不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2019.12.23 13:55
リア・テクノロジーズ 「パナソニック家電」設置したコンセプトルーム 特区民泊制度利用施設で
「BON Condo Namba Nipponbashi」
レジデンシャルホテルなどの運営事業を展開するREAH Technologies(リアテク 東京都港区)は12月11日、大阪市中央区にて、特区民泊制度(国家戦略特別区域法に基づく国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)を活用したレジデンシャルホテル仕様の宿泊施設「BON Condo Namba Nipponbashi」を新規オープン。
同施設は、パナソニック ホームズ不動産(大阪府豊中市)が土地・建物をオーナーから一括借上げの上、同社に転貸するもので、同社は、開業に至るまでの市場調査および事業性検証、施設コンセプトワークなどを行い、開業後は集客・運営管理を一括で行う。
同施設は、「日本橋駅」徒歩2分に位置、客室数54室、定員員270名。日本橋駅を含む難波エリアは、飲食店やショッピングスポットが多数集まり、道頓堀や黒門市場に隣接しているなど、日本のみならず世界中の旅行客が訪れる活気溢れる街・大阪ミナミの華やかさを肌で感じられることができる。またビジネス街からも近く、大阪出張の際にも利用しやすい環境でもある。
施設は全54室で、すべてグループや家族連れでも利用しやすい最大定員5名。冷蔵庫・TVなどの大型家電から電気ケトル・ヘアドライヤーに至るまで、パナソニック製の家電を用意。また、足用マッサージャーやナノケアシリーズといったパナソニック製の最新家電を設置したコンセプトルームを6室設ける他、1階ロビーにこれらの体験コーナーを設置する。
また、無人対応のチェックイン機や物理キー不要のスマートロックの設置、キッチンの設置などにより、安心・快適で新しい形の滞在を提供していく。
この施設は、最新のテクノロジーを活用し、宿泊客に“暮らすように旅する”滞在スタイルを提供する同社の独自ブランド「BON(ボン)」シリーズの6棟目となる施設。この開業によりBONシリーズのうちレジデンシャルタイプの客室は224ルームとなり、定員は合計で1000名を超えることとなる。
全国6棟を展開 インバウンドに注目
同社では12月1日にも、「ボンコンド梅田ノース」を大阪市北区にオープン。こちらは、客室は2タイプ52室、定員234名。最大定員4名の客室と同5名の客室それぞれ26室ずつ用意する。
無人チェックインシステムやスマートロックなど、最新のIoTを採用し、運用コストの大幅な削減を実現した。また、客室は、バス・トイレ別、キッチン・洗濯機も全室に備えており、グループや家族連れによる長期滞在を中心に、多様なスタイルに応じた滞在が可能となっている。年々増加するインバウンド旅行客需要をはじめとした、国内外からの観光客のニーズの獲得を目指していきたいという。
同社は、主に遊休地活用の一環として提案。その立地や形状、大きさにあった宿泊施設を企画する。橋野社長はもともと金融業界出身のため、不動産・金融の見地からアドバイスできるのが強みだ。新築時で利回り8%を維持できるようにする。
同社は、2018年11月1日付けで合法民泊ビジネスを展開している百戦錬磨の施設運営事業が分社化、独立して誕生した。インバウンド特化型のホテル・ホステル・合法民泊の企画・運営やその他のオルタナティブ・ロッジングの分野を舞台として、今後中長期的に成長が見込まれる訪日外国人旅行者に対して、新たな宿泊の選択肢を提供していく計画だ。「一方、それらの舞台をご提供いただく不動産オーナー様の収益最大化に努めてより多くの方々に安心かつ魅力的な投資機会をご提供できるよう、両輪でのサービス開発を進めて市場全体の活性化に貢献していきたいと考えています」(橋野宜恭社長)。
岩岳街並み活性化 高級古民家リゾートを増設
ALL信州観光活性化ファンド、NECキャピタルソリューション、白馬岩岳観光協会、FUNNY、白馬観光開発が共同して2018年に設立した「自然と伝統の融合した白馬岩岳の街並み活性化株式会社」(岩岳街並み活性化 長野県北安曇郡)は、2018年に開業した高級古民家リゾート施設「旅籠丸八 壱番館・弐番館」(同)を拡大、12月13日より「参番館」をオープンし、12月27日には、温浴施設やビオキオスクなどを併設した複合宿泊施設「haluta hakuba(ハルタ ハクバ)」を開業させる。
