宿泊できるキッチン付きの客室、バリアフリーに対応したシャワールーム等を完備する客室など、「さまざまな需要にお応えできる7タイプの部屋を用意しています」(橋野宜恭社長)。
無人対応のチェックイン機や物理キー不要のスマートロック、飲食品やアメニティなどを販売する無人コンビニの設置により、「安心・快適で新しい形の滞在を提供します」(橋野社長)。
ホテル名のPLAYSISとは、「PLAY=遊び」と「SISSO=質素」をつなげた造語。「SISSOで落ち着いた宿泊空間と、日本全国・世界各国から集うお客様で賑わうことを願って散りばめられたPLAYを提供します」(橋野社長)という。
同施設では、既に昨年夏に開業したホステル「PLAYSIS EAST TOKYO」と連携した日本酒試飲や書道体験などの体験型イベントにより、日本文化の発信やゲスト間交流の創出も進めていく。 同社は、ホテル・ホステル・合法民泊など主にインバウンド向けの宿泊施設の運営を手掛ける。
マンション型の一棟まるごと民泊、フロント機能付きでスタッフ常駐のミニホテル、ゲスト同士が交流できるホステル・ゲストハウスまで多様な施設を展開しているのが特徴で、これまでに東京・大阪・京都で10棟以上の実績を持つ。
「当社は、インバウンド特化型のホテル・ホステル・合法民泊の企画・運営等を通じて、今後成長が見込まれるインバウンドに対して、新たな宿泊の選択肢を提供していきます。一方、それらの施設を提供していただく不動産オーナーの収益最大化に努めていきます」(橋野社長)。
主に遊休地活用の一環として提案しており、その立地や形状、大きさにあった宿泊施設を企画する。橋野社長はもともと金融業界出身のため、不動産・金融の見地からアドバイスできるのが強みだ。新築時で利回り8%を維持できるように計画していく。 同社は合法民泊を展開している百戦錬磨から独立した。百戦錬磨は2012年の創業以来、日本での民泊のルールづくりに関わり、合法民泊市場を開拓してきた。その過程で同社の一部門として行っていた施設運営事業がリアテックのルーツとなっている。
同部門では当初から複雑で多岐に亘る関連法令を駆使・遵守した合法民泊の企画・運営を、民泊分野に参入したい不動産オーナーのために提供する枠組みを構築してきた。
「浅草ビューホテルアネックス六区」 日本ビューホテルが来春オープン
日本ビューホテル(東京都台東区)は、2020年春に東京都台東区浅草2丁目に「浅草ビューホテル アネックス 六区」を開業させる。
同ホテルは、つくばエクスプレス「浅草」駅徒歩2分、芸能文化の街「浅草公園六区」に位置。鉄骨造、地上10階、延床面積9951・70㎡、付帯施設はレストランなど。1、2階エントランス部分は吹き抜けで、奈良県の吉野檜を使用した木組みの列柱が建ち並ぶエントランスは日本の造形美を感じられるようにした。
近年の訪日・訪都外客数の増加とともに、台東区を訪れる外国人観光客数も急激に増加しており、今後もさらに多くの外国人観光客の来訪が期待されている。同ホテルが位置する台東区は浅草寺や雷門、仲見世通り、かっぱ橋道具街、上野アメ横などの観光スポットが多く存在し、さらには隅田川を挟んで東京スカイツリーにも近く、外国人観光客にとって魅力的なコンテンツが豊富にある。
ホテルが建つ浅草2丁目地区は、昭和初期から映画館や寄席・劇場が立ち並び、東京随一の繁華街として隆盛を誇った、大衆文化の中心として栄える「浅草公園六区」と呼ばれる地区。
建物オーナーは松竹で、日本の伝統文化である"歌舞伎"をコンセプトに加え、「和」を意識したホテルにする予定。客室は全199室、最大受入人数608名。観光客の利用を見込んで、1名定員のシングルルームは設置せず、全てが2名定員以上となる。外国人観光客の需要を見込み全体の約17%にあたる35室を和室・和洋室とする。
からくさホテルズが東京に2店目
からくさホテルズ(東京都港区)は7月8日、「からくさホテル TOKYO STATION」(東京都中央区)をオープンさせた。同ブランドでは、5月1日に開業した「からくさホテルプレミア東京銀座」に続き東京で2軒目、北海道・関西を含む全国では7軒目となる。
同ホテルは、「東京」駅八重洲北口から徒歩約5分に位置、地上12階・地下1階建て、延床面積5406・4㎡。
客室はコネクティングルーム40室、スタンダードダブル1室、ハリウッドツイン10室、スタンダードツイン43室など合計151室。
駅周辺の各バスターミナルにも近く、日本旅行の拠点に便利なロケーションだ。21㎡以上のツインルームを43室用意。3名まで宿泊可能な部屋は94室あり、内40室は隣り合う客室を内扉でつなぎ、最大6名まで利用可能なコネクティングルームとなっている。
全館無料Wi-Fiに加え、全客室には滞在中、国内はもちろん、海外6か国への通話が無料で利用できるスマートフォンや海外製電化製品対応のマルチコンセントプラグ、USBポートを完備する。
増え続ける訪日外国人にも対応すべく、日本人・外国人スタッフによる多言語対応が可能なほか、プロ通訳とテレビ電話が可能なシステムも導入する。
同社では11月には、関西で5軒目・からくさホテル最大級で、24階建て、全396室「からくさホテルグランデ 新大阪タワー」(大阪府大阪市)のオープンも控えている。
一棟貸切宿クラウドファンディングで
一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(宮崎県児湯郡)では、同団体がプロデュースする一棟貸切宿「茶心」(宮崎県児湯郡)が、クラウドファンディングで支援額目標の300万円を達成したことを発表した。
同施設は、宮崎県新富町での空き家再生と、エグゼクティブ層向けのプレミアム体験開発を目的としたもの。茶の心を体験できる宿「茶心」での宿泊と合わせ、多様な体験やワークショップをエグゼクティブ層を中心に提供していく。
同施設は5月にオープンした一棟貸切宿。周辺には、全国茶品評会において三年連続で農林水産大臣賞を獲得した日本茶専門店「新緑園」があり、宿では「夢茶房」「豊緑園」を加えた町内3店舗の日本茶の試飲や利き茶体験、日本茶専門店の茶匠によるお茶入れなどを提供する。
宿泊者専用エリアだけで57坪の大きさをほこる「茶心」は、瞑想に最適な23畳の和室を備えており、茶の香りを愉しめる「茶香炉」も備えることで、宿泊者が穏やかな気持ちで自身と向き合える特別な時間を提供する。
ドーミーイン和風ブランド誕生
全国にビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾートホテル「共立リゾート」を運営する共立メンテナンス(東京都千代田区)は、浅草にドーミーインの和風プレミアムブランド「天然温泉 凌雲(りょううん)の湯 御宿 野乃 浅草」を7月25日にオープンさせた。
「御宿 野乃」はドーミーインの和風プレミアムブランドとして2016年に誕生。現在、浅草を含め全国5ヵ所に展開しており、東京では初めての出店となる。ビジネスホテルとしてユニークな全館畳敷きのテイストは、海外客はもちろん、日本人客からも好評を得ている。
浅草では、エントランスから館内に入るとすぐ畳の空間が広がり、宿泊客はチェックイン前より履物を脱いで畳敷きの和風テイストを楽しめる。