不動産トピックス

クローズアップ 害獣対策編

2019.08.05 13:33

 建物内に潜伏するネズミによる被害はどこでも深刻だ。配管や電線ケーブルなどを齧り、場合によっては停電などを引き起こす。ビルオーナーが出来ることは何か。

ネズミの咬害からケーブルを守る 設置場所に合わせた形状の忌避剤
 電気設備資材・OAフロアの製造販売を手掛ける未来工業(岐阜県安八郡)の「ムシハイレンジャーN」シリーズはネズミの咬害を低減する製品シリーズだ。ネズミが嫌う忌避成分を含んだ素材を様々な形態に加工し、ネズミによる咬害を防ぐ。
 ネズミは前歯が一生伸び続ける動物であり、歯が伸び続けると物が咬めなくなる。前歯を適当な長さに削る為に硬いものを咬む。
 ビル設備の高気密化が進み、空調を完備した事でネズミにとって通年で優良な生活環境となっている。ビル内に生息するネズミの多くがクマネズミであり、クマネズミは登坂能力が高く、壁やケーブルを伝い高い場所に登る事が出来る。ビル内の電気設備、空調設備の縦系統を利用し何十階でも移動する。また、警戒心が強く殺鼠剤を食べない、粘着トラップを避けるなど知能が高い動物である。
 商品の特徴として材料に辛味成分を含ませているため当該商品を噛んだネズミが辛味を嫌い同一箇所を噛まなくなるという。
 「パテ」タイプは、粘土のように取り扱いができる製品。適度な大きさにちぎり、ネズミが通り抜けしそうな隙間に詰めて使用する。クマネズミは500円玉程度の隙間があれば移動できる。効果は五年間の促進試験を実施し効果を確認しており手軽にネズミ防止対策ができる。ほか、シートタイプ・メッシュタイプは軟質塩ビ製の為、ハサミやカッターで簡単にカットできる。壁や、配管・配線に張り付けたり巻き付けるだけでセットは完了だ。泡タイプもある。エアゾールタイプで誰でも簡単に使用できる。複雑な形状の隙間でもまんべんなくネズミ用忌避剤を吹き付けることができる。(開発部・安田氏)
 営業部東京営業所チーフ・門脇愼弥氏は、「本シリーズは2016年の販売開始以来、好調な売上を維持しております。取扱いも簡単ですので、ネズミの被害に悩むビルオーナー様にぜひ試して頂ければ」と語る。

小動物を寄せ付けない超音波
 イーマキーナ(神戸市中央区)は、超音波で有害獣をよせつけない機器「Evasi(エバジー)」を昨年12月25日よりし販売している。
 同機は、ネズミやイタチ、アライグマなどの小動物の嫌いな、人間にはほとんど聞こえない音(超音波)により、その場から追い払う、またはよせつけない製品。
 同機の最大音圧レベルは国内商品でトップクラスの高音圧である110デシベル以上。有害獣が嫌う様々な周波数を複数パターン組み合わせることで、ネズミ以外の小動物にも効果がある。また、IoT対応で、スマホやタブレットから電源オンオフはもちろん、タイマー設定、可聴域カットモードへの切り替えなどが操作可能。
 使用方法は100Vのコンセントに挿して、有害獣の被害にあっている方向に向けるだけの簡単設置。長さの違うエバジー専用電源増設ケーブル(別売)を使えば連結させて増設が可能。
 上下左右360°に回転できる2軸構造のため、柱や壁面に固定しても向けたい方向に調整が容易である。また、ほこりなどからスピーカーを保護するエバジー専用フード(別売)もラインナップしている。

ソーラーパネルを鳥害から守るネット
 コーユー(兵庫県西宮市)は、ソーラーパネル鳥害対策フェンスシステム「バードブロッカー」を、昨年4月9日に発売した。
 近年一般家庭のソーラーパネルの普及により、屋根とソーラーパネルの間の隙間から鳥が侵入する被害が急増している。鳥が侵入するとソーラーパネルの下に営巣して住みつき、フン害・騒音・パネルの故障・発電効率の低下につながる恐れがある。  同製品は特殊な伸縮金具(特許出願中)を使用することで瓦屋根などの凹凸がある場所にも簡単にフェンスを取り付けることでき、隙間からの鳥の侵入を防ぐ全く新しいフェンスシステム。
 同製品は特殊な伸縮金具(特許出願中)により、隙間の幅に応じて簡単にフェンスを取り付け可能。フェンスは適度な硬さで、切ったり曲げたり現場合わせが容易。また、設置後もフェンスは着脱可能でソーラーパネル機材のメンテナンスが可能となっている。
 同製品は各社ソーラーパネルに取付可能で様々な瓦やスレート材の形状にフィットさせることができる。また、部材に穴を開けないのでソーラーパネルの保証を維持することができる。
 材質は伸縮金具、フェンス共に材質はオールステンレス(SUS304)の日本製。長期にわたって設置が可能。




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