不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.10.21 13:36

グローバルエージェンツ 麻布十番にライフスタイルホテル開業 福岡・大阪に次ぎ3店目
 グローバルエージェンツ(東京都渋谷区)では、東京麻布十番にライフスタイルホテルブランド「THE LIVELY(ザ ライブリー)」を11月にオープンさせる。
 同施設は東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅徒歩3分に位置、港区麻布十番一丁目の麻布十番商店街沿い、鳥居坂と暗闇坂を結ぶ通りとの交差点角地に構える。六本木、東京タワーなどの観光名所にアクセスの良い利便性の高いエリアであるほか、300年以上の歴史をもつ麻布十番商店街をはじめ、高級住宅街として知られている。
 同施設は都市型のライフスタイルホテルとして、「海外観光客にとって利便性の高い立地というだけでなく、都市に住み慣れた感度の高い国内ゲストにとっても大人の交流拠点として相応しいロケーションと考えました」(同社)。
 このプロジェクトは、長谷工グループの不動産デベロッパー総合地所が開発する新築プロジェクトに同社がホテル運営として参画したもの。鉄筋コンクリート造地下1階地上9階建、延床面積3365・56㎡の複合施設となる計画で、2階から9階までをホテルとして同社が運営する。
 ホテル専用エントランスから上がって2階はフロントデスクを設置、またLIVERALLY(ライブラリー)というTHE LIVELY特有のラウンジにもワークスペース、バーにもなる多目的なパブリックスペースを設け、毎日夕方には宿泊者にフリービールを提供する。最上階は宿泊者以外も利用できるTHE LIVELY BARを営業する。
 62室あるゲストルームは、全室19㎡以上と都市型のホテルとしては大きめの客室面積で構成する。全室独立したシャワー・トイレ・洗面室で設計、ベッドはSerta(サータ)社製の30cm厚のポケットコイルマットレスを採用した。最上階のライブリーロフトでは、4ベッド+ソファベッドを採用し、ファミリーやグループでの滞在に最適な客室となっている。
 同社は全国で11棟1082室のブティックホテル、ライフスタイルホテルを運営している。「THE LIVELY(ザ ライブリー)」ブランドは、2019年春に発表以降、すでに「THE LIVLEY福岡」を7月に、「THE LIVLEY大阪本町」を8月に開業しており、今回の麻布十番で3棟目の開業となる。

IKIDANE マンション転用可能でリスク回避「レジデンシャルホテル」
 インバウンドホテルの企画・開発・オペレーションを中心に、基本設計から内装デザイン・運用まで手掛けるIKIDANE(東京都新宿区)では、新たに宿泊特化型ホテル「Residential Hotel IKIDANE 千葉中央」をオープンさせた。
 これは不動産投資やコンサル事業等を展開しているマザーズ上場企業の霞ヶ関キャピタル(東京都千代田区)との共同によるプロジェクト。IKIDANEは企画から内装、運用を請け負う。
 同施設はJR「千葉」駅から徒歩10分に位置、部屋タイプは全部で5つで、内装は都会的なアーバンスタイル、全室4名~6名のファミリータイプ。最大収容人数164人。駅からのアクセスも良好のため、ビジネスマンや、東京ディズニーランドへの旅行客をターゲットとしている。
 IKIDANEが最も得意とするコンドミニアムタイプのホテルで、マンションをコンバージョンし、簡単な料理が出来る調理器具が揃ったキッチンや洗濯機など、生活に必要な設備が完備しているほか、従来のマンションのように、バスルームもバスとトイレが別になっているセパレート型。また、将来の経営リスクに備えていつでもマンションの賃貸経営に戻すことができるようリスクヘッジを図った。
 同施設では、無人チェックインシステム「Keeyls(キールズ)」やリモートロックなど、最新のIoTを採用。ゲストはホテルのフロントに設置されているチェックインタブレットにて予約コードを入力。本人確認後、客室番号とスマートロックの開錠キーの番号が案内される。 24時間コールセンターがゲストをテレビ電話でサポート。法令対応の対面チェックインが可能だ。 
 オーナー、ゲスト双方にとって、最も時間的・物理的負担が大きいとされていた対面による本人確認・鍵の受け渡しも、無人化により、大幅なコスト削減を実現した。混雑回避のため、最寄り駅の「千葉中央」駅内の「ファミリーマート千葉中央店」でも「Keeyls」の端末があり、こちらでも当ホテルのチェックインが可能だ。
 千葉県の観光客数は、東京ディズニーリゾートなどの全国有数の集客力を誇る観光拠点に加え、訪日需要の増加や首都圏内の高速道路の利便性向上などから年々増加している。今後も東京ディズニーリゾートの大規模拡張や圏央道の全線開通、成田空港の機能強化などが予定されている。 
 同ホテルは、再開発事業が次々と実施・計画されている千葉の中心部に位置しており、ホテルから徒歩1分程のバス停からは、成田や羽田空港へ1本で行けるリムジンバスも通っている。

