不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2019.10.28 11:31

首都圏で8店目の「ナインアワーズ」開業 2020年には名古屋と東京エリア2棟を計画
 ナインアワーズ(東京都千代田区)では、「ナインアワーズ」ブランドのカプセルホテルの全国展開を加速させる。
 12月1日には、昭和リース(東京都文京区)と、ナインアワーズプロパティファンド1号案件として「ナインアワーズ水道橋」(東京都千代田区)にオープンさせる。
 同施設は、JR「水道橋」駅徒歩2分に位置、敷地面積245・83㎡、延床面積1051・84㎡、地上8階建て、客室数は男性80室、女性80室の合計160室。「ナインアワーズ」ブランドとしては全国で13店舗目、東京・首都圏では、8店舗目となる。
 建築設計・デザインは、大手町、赤坂、浅草、新大阪に続き、平田晃久建築設計事務所が担当した。地上8階建てのビルの一部を抜き取るように空中につくり出された空間は、360°都心の風景を取り込むラウンジとなり、ナインアワーズが提案する、街とダイレクトにつながる新たな滞在スタイルを体現しているという。
 1階には福岡を拠点に展開する「REC COFFEE(レックコーヒー)」が出店する。徹底した品質管理を行い、バリスタが、客の好みに適したコーヒーを提案する。また、専属のパティシエが丁寧に作り上げるオリジナルの焼き菓子も提供する。
 また同社は、2020年上期に「ナインアワーズ名古屋駅」(愛知県名古屋市)、「ナインアワーズ浜松町」(東京都港区)、「ナインアワーズ半蔵門」(東京都千代田区)を相次いでオープンさせる。
 名古屋地区初となる「ナインアワーズ名古屋駅」は、JR「名古屋」駅徒歩2分に位置、敷地面積198・75㎡、延床面積1130・16㎡、地上10階建て、客室は男性78室、女性78室の合計156室。所有はナインアワーズプロパティファンド第3号。地上10階のペントハウスにはラウンジスペースを設置。ビジネス客に集中して仕事ができる時間を提供する。1階には「GLITCH COFFEE@9h」を併設し、スペシャルティコーヒーを提供する。
 「ナインアワーズ浜松町」は、都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅徒歩2分に位置、敷地面積262・76㎡、延床面積1352・72㎡、地上10階建てに屋上テラス。客室は男性129室、女性76室の合計205室。
 一方、「ナインアワーズ半蔵門」は、東京メトロ有楽町線「麹町」駅徒歩2分に位置、敷地面積178・59㎡、延床面積1207・44㎡、地上10階建て、客室は男性100室、女性80室の合計180室。所有はナインアワーズプロパティファンド第2号。
 東京地区の2店舗は、羽田空港から都心への入り口となる浜松町、緑豊かな皇居周辺エリアの半蔵門、それぞれの街と呼応するような佇まいと、景観自体に溶け込むような内部空間が、ナインアワーズが提案する、「街とダイレクトにつながる新たな滞在スタイル」を体現していきたいという。
 独自のカテゴリーを目指す「ナインアワーズ」は、ホテル滞在中の「シャワー」+「睡眠」+「身支度」という3つの基本行動の本質を捉え、「機能性と品質を徹底追求し、適切で納得感のあるサービスを提供しております。部屋という空間概念を捨て機能自体を提供することで、宿泊に限らず、24時間お客様のご都合に合わせて仮眠やシャワーのみでもご利用いただける、都心ならではのトランジットサービスを提案しています」(同社)。

エンゼルフォレストリゾート 休眠別荘リフォームし貸別荘へ
 エンゼルフォレストリゾート(静岡県熱海市)は自社が管理する5つの別荘地で貸別荘事業を開始した。
 利用者の高齢化と利用率の低下により建物の経年劣化、土地の環境悪化が進む中、自社で別荘を買い取り・リフォーム後に貸別荘として運用することにより空き家対策や休眠別荘の有効活用と不動産価値向上を目指す。
 第一弾として、「エンゼルフォレスト小松ヶ原」5棟、「エンゼルフォレスト伊豆スカイライン」6棟、「エンゼルフォレスト熱海自然郷」3棟、「エンゼルフォレスト赤沢望洋台」6棟、「エンゼルフォレスト大川汐見崎」2棟の一部で運用を開始している。 
 同別荘地を管理する同社は、リゾート物件の仲介のひまわり(新潟県湯沢町)、リゾートホテル・マンションの運営管理を行うエンゼル(東京都千代田区)のグループ会社。「国内の別荘地では建物の老朽化、別荘地全体の管理不全により、あるべき理想の姿から遠くかけ離れたものが多くなっている。この貸別荘事業で別荘地の再生を図り、日本国内にある別荘地の活性化・不動産価値向上のきっかけとすることができれば日本のリゾートをもっと活性化できる」(田中耕介社長)という。

