不動産トピックス
今週の一冊
2019.12.09 14:22
首都・東京の底力を今こそ検証
新・東京進化論
なぜ、オリンピック後も東京は「強い」のか?
著者:市川宏雄/天崎日出雄
発行日:2019年10月21日
発行所:幻冬舎
価格:1300円(税別)
来年の東京オリンピック後、日本の景気は悪化、不動産は大暴落―こんな予測をしている向きも少なくない。本書は「少なくとも2030年まで、東京はいままで以上に発展を続けていく」と断言する。
前回のオリンピックとは違い、今回は「成熟都市」である東京は、競技会場は既にあるものを使い、外国人観光客をお招きするノウハウもすでに出来つつあり、成熟度が更に高まるという。
オリンピック後には森ビルの虎ノ門・六本木エリアの再開発事業や、三菱地所の東京駅前プロジェクトをはじめとした大規模再開発事業が同時に進行しており、2025年大阪万博、2027年リニア新幹線開業など大イベントが目白押しだ。
東京一極集中は好ましい、第三次産業は一極集中でこそ発展すると主張し、首都直下型地震でさえ、「地震後に東京が首都機能を失うことは考えられません」という。その根拠には何があるのかは本書でご確認を。
「区分所有オフィス」のビジネスモデルを開発した企業の取締役CMOであり100年企業戦略研究所所長も兼ねる著者の「地方企業こそ東京に着目し、東京を企業資産とすることで、100年続く企業となる一助になるのではないか」に期待。
都市政策第一人者と不動産ビジネスのプロの対談は必読。