不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2020.07.13 16:55
「城下町まるごと宿泊施設」構想具現化 バリューマネジメントが再生事業の一手に
施設の再生ビジネスを手掛けているバリューマネジメント(大阪府大阪市)では、日本初となる木造天守に宿泊ができる城泊「大洲城キャッスルステイ」(愛媛県大洲市)と、その城下町に点在する歴史的な邸宅や、町屋・古民家を改修した分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」(同)をオープンさせる。
大洲市には中心部の城下町で、アイコンである大洲城、明治期の名建築臥龍山荘をはじめとした歴史的資源が数多く存在する。
しかし近年は城下町を形成する古民家などの取り壊しが進んでおり、「町家・古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくり」が急務となっている。
こうした背景を受け同社では、城下町に分散する町屋や古民家を改修し、まち全体をホテルという構想を具現化。分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」、市のアイコンである大洲城の木造復元天守に宿泊するという、ユニークな体験ができる「大洲城キャッスルステイ」を企画した。
大洲城は藤堂高虎、脇坂安治らにより作られた近代城郭で、国の重要文化財に指定されている櫓を有する。天守は明治期に取り壊されたが、当時の写真や木組模型が存在し、発掘調査で経た情報をもとに、2004年に戦後初の木造天守として復元された。
大洲城キャッスルステイでは、日本初となる、この城の天守に宿泊できるという非日常体験と、公園内に新設したラウンジ利用、城主気分が味わえるコンテンツを用意し、ユニークな体験を提供する。
同社は「日本の文化を紡ぐ」をテーマに、文化財などの歴史的建造物やまち並みを宿泊施設・レストラン・結婚式などの事業で施設再生し、後世に残す取り組みを行っている。現在、関西を中心に22の施設を運営しており、これまで再生させた施設は30か所超にものぼる。
東急不動産がホテル・リゾート事業再編
東急リゾーツ&ステイ(東京都渋谷区)が新たに誕生した。東急不動産(同)が手掛けるホテル・リゾート事業の強化を目的とした運営会社の統合により、7月1日より営業を本格的に開始した。
今回の統合は、社会環境や事業環境が大きく変化する中、同グループが展開するホテル・リゾート事業の東急リゾートサービス、東急ステイ、東急ステイサービスの関連会社を統合させ、総合運営会社として長期持続的な成長を遂げるために行うもの。
各関連会社では、1960年代から別荘管理やゴルフ場運営を手がけ、1980年代にはスキー場、会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ」の運営受託を開始、1990年代には都市型ホテル「東急ステイ」を立ち上げた。現在では全国100を超える多彩な運営施設を手がけ、利用者は年間400万人にものぼる。
一方で、事業を取り巻く環境は、労働力不足、顧客ニーズの多様化、自然災害のリスク増加など、大きく変化している。発足した新会社では、40年以上にわたる事業展開で培った実績と運営ノウハウを集約し、さらなる生産性向上を図るとともに、新たな事業機会を創出し、事業の加速・伸長を実現していきたいという。
多彩な施設運営で培ってきた高い運営力、地域・行政や取引先との長期的な関係構築の強みを活かして、運営業の未来を切り開いていく
主な運営ブランドとして、東急ステイ28施設、会員制リゾートホテルの東急ハーヴェストクラブ25施設・29クラブ、運営事業として、宿泊事業25施設、ゴルフ事業24施設、スキー事業9施設、リゾート・その他事業として別荘管理、レストラン、ショップ、温泉施設、保養所等12施設。
スクウィーズが北海道に初進出
SQUEEZE(東京都港区)では、北海道に初出店となる次世代型宿泊施設「Theatel Sapporo―Susukino(シアテル札幌すすきの)」を7月10日にオープンさせた。
同施設は、地下鉄南北線「すすきの」駅より徒歩3分に位置。全41室で1部屋あたり宿泊人数はカプセルルーム1~2名、プライベートルーム4~7名の最大収容人数67名。札幌すすきの街のランドマークである飲食店ビル「F45」の1フロアをコンバージョンした。
同施設の最も特徴的なものはラウンジで、これを囲むように滞在する、施設全体がひとつの空間に感じられるような造りになっている。フロアの中心には、縦3m横8mの巨大スクリーンを設置し、スポーツ観戦や映画鑑賞、企業研修やヨガ教室、スポーツチーム合宿など様々な用途で活用が可能。2台のソニー製高性能プロジェクターと良質な音響も準備、昨今ニーズが高まるパブリックビューイングやライブビューイングにも対応する。
