不動産トピックス
日本橋特集 街を彩る名店探訪 三重テラス
2020.03.02 17:03
室町 「三重テラス」 伊勢商人ゆかりの地から
三重テラスは、東京メトロ「三越前」駅すぐに立地。「実はこれ、全部三重なんです」をキャッチコピーとして、三重県の魅力を発信する営業拠点だ。2013年9月にオープン。1階にショップとレストラン、2階にイベントスペースを擁する。
三重県の振興営業拠点を日本橋に構えた理由を、三重県の首都圏営業拠点運営総括監の西口勲氏は「日本橋に出店を決めた理由は2つあります。1つは、日本橋は古くより、三井グループの祖・三井高利氏をはじめとする『伊勢商人』が多く集まる街であること。三井家は三重県松坂松阪市が発祥です。もう一つは、アンテナショップを運営する際には東京での販路とともに、施設へ足を運んだ人々から『三重県の観光をしたい』、『三重県へ移住したい』と思ってもらうため、三重県の魅力を一人でも多くの方に発信していくにはふさわしい場所だと考えたからです」と説明する。
「実はこれ、全部三重なんです」の由来は、「有名ではあるが、三重県のものだと認識されていないもの」が多いこと。「松阪牛」、「伊勢神宮」、「鈴鹿サーキット」、「伊賀忍者」、「ミキモトの真珠」。これらは有名ではあるものの、「三重のもの」だと認識されることが少ない。1階のショップで人気の商品は、松阪牛のローストビーフ、そして「生あおさ」だ。「生あおさ」は東京ではほとんど見られない商品だが、三重県では広く親しまれる食材。また、コシがないのが特長の「伊勢うどん」も人気が高いという。
2階のイベントスペースでは、県や市町、県内生産者などが主催するイベントを開催。内容はすべて『三重県の魅力発信につながるもの』だ。稼働率はなんと90%以上で、前年は約200のイベントを実施したという。特に人気が高かったのは、夏に行われた子供向け体験型イベントの「日本橋忍者学校」。昨年は、皇室と伊勢神宮の関係性に注目し、「即位礼正殿の儀」のパブリックビューイングを開催。伊勢神宮に造脂の深い文筆家・千種清美氏を招いたイベントは話題を集めた。
西口氏は、「当施設のような振興営業拠点は、三重県産の食材・商品の販路拡大に貢献します。生産者自慢の商品を、施設を通じて東京の方に味わってもらう。特に、生産者が主催する試食・試飲イベントでは消費者から生の声を聞くことができるため、商品のブラッシュアップに直接繋がります。地方の中小企業は、消費者の反応をうかがう機会に恵まれづらい。このような『商品開発のテスト』的なことも行いながら三重県の魅力を発信することで、実際に三重県に足を運んでもらえるようになれば幸いです」と語った。