不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2020.02.17 17:41
ナインアワーズが首都圏で9店目を開業 「ナインアワーズ浜松町」屋上テラスも設置
ナインアワーズ(東京都千代田区)では、羽田空港と都心を結ぶJR「浜松町」駅至近に「ナインアワーズ浜松町」を3月2日にオープンさせる。この施設は全国で15店舗目、首都圏で9店舗目の出店となる。
同施設は、都営地下鉄浅草線「大門」駅より徒歩2分に位置、敷地面積 262・76㎡、延床面積1352・72㎡、地上10階建+屋上テラス。客室は男性用129室、女性用76室の合計205室。東京建物不動産販売が所有し、ナインアワーズが運営を担当する。基本設計・監修は平田晃久建築設計事務所、設計施工は清水建設。
「ナインアワーズ浜松町」は、これまでに開業した、大手町(旧竹橋)、赤坂、浅草、新大阪、水道橋各店の建築、設計を担当した気鋭の建築家、平田晃久氏が手がける。それぞれの街と呼応するような佇まいと、景観自体に溶け込むような内部空間が、ナインアワーズが提案する、街とダイレクトにつながる新たな滞在スタイルを提案する。
同施設が位置する浜松町エリアは、国際都市・東京の玄関である東京国際空港(羽田空港)へつながる「東京モノレール羽田空港線」の起点駅を始め、JR山手線、京浜東北線が乗り入れ、ビジネス街、商業地として発展を遂げている。周縁には東京タワーや貿易センタービルなどの高層建築、中央部分は中層建築が林立し、建築物によるすり鉢状の地勢を成す。
その中央部分、すり鉢の底に当たる所に位置する同施設は、その中で頭を一つ出すように1階分だけ高く設計し、周辺の高層建築物を望み、都市全体を見渡すことができる屋上テラス設置した。内部空間は、四角いグリットの組み合わせにより、吹き抜けを連続させながら、上下空間がつながる、大きなリビングルームのような構造となっているのが特徴。アルミの型押し材や、乗り物に使用される部品を使用したインダストリアルなディテールのインテリアは、空港や大ターミナル駅などを通過してきたばかりの利用者の気分を表すように、ナインアワーズが提案する新たな滞在スタイル「トランジットサービス」をイメージしている。
同社が展開している「ナインアワーズ」は、滞在中の「シャワー」+「睡眠」+「身支度」という3つの基本行動の本質を捉え、機能性と品質を徹底追求したサービスを提供。部屋という空間概念を捨て機能自体を提供することで、宿泊に限らず、24時間利用者の都合に合わせて仮眠やシャワーのみでも利用できる、いわゆるトランジットサービスだ。
TABICT 「町屋タイプ」の宿泊施設竣工 福岡エリアに相次ぎ
TATERU(東京渋谷区)の子会社であるTABICT(同)では、同社が企画開発を行う、町屋タイプの宿泊施設を福岡エリアに相次いでオープンさせる。
「MUSUBI HOTEL MACHIYA KIYOKAWA 1,2」を福岡県中央区清川に竣工させた。
同施設は、西鉄「平尾」駅を最寄駅とした同社が展開するスマートホテル「MUSUBI」シリーズ。1棟あたり8名までで、宿泊料金は平均3万円から。開業は2020年2月を目指している。
一方、「MUSUBI HOTEL MACHIYA CHIYO 3」は、福岡県博多区の「千代県庁口」駅が最寄駅。同地区ではすでに、アパートタイプの宿泊施設を2棟開業しているが、この度新たに町屋タイプを竣工し、2020年2月の開業を目指す。
同社では、「MUSUBI」シリーズでは、街に暮らすように、旅行者にこれまで経験したことのない“新しい旅“を提供し、また、“新しい旅“を通じ人だけでなく地域や文化を豊かにすることを目指している。4名以上のグループ宿泊者をターゲットとし、分散型宿泊施設として、街の飲食店など施設の外へ消費を誘導し、地域経済に貢献していきたいという。
同社が展開しているスマートホテルは、グループ宿泊者をターゲットに、現在では主に福岡県の博多エリアにて展開。宿泊運用業務を効率化する「bnb kit(スマートロック・チェックインパッド・TRIP PHONE)」の導入や、コンシェルジュアプリの提供などICTを活用した様々な宿泊施設運用サービスにより、無人で運営できるスマートな宿泊施設を企画開発している。
からくさホテルズ コネクティングツーム増設 需要期待