ロフト仕様の「やぐら」は、滞在中の宿泊客や、イベント参加者にフリースペースとして開放する。ミニキッチンには、流し台、電子レンジ、電気ケトル、カトラリーなどの備品も用意する。
宿泊スペースは、高さ約2mのカプセルルームを36室、プロジェクター完備のプライベートルームを5室配置。カプセルルームには「女性専用エリア」のほか、「ダブルベッドタイプ」も用意する。
白を基調にした「WASH ROOM」は各洗面にはドライヤーを完備。「SHOWER ROOM」は、脱衣スペースを広めに確保することで、タオルや着替えを床に置くことなく利用が可能だ。
同施設では今後、コンテンツの提供やイベント企画など、札幌国際短編映画祭と連携、協力していく計画だという。
オリックス不2軒目 温泉旅館開業へ
オリックス不動産(東京都港区)は、神奈川県足柄下郡箱根町強羅で建設中の温泉旅館「箱根・強羅 佳ら久(はこね・ごうら からく)」を10月2日に開業させる。同施設は、オリックス不動産が新築する2件目の温泉旅館になる。
日本の伝統や文化を大切にした「和」のフォルムを持ったデザインとし、「際立ち そして 佇む」が外観の設計コンセプト。施設は、「本館」「別館」「客室棟 西」「客室棟 東」の計4棟で構成される。本館と別館は共用棟で、本館には、3階にフロントとロビーラウンジ、4階にメインダイニング「六つ喜(むつき)」、最上階に二つの展望露天風呂を設ける。
別館には、3階に三つの貸切風呂、4階にスパ、最上階にグリルレストラン「十邑(とむら)」を配置。本館と別館の間に「水のテラス」、客室棟の間に「森のテラス」が配置され、同施設独自の眺望や箱根の自然が体感できる。
客室は、窓の外の緑が近く、自然との一体感を感じることができる「客室棟 西」に45室、上層階からは谷筋を見下ろし、相模湾まで見通すことができる「客室棟 東」に25室、計70室の温泉露天風呂付き客室を用意。全室デラックスルームの洋・和の2タイプで、バルコニーを含め約56㎡。室内は、和紙・木格子などの日本の伝統的な素材を使用し、強羅の自然風景を取り込んだしつらえにしているほか、卓を配してリビングと寝室を緩やかにゾーン分けすることで、滞在時の快適性にも配慮している。 大文字や相模湾まで見通すことができる本館最上階には、箱根屈指の展望露天風呂「蒼海」と「明星」を設置。それぞれに内風呂、サウナも備える。別館3階には、三種類のテーマでデザインした貸切風呂、「岩の湯」「檜の湯」「シルクの湯」。大浴場とは異なる趣とプライベートな空間を提供する。
「ORIX HOTELS & RESORTS」とは、同社が運営する宿泊施設のうち国内12施設を対象とした旅館・ホテル運営の事業ブランド。
ホスピタリティオペレーションズ スマイルホテルチェーン57店目オープン
全国でホテルやスキー場、ゴルフ場などのホスピタリティ事業を展開するホスピタリティオペレーションズ(東京都千代田区)では、富山県高岡市にスマイルホテルチェーンブランドとして全国57店舗目となる「スマイルホテル高岡駅前」を、9月1日にリブランドオープンさせる。富山県では初のスマイルホテルブランドとなる。
同ホテルは、JR城端線「高岡」駅より徒歩約2分に位置、客室数はシングルルーム、ダブルルーム、和室の合計82室。コインランドリー、飲料自動販売機、電子レンジ、製氷機を併設する。客室にはインターネット接続はもちろん、空気清浄機、全室個別空調、温水洗浄機能付トイレ他を配置する。
客室は全て広めの造りになっており、シングルルームでも15㎡以上。ダブルルームは、ベッド幅160cmのクイーンサイズ。家族やグループでの利用なら、8畳・16畳の和室もある。
同社は、ホテル運営、リゾート運営、レストラン運営、運営コンサルティングに関するあらゆる業務をサポートする。また、グループ会社との連携により、ホテルオーナーの運営に関する様々なニーズに対応する。
ビジネスホテルである「スマイルホテル」は全国的なチェーン展開を行っており、既存ホテルの賃貸借、運営受託、フランチャイズなどオーナーの希望にあった契約形態での提案も行っている。
一時帰国者向けに物件を提供
国内最大数の一時帰国向け自主隔離物件を提供するmatsuri technologies(東京都豊島区)はこのほど、「一時帰国.com」にてフィリピン特別プランを開始する。
6月下旬からの日本・フィリピンからの定期便再開が発表され、一時帰国の需要を見込むとともに、フライト再開見通しなどが不明で、帰国予定が読めない人でも柔軟な予約に対応できる。
展開エリアは東京・大阪・札幌・那覇・福岡・京都。提供する部屋は、1Kから4LDK、期間は一日から半年。一人はもちろん、16人までの様々な種類の部屋を取り扱いしているため多種多様な部屋を用意する。成田・羽田では送迎も行う。