リゾートトラスト 「トラスティ」ブランドが九州に初進出
 リゾートトラスト(愛知県名古屋市)では、10月9日に熊本の新しいランドマーク「SAKURA MACHI Kumamoto」やバスターミナル、熊本城ホールなどで構成される大型複合施設内に「ホテルトラスティ プレミア 熊本」(熊本県熊本市)を開業した。
 同施設はJR「熊本」駅から市電で約12分に位置し7973・18㎡、ホテル部分は2階、および4階から14階。客室は、ダブル153室、ツイン50室、スイート2室の合計205室。 設備は液晶テレビ、シャワーブース、シャワートイレ、イオンドライヤー、ズボンプレッサー、無料高速インターネット通信回線、冷蔵庫、インルームタブレット、ビデオオンデマンド。カフェレストラン、鉄板焼き、プライベートルームを付帯する。
 デザインコンセプトは「和魂洋彩(わこんようさい)」。火の国・熊本の熱いスピリットとエネルギッシュな魂をデザインのモチベーションとしており、威風堂々・豪華絢爛かつ荘厳な空間が特長。熊本城や市街地を一望する事が出来る地上60mの最上階に、カフェレストランや鉄板焼レストラン等を設ける。
 「ホテルトラスティ」は、名古屋3施設、大阪2施設、東京2施設、神戸・金沢・熊本で各1施設の、全10施設を展開している。「ホテルトラスティ プレミア」は、「ホテルトラスティ」のラグジュアリー性を高めた上位ブランド。ラグジュアリー性を高め、荘厳なロビー、瀟洒なカフェラウンジは、足を一歩踏み入れた時の「新しい物語が始まるような予感」をドラマティックに演出する。
 「ホテルトラスティ プレミア 熊本」は、先月東京・日本橋にオープンした「ホテルトラスティ プレミア 日本橋浜町」に次ぐ展開で、「ホテルトラスティ」シリーズの九州展開は熊本が初となる。

共立メンテナンス 創業118年の老舗旅館をリブランド
 全国にビジネスホテル 「ドーミーイン」やリゾートホテル「共立リゾート」を運営する共立メンテナンス(東京都千代田区)は、秋田県湯沢市に「秋の宮温泉郷 湯けむりの宿 稲住温泉」を10月5日にオープンさせた。
 同施設は奥羽本線「横堀」駅より車で約20分に位置、総客室数全49室。
 2014年に118年の歴史に幕を下ろした老舗旅館「稲住温泉」をリブランドしたもの。館内は当時の風情を残しながらも、より秋田の自然に調和するように木の温もりを最大限に引き出した空間に作り出した。敷地内には赤松やツツジ、楓などの樹木に囲まれた一万坪もの広大な庭園があり、四季折々の景色を観賞することができる。温泉には、大浴場では「単純温泉」、客室風呂では「ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉」の異なる2種類の源泉を引いている。
 「天の坐」と名付けた4室ある離れは、ともに客室専用の源泉を引き込んだ檜内風呂と露天風呂を完備した客室。
 共立メンテナンスは1979年に設立、企業の給食受託業務から事業を開始させた。その後、学生寮、社員寮を運営する「寮事業」を、さらにビジネスホテル・リゾートホテルを運営する「ホテル事業」へと、事業領域の拡大を図ってきた。「共立リゾート」は、共立メンテナンスの運営するリゾートホテル事業。

ベッセルホテルが新形態施設を熊本に
 ベッセルホテル開発(広島県福山市)は、新ブランドである「REF by VESSEL HOTELS(レフ バイ ベッセルホテルズ)」を立ち上げた。第一号として、「レフ熊本 by ベッセルホテルズ」(熊本県熊本市)を12月21日にグランドオープンさせる。
 同ホテルは、敷地面積1361・74㎡、床面積7844・44㎡、うちホテル部分床面積6386・41㎡、建物は鉄骨造地上12階建て、2階から12階がホテルとなる。施主はプラザエステート、運営葉同社で、設計・施工は大和ハウス工業が担当する。
 客室は、シャワーブースシングル117室、スタンダードツイン53室、モデレートツイン47室、スタンダードダブル9室、プレミアムツイン2室、アクセシブルシングル1室の合計229室。
 熊本市の中心部として、もっとも賑わう新市街エリアに開業する。コンセプトは、「THE BATH」。日本庭園を眺める露天風呂付き大浴場は、壺湯や木製風呂など多彩な風呂を用意したほか、露天風呂付き客室「プレミアムツイン」を2部屋設置した。
 新ブランドとなる「REF」とは、Regional(地域)・Experience(経験・体験)・Flexible(自由に、柔軟に)を由来とし、その土地にある自然、芸術、工芸や食文化など、地域の個性を掘り出すことで、宿泊客に旅の本質的な価値を感じてもらえるホテルとなることを目指していきたいという。
 同社は現在、全国で23施設を運営しており、2021年夏に開業が決定しているホテルを含め、計31施設となる予定だ。




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