不動産トピックス

日本橋特集 街を彩る名店探訪 板倉屋

2020.01.06 11:42

人形町 人形焼「板倉屋」 「日本橋はワンチーム」

 東京メトロ「人形町」駅すぐにある「板倉屋」は老舗の人形焼屋だ。1907年に乾物屋として創業し、今では地元住民や観光客など多くの人に愛されている。乾物屋であった同店が人形焼を始めたきっかけは「水天宮」の参拝客が大勢「板倉屋」の近くを通ることから、「何か名物になるものはないか」と考えたため。先代が関西で人形焼を焼いていた方と知り合いであったことが縁で、人形焼の製造・販売を始めた。当初は「焼きまんじゅう」という名称で販売していたが、人形町で売っていたことから「人形焼」になったとされている。
 今の場所に店を構えたのは昭和40年で、乾物屋だった店の人形焼販売のみ店舗を引っ越した。七福神の顔をかたどった名物「人形焼」は、一日1500~2000個売れる人気商品だ。
 餡は十勝産の小豆を使用しており、人形焼の中には滑らかなこしあんがぎっしりと詰まっている。味は創業当時とほとんど変わらないが、材料にみりんを使用するようになったのは途中からだという。人形焼は七福神をかたどったものだが、実は一度型を変えている。今は七福神の「顔」のみの型だが、以前は七福神の「全身像」であった。今の型は以前のものよりも鋳物の深みがあり、餡がたっぷり入るためおいしく感じる方も多いようだ。加えてあんこの入っていない「カステラ焼き」も週2日のみ販売している。
 人形町に創業して100年。板倉屋三代目・藤井義己氏にとって日本橋とは「大好きな場所」であるという。「困ったときにお互い助け合うような雰囲気が好きです。情に厚く、大きな催しなどがあるときにはみんなで集まる。それこそ、ラグビーでいう『ワンチーム』のような場所だと感じています。




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