不動産トピックス
今週の一冊
2019.10.28 11:25
業界を変えたい 投資には良質な業者をパートナーに
不動産投資事業者のリアル
著者:藤本好二
発行日:2018年9月15日
発行所:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:1400円(税別)
「かぼちゃの馬車」から「TATERU」、そして毛色は違うがレオパレス21まで不祥事が絶えない。
本書『不動産投資業者のリアル』の著者・藤本好二氏はウィステリア・グループ代表取締役。彼らもまた投資用不動産の販売会社。出版動機の一つに「悪徳業者が平然と投資家を騙し」、「儲けを追求するのが正義であるかのような不動産投資業界をどうにかして変えたい」という思いがあるという。
不動産投資業界はなぜ悪評の多い業界になったのか。悪質な営業がはびこり、投資家でも富裕層でもない一般人にローンを組ませ不動産を購入させるとは健全な事業とはいえない。
また、仲介手数料の高額も一因だ。1件の高額物件仲介で何百万円もの手数料の仕組みは異常ではないか。投資に興味のない素人にまで強引に営業し、不動産営業の悪印象を拡大した一部の業者の罪は大きい。勿論、良質な不動産業者も存在する。本書は、不動産投資ブームで業者が激増、多様化した状況を時代別に社名を挙げて解説。悪徳業者の手口も紹介する。それにしても、不動三投資勧誘電話をかけ続ける業者は全く社会の迷惑だ。電話をかけられる側にとってはただの迷惑行為。投資家によるこのような書籍は大歓迎。業界が健全化したら、不動産投資は「幸せをもたらす投資のひとつになるはず」という。業界の健全化を願ってやまない。