不動産トピックス

日本橋特集 街を彩る名店探訪 華月

2020.02.10 16:16

小伝馬町 カフェ「華月」 愛煙家の安らげる場所

 東京メトロ「小伝馬町」駅徒歩1分に凛と佇む、カフェ「華月」。薄暗い照明がレトロな店内の雰囲気を強調し、バックにはおしゃれなジャズが流れ落ち着いた空間となっている。カウンターの後ろには国内外から取りそろえた豊富なティーカップがずらりと並ぶ。足を運んだ客から、「実際にこのカップで飲みたい」とリクエストが来ることもあるという。
 祖業は現店主・酒井氏の祖父母が日本橋で経営していた和菓子屋。その後パン屋になり、21年ほど前に、先代の父が憧れであったカフェの経営を行うこととなった。「ビルばかりのオフィス街の中にくつろげる空間を作りたい」という想いから立ち上げられた。創業以来全席喫煙可能を貫く。酒井氏は、「近年では近隣の店の多くは全面禁煙となってしまいました。そんな中当店は、たばこを愛用するビジネスマンの味方として、多くの愛煙家の方から憩いの場として利用頂いています」と語る。シックで落ち着いた空間であるため、近隣のビジネスマンが商談やちょっとした息抜きに使う方が多い。コーヒーはペーパードリップでの抽出を行っており、注文を受けてから淹れるのが特長。出来立ての香り高いコーヒーを楽しめるため、多くのコーヒー好きから愛される。コーヒーは全部で7種類。酸味や苦みに特長のあるものも用意している。さらに、自家製ケーキは手作りだ。中でも「キャラメルカフェパウンド」にはコーヒーが練りこまれており、同店でしか味わえない趣がある。それだけではない。ホールケーキや焼き菓子の受注販売も行い、ビジネスマンだけでなく近隣の飲食店、商店仲間の方からも多く依頼を受けるという。 
 近隣の飲食店、商店仲間とはつながりが深く、同店は毎年、日本橋が先導するイベントに出店している。年に一度開催される「日本酒利き歩き」は、人気の日本酒醸造所が日本橋界隈に集う一大イベント。同店は毎年、その時に手に入る貴重な日本酒を使った「酒粕入りパウンドケーキ」を限定販売。この日しか味わえない貴重な商品だ。今年は4月18日に開催される予定で、同店の参加も既に決まっている。横のつながりの強さも、老舗やこだわりの店が多い日本橋ならではと感じる。
 酒井氏は「お客様からは、『落ち着ける、隠れ家のような空間』、『ホッとする』と言われることが多いですね。日本橋は私の生まれ育った場所でもありますが、この辺りは昔から変わらない良さがあります」と語った。




週刊不動産経営編集部  YouTube