不動産トピックス
今週の一冊
2020.06.22 16:53
「ウソ」を見抜いて上手に利用
不動産屋は9割ウソをつく。
著者 関田タカシ
発行日 2019年11月20日
発行所 三笠書房
価格 700円(税別)
不動産屋の営業トークは一種のショーかというほど、軽妙な口調で話し続ける。不動産投資勧誘の電話など、名乗る前にその電話慣れし切った軽いノリから「ああ、不動産屋の営業か」と予想できることもある。
良いイメージがないというより、実際にグレーな業者も少なくないため、このような不動産屋のマイナス要素の裏話を取り上げた、刺激的なタイトルの書籍が次々に出るのだ。
本書では「不動産屋はみんな嘘つきだと思ってつき合う」こと、そして「嘘の真実を知って嘘を見抜き上手に利用してこそ気持ちのいい住まいがあなたのものなる」という。
といっても本書の中身は、不動産取引のドラマ性に富むエピソードとともに、不動産業者の知られざる行為を説明し、土地や物件の見抜き方、「タッチの差で他の人が」等の「よく聞くセリフの話」、さらに用語解説まで。この一冊で基本的な業界のあれこれが理解できる。このようなあくなき収益追求の実態は良い方向へ向かえば最強なのだが。
最終章「格安には理由がある?」では1円物件を紹介し「21世紀はお金をもらって土地を買う時代なのですね」とのこと。不動産の格差も広がるばかりだ。