からくさホテルズ(東京都港区)では、2019年7月8日にオープンした「からくさホテル TOKYO STATION」(東京都中央区)全151室のうち、隣接するスタンダードツインwith Sofa Bedとスタンダードツイン各22室の計44室を内扉でつなぎ、最大5名まで利用可能なコネクティングルームに改装する計画だ。3月22日より宿泊可能となる。
これにより、既存のコネクティングルーム40室と合わせて全84室、全客室の56%がコネクティングルーム対応となる。
同社では、全ホテルのジオグラフィックデータとともに、年齢や家族構成など、さまざまなデモグラフィックデータを収集・分析することで、マーケティング戦略や、既存ホテルの改装計画、新規ホテル開発に活用している。「からくさホテル TOKYO STATION」の開業月である2019年7月から11月までのデータを分析した結果、ファミリーとグループ利用が平均約70%、コネクティングルームの利用率が約60%と高いことから、今後の需要増を見込んで今回の改装を決定したもの。
同ホテルは、新幹線をはじめ、全国の主要鉄道網の中核となるJR「東京」駅から約5分に位置する。
客室タイプは6種類で、スタンダードダブル1室、ハリウッドツイン10室、スタンダードツイン43室、スタンダードツイン with Sofa Bed 84室、スーペリアツイン with Extra Bed 10室、ジャパニーズファミリールーム3室を備える。
「からくさホテル」は、2016年3月に誕生した観光客向け宿泊特化型ホテル。国際空港・ターミナル駅近くや観光都市に位置し、平均20㎡以上のツインルームを軸に、ファミリーやグループ利用に最適なコネクティングルームを全体の約50%設けているのが特徴だ。さらに、全館無料Wi―Fiや、各室のバスルーム、洗面所、トイレを独立させるなど、観光客向け機能・サービスを充実させている。現在、札幌に1軒、東京に2軒、関西に5軒の計8ホテルを経営・運営している。
「下田伊東園ホテルはな岬」リニューアル
伊東園ホテルズ(東京都豊島区)ではこのほど、静岡県の下田温泉「下田伊東園ホテルはな岬」をリニューアルオープンさせた。露天風呂や大浴場のほか、和・洋室、バイキング会場、そのほかにも館内の随所を一新。観光名所が豊富で金目鯛をはじめ海の幸に恵まれた街・下田の新たな魅力としてアピールしていく。
同施設は「伊豆急下田」駅から徒歩8分に位置、部屋数は全99室、大浴場・露天風呂、カラオケルーム・インターネットコーナー・卓球・麻雀・ビリヤードを併設する。
同社は現在、新規出店や既存ホテルのリニューアル改装工事を順次進めている。「気軽に、気楽に、身近に温泉。」をコンセプトとする同社は、「温泉という日本の文化をもっと多くのお客様に知ってほしい、そして何度も足を運んでほしい」という考えから、リーズナブルな料金を基本とし、「夕朝食バイキング+夕食時アルコール飲み放題付」プランをはじめ、本格和食を提供する「和食膳」プランなど、多様なスタイルの施設を運営している。
WBFホテルグループが京都と横浜に新規出店
国内で27店舗ホテルを展開しているWBFホテル&リゾーツ(大阪府大阪市)では、相次いで新築ホテルをオープンさせる。2月28日には「ホテルWBF五条堀川」(京都府京都市)をオープン。
同ホテルは、京都市営地下鉄烏丸線「五条」駅より徒歩13分で、客室数は全118室。
五条堀川に位置し、最寄のバス停から乗り換えすることなく、京都観光名所である清水寺への移動も可能。一部客室からは京都タワーを一望することもできる。
また3月28日には「ホテルWBF横浜桜木町」(神奈川県横浜市)をオープンさせる。
同ホテルは、JR線・横浜地下鉄線「桜木町」駅から徒歩5分に位置、地上14階建て、客室数は全277室。
ホテルWBFグループでは初の神奈川県進出となり、みなとみらい・横浜中華街・横浜元町・山手などへの観光にも便利な場所に立地、ビジネスから観光までの需要を期待している。
中華粥や点心を含む横浜らしいビュッフェ形式の朝食を提供する2階レストラン、また11階~14階には飲み物を提供する専用ラウンジを設ける。
同グループは、2004年より沖縄、2009年より北海道で運営を開始した「ホテルラッソグループ」を前身とし、2016年より「ホテルWBF」へ順次リブランドしている。
2020年1月現在、主力の「ホテルWBF」ブランドのほかに、天然温泉付リゾートホテル「琉球温泉瀬長 島ホテル」(沖縄)、関西発のグランキャンピング施設「パームガーデン舞洲 by WBF」(大阪)等の宿泊施設を全国に38軒展開。今年は北海道、神奈川、大阪、京都、沖縄に合計7軒のホテルが開業する計画だ。