不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.08.26 14:28

and factory IoT体験型宿泊施設9店目をオープン 関西エリア中心に出店を加速
 IoT体験型宿泊施設「&AND HOSTEL」を運営しているand factory(東京都目黒区)では、9店目となる「&AND HOSTEL HOMMACHI EAST」(大阪府大阪市)を開業させた。
 同施設は、大阪メトロ中央線・堺筋線「堺筋本町」駅出口1より徒歩5分に位置、鉄骨造陸屋根10階建て、面積2091・73㎡、客室はLuxury IoT Room 10室・Double Twin Room 2室・Double Room 47室・Twin Room 7室・Dormitory 14床の定員150名。
 最上階には、高い天井を有するラグジュアリーIoTルームを新設、フロアには夜景を一望できるスカイラウンジも設置した。1階には、国内外から訪れる様々な利用者が自由に行き交い、交流が生まれるよう設計されたラウンジスペースを設置、宿泊客以外も利用可能なバーカウンターを併設しており、ディナータイムにはオリジナルフードも提供する。
 同施設では、IoTルーム宿泊に対し、チェックイン時に鍵ではなく専用のスマートフォンを貸与する。独自に開発したIoTプラットフォームアプリ「&IoT」を用いて、ドアキーの開錠施錠はもちろん、テレビやエアコンなど居室内の様々な家電の操作が可能になる。 
 「Wake up!」「Sleep 」「I'm home!」「Go out!」「Concentrate」「Relax」の6シーンにおいて、居室内のIoTデバイスが作動し利用シーンに応じた快適環境を瞬時に整える。例えば「Wake up!」モードでは、カーテン、スマートスピーカー、照明、テレビ、空気清浄機の5デバイスが一斉に起動し、起床に適した環境を提供する。
 また、センシング技術やクラウドデータとの連携により、天候、防災情報の通知や、ラウンジの混雑状況、洗濯機の使用状況などリアルタイムな情報を提供する。
 「&AND HOSTEL」は様々なIoTデバイスを1ヶ所に集結させ、近未来のIoT空間を提供する体験型宿泊施設。2016年の第一号開業から既存店舗はいずれも高い稼働率を保っている。これまで東京都内を中心に展開してきたが、さらなる事業拡大を目指し、今後訪日ニーズが見込まれるエリアへの出店を加速させていく計画だ。
 2025年の大阪万博開催が決定し、その経済効果は2兆円とも試算される関西エリアは特に注力予定で、今回、関西旗艦店としてブランド9店舗目となる「&AND HOSTEL HOMMACHI EAST」を出店することとなったもの。今後も関西圏で複数の出店を予定しているという。
 同社では、これまで自社で宿泊施設を運営する中でみえた業界の課題をテクノロジーの力で解決するべく、3つのサービスを開発しており、他社宿泊施設にも展開している。IoTデバイスを一元管理できるプラットフォームアプリ「&IoT」や、簡易宿所向け宿泊管理システム「innto」、月額無料のホテル客室向けタブレットサービス「tabii」だ。これらのサービスの連携により、宿泊者の詳細な属性を判別した上での快適な居室環境設定が可能になり、最適なコンテンツ配信、広告配信を可能にする。
 これにより、ゲストの宿泊体験価値やビジネス構造自体の進化を目指していきたいという。

FURUEL 「日本らしい生活」提供する民泊大阪に
 FURUEL(大阪府大阪市)では7月1日、体験型民泊「GOEMON」を大阪市のJR環状線「桜ノ宮」駅周辺にオープンさせた。
 同施設は定員9名で、「食から日本に触れる家」をテーマにし、日本の家庭で親しまれている料理を作る・畳に座って座卓を囲んで食べる体験を中心として「日本らしい生活」体験を提供する。
 日本の家庭で親しまれているカレーや肉じゃが、お好み焼きなど13品目のレシピや料理動画を用意。他にも食材を取り扱う店をピックアップした近隣商店街のマップを独自作成しており、これらは全て日中韓英の4言語に対応する。このため言語に不安を抱える訪日外国人にも、より簡単に料理に挑戦してもらえる様な環境を整えた。  また、料理以外にも「自転車で商店街に行くこと」「買い物を通じてのコミュニケーション」「畳のリビングに座って、机を囲んで食事をする」といった古き良き日本の日常生活を演出していく。
 大手海外予約サイトの調査によると「旅先でのその土地らしい体験」と「従来と異なるユニークな宿」が2019年の旅行トレンドになると予測されている。同社は、日本文化を通じて観光客のニーズに応え、来阪者の満足度向上や大阪市内の客室不足解決に貢献していく。
 同社の民泊事業は、インターン生を中心として活動する。メンバーは1名の中国人留学生の他、北米・豪州などの英語圏や中国・韓国への留学経験者が多く在籍する。また現在、外国人向けのツアーガイドやゲストハウスでアルバイトをしているメンバーもおり、世界中との様々な繋がりは日々拡大している。それぞれの海外経験や知り合った外国人の声を取り入れることで、より訪日観光客目線になって、快適に、楽しみながら過ごしてもらえる宿泊環境を提供していく。 
 同社では、築年数不明の空き家を86.75㎡の庭付き4LDKへとリノベーションし、最大9名が宿泊できる民泊施設を建築した。家の柱などの大枠はそのままに、階段を作り直したり、壁を抜いて広い部屋にしたり、隠し部屋を作ってみたりなどの民泊としての工夫を凝らしている。
 同社民泊第一号の「CYCLESTAY」は、2月のオープン以降、稼働率約85%を維持している。同社は今後、酒蔵と提携して日本の様々な酒を見て飲んで楽しめる民泊(仮称:酒HOUSE)や、戦国武将をモチーフとした民泊などをオープンさせていく予定だという。

