不動産トピックス
日本橋特集 街を彩る名店探訪 釜やもぐさ本舗
2020.01.06 11:54
小網町 お灸屋「釜やもぐさ本舗」 廻船問屋からお灸へ
東京メトロ「茅場町」駅から徒歩2分ほどにある老舗灸屋「釜やもぐさ本舗」は、1659年に創業。十二代目・富士治左衛門として、富士武史氏が同社取締役社長を現在務める。
初代・富士治左衛門は近江の出身。廻船問屋として始まったのが同社だ。近江は鋳物が有名であり、店名に「釜屋」とついているのも釜を作っていたことが背景にあるという。事務所内には実際に釜を置いており、区の文化財となっている。
創業360年を迎える同社がネット販売に踏み出したのは10年程前。富士氏は「購入される方はネット、電話、通販など経路は様々です。ただ、『実際に試してみたい』という方は店頭まで足を運んでくださいます。鍼灸師への卸売りも行っていますが、痛みの緩和のために購入される一般の方も多くいらっしゃいます」と語る。
取り扱うお灸は、種類によって効能に違いがあるのが特長だ。いずれも同じもぐさから生成されるが、製法により「きめ」が異なるという。きめの粗いものは温度が高く持続し、細かいものは低くすぐに燃え尽きる。
また、昭和46年からは「カマヤミニ」を販売。モグサと皮膚との間に紙筒で空間を作って使用する「カマヤミニ」は手ごろな価格で購入でき一般利用の人気も高い。現在では炭状に加工し煙が出ないタイプもあり、鍼灸師をはじめ煙の苦手な一般利用の需要も高いという。
客層について富士氏は「『スポーツ鍼灸』や『美容鍼灸』など、従前と比べ若い方・女性の方がお灸をよく購入されるようになったと感じます」という。
富士氏は日本橋について「『日本橋』には、様々な業種の会社があります。小網町の特に好きなところは、『食べ物がおいしいところ』。リーズナブルなところは勿論、少し豪華な食事ができるところもあり、お客様との会食の際にも使える」と魅力を語った。