不動産トピックス

今週の一冊

2020.03.09 16:21

面倒な手続きを分かりやすく 登記の見方から少額訴訟まで

債権回収ものがたり -司法書士による不動産・動産・債権の執行実務
著者:仲野 知樹/恒川 照美
発行日:2019年10月1日
発行所:中央経済社
価格:2900円(税別)

 債権回収、つまり借金の取り立て。貸したお金が期限を過ぎても返済されなければ、まずは相手方に催促をするだろう。電話や郵便、また直接、相手先へ取り立てに出向く方法もある。余談だが、ある弁護士いわく、「内容証明を送るときは裁判所内の郵便局から発送するんですよ。消印から裁判所からの郵便と誤解され、すぐに返済されることもあります。まあ、裁判所の建物にある郵便局、というだけで、別に裁判所が郵便業務をしているわけではないんですけどね」だそうだ。
 さて、直接相手方に交渉しても返済されなければ、法に訴えるしかない。 だがたとえ「支払え」という判決が出ても、相手方が払ってくれない限りはその判決は「絵に描いた餅」でしかない。
 「なんとか食べられる餅にするために、と法が用意したものが『民事執行手続』」だ。
 本書は現実に手元に返済されるまでの法律手続きの実務を、書類の記載例と共に分かりやすく解説している。強制執行の申立て、債権差差押命令申立て、各種目録作成など、回収までは事務手続きが多く、手間暇かかる長い道のりだ。  全く面倒だが、それも「貸主の最後の責任」かもしれない。




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