アゴーラGが新ブランドを金沢に
 アゴーラ・ホテルアライアンス(東京都港区)ではこのほど、新ブランドとなる「アゴーラ・金沢」(石川県金沢市)を11月1日にオープンさせる。
 同ホテルは、「金沢」駅より徒歩約30分、金沢市随一の繁華街に位置し、敷地面積1174・62㎡、延床面積7614・25㎡、地上13階建て、客室数は200室。レストランのほか、フィットネスジム、スパトリートメント、大浴場、ランドリーなどを併設する。
 "茶の湯の心でお客様をお迎えする邸宅"、いわゆる茶邸(さてい)として、しつらいや、サービススタイルに茶の湯の心や考え方を取り入れたホテル。宿泊客が滞在中、自由に過ごすことができるIchie・Lounge(いちえ・ラウンジ)は、茶邸の居間として、その時この場所にしかない金沢の人やモノとの一期一会から金沢という"まち"を深く知る入り口になるラウンジとなっている。
 客室は、ツイン・ダブルとコンセプトルームとして、ジャパネスクモダンルームを用意。茶邸の客間として、茶道の心得である和敬清寂(わけいせいじゃく)からそれぞれ名付けられ、全ての客室には、金沢らしい華やかさにシンプルさを兼ね備えた落ち着きある空間となっている。
 「そこに居合わせた人々が互いに想いやり、和の心をもって愉しめる場所と時間」という意味が名前に込められたレストランDining・SohZa(ダイニング・ソウザ)は、「未来の茶屋時間」をコンセプトに、金沢に育まれた茶屋文化のエッセンスを取り入れた茶邸のダイニングルームとして、「未来の茶屋で遊ぶ集いの時間」を提供する。

共立メンテナンス プレミアムブランドを開業
 全国にビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾートホテル「共立リゾート」を運営する共立メンテナンス(東京都千代田区)は、東京・浅草に和風プレミアムブランド「天然温泉 凌雲(りょううん)の湯 御宿 野乃 浅草」をオープンさせた。
 同施設は、つくばエクスプレス「浅草」駅より徒歩約4分に位置、地下1階、地上11階建て、客室数は154室。源泉は浅草観音温泉。ドーミーインの和風プレミアムブランドとして2016年に誕生した。現在、浅草を含め全国5カ所に展開しており、東京では初めての出店となる。
 ビジネスホテルとしてユニークな全館「畳敷き」のテイストは、インバウンドはもちろん、日本人からも好評を博している。浅草では、エントランスから館内に入るとすぐ畳の空間が広がり、宿泊客はチェックイン前より履物を脱いで畳敷きの和風テイストを体験できる。また、浅草寺まで徒歩約3分の場所にあり、雷門や浅草花やしきにも徒歩すぐの好立地にあることから、東京観光に適している。
 客室は和風テイストに設え、全室にサータ社製ベッドを完備した。大浴場では湯の色が黒褐色した'黒湯'の温泉を楽しめる。夜食はドーミーイン名物のあっさり醤油ラーメン「夜鳴きそば」を無料提供する。
 共立メンテナンスは1979年に設立、企業の給食受託業務から事業を開始した。その後、学生寮、社員寮を運営する「寮事業」を、さらにビジネスホテル・リゾートホテル運営する「ホテル事業」へと、事業領域の拡大を図ってきた。

アパホテルが新潟でFC店
 アパホテル(東京都港区)は、昌商事(新潟県新潟市)とフランチャイズ契約を締結し、同社運営の「ホテルリッチ新潟」を全84室の「アパホテル〈新潟〉」にリブランドオープンさせた。
 同ホテルは、上越新幹線「新潟」駅から徒歩3分に位置。メインストリートである東大通沿いに位置し、ビジネスの中心地でありながら、新潟屈指の商業エリア「万代シティ」へ徒歩圏内にある。
 開業を迎えるにあたり、ホテルは高品質・高機能・環境対応型を理念とする「新都市型ホテル」の標準仕様として、エントランスにオレンジの門構え、フロントはオリジナルシャンデリアを設置するなど内外装に及ぶリニューアルを行いった。全客室に50型の大型液晶テレビ、快眠を追及したアパオリジナルベッド、シーリングライト、ベッド枕元に照明スイッチ類、携帯・USBポートを設置するなど、宿泊者の機能性・利便性を追求している。さらに、テレビ画面上に館内案内をデジタル表示したアパデジタルインフォメーションを導入した。




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