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日本橋特集 文化発見芸術探訪 凧の博物館
2020.02.24 16:47
日本橋 「凧の博物館」 世界初!凧の博物館
日本橋の老舗レストラン「たいめいけんビル」5階にある「凧の博物館」。1977年、世界で初めての「凧」の常設展示施設はオープンした。
今や市井ではほとんど売られていない現代、凧の製作者も年々減少している。「新潟県の『白根大凧合戦』のように、地元のお祭りになっている地域ではまだ凧職人もいるようですが、遊びの選択肢が幅広いですし、もう子供が凧で遊ぶ時代ではないのですね」(凧の博物館/日本の凧の会事務局・福岡正巳氏)。凧文化が花開いたのは江戸時代。空高く上がる凧に浮世絵が大きく描かれている風景が思い浮かぶだろうか。地方ごとに特色もあり、「凧の博物館」には約500枚のさまざまな由来の凧が展示されている。「ちゃきちゃきの江戸っ子気質の人情家で曲がったことは凧のソリ以外は嫌い」というたいめいけんの創業者である故・茂出木心護氏が凧を好んでおり、多くの凧が氏の元に集まったことから始まる。1969年、「日本の凧の会」を結成し、ビル5階にコレクションの一部を展示し事務局も設置。紙と糊と竹でできている凧は長期間保存できるものではなく、同館に保存されている最も古い凧は、昭和初期のもの。ほか、年間約1000人近い来館者を迎えるのはやっこさんタイプや行灯型の立体的な凧など。ショーケースには納まりきらず、壁や天井にも凧が所狭しと展示されており、遊び心で蛸の干物、凧屋の看板まで見られる。初代がパリ・エッフェル塔で高々とあげたという大凧も「パリの空に初めて揚った日本の凧」として大切に残されている。
色とりどりな館内ではミニ凧や凧作りキットが販売されており、「今後も変わらず、この館で凧の文化を伝え続けていきたいですね。『凧』を知らない、見たこともない子供も増えています。多くの方に来て頂きたいと思います」(福岡氏)。