不動産トピックス
今週の一冊
2020.06.01 14:55
「目指せ大富豪」ドリーム
1日1杯100円のうどんしか食べられなかった僕が成功した「レアボロ」不動産投資
著者:正木 透次郎
発行日:2020年4月1日
発行所:幻冬舎メディアコンサルティング
価格:1500円(税別)
不動産業界は、日本で最も「アメリカン・ドリーム」が現実になる業界なのだろうか。帯には「中卒、現場仕事出身の男はどうやって20代で成功を手に入れたのか?」とある。
著者はアメリカのTVドラマで「不動産で財をなしたセレブ」を見て「不動産を持てば金持ちになれる」と業界を目指した。といっても仲介業の高額な手数料・歩合の高収入というパターンではない。その程度の成功ではセレブ生活は手に入らない、雇われている限り天井がある、と退職し不動産投資を実践したのだ。
手法はタイトルにある「レアでボロい物件」への投資。新築プレミアム付物件は買わない、出口戦略を必ず考える等、王道とも言える投資戦略は立派。「目指せ大富豪!」という著者のストレートなフレーズの裏側には、不動産業界でありがちな強引な営業手法はなかったと信じたい。がむしゃらに勉強し働いた著者の努力は本物だ。それにしてもコロナ禍の今、どれほど素晴らしい投資指南本であろうと、今後も変わらず通用する普遍的な投資手法はどこかとまずは探すことになる。2020東京五輪の雇用誘発数予想などは見るのもむなしい。コロナ直前の投資家マインドを知る一冊だ。