マツリテクノロジーズ 2020年までに民泊1000室増やす
 matsuri technologies(東京都豊島区)ではこのほど、第三者割当増資により合計約5・8億円の資金調達を行った。この資金を元に東京オリンピック大会までに1000室の民泊の新規開業を目指していきたいという。
 昨今、日本では訪日旅行客が増加し続けており、宿泊場所が足りていない現状がある。一方で、観光庁によると訪日旅行客の約6割は世帯年収500万円以下で、特に低価格帯の宿泊施設に対するニーズが強くなっているという。昨年に施行された「住宅宿泊事業法」によって、住宅を改装し、宿泊施設として合法的に提供できるようになった民泊は、時代の流れにマッチした宿泊施設の一形態だといえる。
 同社はこれまでに170万人以上の訪日旅行客の宿泊をソフトウェアを通じてサポートしている。東京2020オリンピック大会以降の2030年までには現在の約3倍の観光客を招致すべく政府が各種施策を講じている中、特に北東・東南アジアからのインバウンドの訪日旅行客の増加が予測され、より多くの外国人が日本に訪れやすい環境整備が必要とされている。こうした背景から、同社は今回資金調達によって、民泊の供給を加速させていくもの。

エンプラス アパホテル併設サービスアパートメント 民泊として運営をスタート
 エンプラス(東京都千代田区)は、同社がサービスアパートメントを受託運営する、「アパホテル東新宿駅前」に併設する「APA SERVICED RESIDENCE SHINJUKU」について、住宅宿泊事業法を活用した民泊運営を開始した。 
 これにより、1カ月間から滞在できるサービスアパートメントに加え、土地柄需要の高い外国人ビジネスマンの出張ニーズにも1週間から対応が可能となることにより、高まるビジネスインバウンド需要に、より柔軟に対応できることになる。
今回民泊運営を開始する部屋数は全12戸。全ての部屋はサービスアパートメント仕様となっており、家具・家電・調理器具のほか、Wi―Fiなども完備で、最大5名までの宿泊も可能となる。 
 場所は「東新宿」から徒歩1分にあり、東京都内のどのエリアにも非常にアクセスの良い立地。ホテルフロントデスクの前を通り、エレベーターもご自身の部屋がある住宅フロアのみアクセスできるのでセキュリティも充実しているのが特徴だ。
 同社はグローバルに展開する企業のグローバル人事業務を住宅に強みを持ってサポートしている、リロケーションマネジメントカンパニー。海外赴任・海外間異動・外国人の受入れに関わる業務をワンストップでサポートできるのが強みだ。2004年の創立以来、外国人向け賃貸仲介、家具家電付きサービスアパートメント運営、ビジネス民泊運営など、日本に来る外国人が課題を抱える住宅面でサポートしている。

北陸エリアで初の「ヒルトン」ブランド
 池田ホテルマネジメント(大阪府大阪市)と、ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区(東京都新宿区)では、北陸地方でヒルトングループ初のホテルとなる「ダブルツリーbyヒルトン富山」の運営受託契約を締結した。同ホテルは2022年の開業を目指す。
 同ホテルは、「富山」駅から徒歩数分の距離に位置し、富山の観光名所である富山城や富山市ガラス美術館など、様々な観光スポットへのアクセスに優れている。客室は標準26㎡の全201室。レストラン・バー、フィットネスジム、大浴場、会議室を併設する。観光・ビジネス両方で国内外の旅行客の需要が見込まれる中、グローバルホテルチェーンのヒルトンの送客力とグローバルレベルのサービスが評価され、今回の契約締結に至ったもの。
 池田ホテルマネジメントの池田正知社長は話す。「富山駅前の新たなシンボルとなるホテルを目指します。そのホテルの運営を国際的ホテルブランドであるヒルトンに委託することで、富山の観光需要を拡大し、また雇用の創出や地元企業との提携により、地域の発展に大いに貢献できるものと確信しています」。 
 池田グループでは、これまでに大阪府大阪市で5棟のホテルを、奈良県奈良市で1棟のホテルを開発し所有している。現在、新たに大阪府大阪市にてホテル1棟を開発中だ。




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