同社は、岩岳エリアの空き家や廃業を考えている宿泊施設など既存の建屋をリノベーション・活用し、自然資源と伝統的景観を守りつつ、街並みを一体的なリゾートとして再生させるべく設立された。2018年12月22日には、古民家などを再利用した高級古民家リゾート施設「旅籠丸八」をオープン。翌年2月には稼働率が80%近くに達するなど訪日外国人を含め、人気を集めている。
「旅籠丸八」は、高級感のある和とモダンをテーマにリノベーションした施設の総称で、レセプション機能・ダイニング機能を集約したクラブハウス「庄屋丸八」と、宿泊に特化した施設「旅籠丸八 壱番館・弐番館」で構成する。今回新設する「参番館」は、元旅館の建屋を再利用し、日本の伝統的な建築様式の一つである土壁の上に漆喰などで塗って仕上げた「土蔵」を活用したリノベーションを実施したもの。
客室はグループなどあらゆる人数にフレキシブルに対応できるよう、メゾネットタイプ1室と、スタンダードタイプ3室の計4部屋を用意。一棟貸切による団体利用も自可能だ。
また、「haluta hakuba」は、昔ながらのスキー客用民宿を改修した2フロアで構成しており、1階には、日本古来の温泉療法「湯治」を現代版にアップデートしたミネラルをとり込むミスト温浴施設「Toji―ba haluta」や、オーガニックのアメニティグッズや無農薬栽培のライ麦を使用した黒パンなどの食品や飲料を扱う「ビオキオスク」、宿泊者が自由に利用できるシェアキッチン、コワーキングスペースとミーティングルームを設置する。
ホテルオークラがバンコクに
ホテルオークラ(東京都港区)の子会社でホテル運営会社である、オークラ ニッコー ホテルマネジメント(東京都港区)では、Grand Tower Enterprise Co., Ltd.(タイ王国・バンコク)と同社が所有するホテルに関する運営管理契約を締結した。
同ホテルは現在、Hotel Verve Bangkokとして営業しているが、「ホテルJALシティバンコク」にリブランドし、オークラ ニッコー ホテルマネジメントが2020年春より運営する予定だ。
同ホテルは、延床面積1万6782㎡、地上17階建て、客室数は324室。オールデイダイニング、会議室等を併設する。客室のバスルームは全室バスタブを完備。シャワーブースとトイレが分かれたバスルームが特徴となる56㎡の客室も用意しており、滞在目的に合わせて選ぶことが可能だ。
2019年1月に開業した「ホテル・ニッコー・バンコク」に隣接し、BTSスカイトレインのトンロー駅より徒歩約3分の好立地に位置する。
トンローはバンコクの都心エリアであるワッタナー区にある「スクンビット・ソイ55(通称 トンロー通り)」周辺の南北に延びた地域を指し、古くから多くの日本人や外国人駐在員、タイの富裕層が居住するエリア。
同ホテルは、「ホテルJALシティ」ブランドとして海外における初めてのホテルとなる。2019年開業の「オークラ プレステージバンコク」などに続き、オークラ ニッコー ホテルマネジメントで運営する4軒目となるホテルとなる。
リーガロイヤルHが京都宿泊特化型
ロイヤルホテル(大阪市北区)では、リーガロイヤルホテルグループが京都で初めて展開する宿泊主体型ホテル「リーガグラン京都」(京都府京都市)を2020年7月15日に開業させる。
同ホテルは、JR「京都」駅より徒歩約3分に位置、延床面積1万728㎡、地上7階・地下2階(ホテル地上1階、 3~7階)、客室は261室。
「『趣~Omomuki~』京都、リーガの宿」をコンセプトに、京都らしさを随所にちりばめたインテリアデザインを特徴とした客室、レストラン1店舗、大浴場を備え、“京都”を五感で体感してもらえる空間を演出する。
客室は、ツイン234室、ダブル20室、シングル6室、ユニバーサルルーム1室の計261室。全室洗い場付バスルームと独立洗面台、独立トイレを備え、京を感じるデザインと快適性を追求した。2名以上で利用するツイン・ダブルを主体とし、レジャー利用に適した客室を用意する。
朝食会場・大浴場の混雑状況等客室内テレビでの館内情報提供や、全室43型以上のテレビ設置、全室無料Wi―Fi、セルフランドリーコーナーなどを併設する。
3階のダイニング&ラウンジは、京の色彩をアクセントにしたコンテンポラリーなデザインの中に、心地よいムードを感じさせる。京都産野菜をはじめ多彩な地産食材を使用した重やビュッフェで朝食を提供する。チェックイン前やチェックアウト後も利用できる宿泊者専用ラウンジエリアも用意する。
リーガロイヤルホテルグループがこれまで培ったおもてなしの心を大切に、館内にはアートや音楽、書籍、食事など、京都らしさを五感で刺激する多彩な楽しみを用意し、遊び心と心地よさに溢れ「また訪れたくなる、京の奥深さに触れる」ホテル体験を提供していきたいという。