不動産トピックス

クローズアップ 施設活用編

2020.08.03 14:58

 コロナ禍によってホテルや商業を中心に厳しさが増している。宿泊客や利用者の減少、あるいは空きスペースとなってしまった場所をどのように活用していくか。既存施設の活用サービスへの期待も強くなっている。

大東洋 女性専用カプセルホテル誕生「サウナ&カプセルホテル大東洋)2階に
 不動産賃貸・アミューズメント施設運営等を手掛ける大東洋グループ(大阪市北区)の子会社である北大阪振興(大阪市北区)は、7月12日、同社初となる女性専用カプセルホテル「Re:ady stay daitoyo」を開業した。
 立地するのは「梅田」駅徒歩5分の「サウナ&カプセルホテル大東洋」の2階。従前は男性用カプセルだったフロアを丸ごと女性専用に改装。計85室のドミトリーに加えラウンジやランドリー、パウダールーム、シャワールーム等を完備した。
 女性専用カプセルホテルを始めた経緯について、チーフの石井久美子氏は「スパを備える当施設には男性用のカプセルホテルしかありませんでした。数年前から近隣のホテルに泊まれなかった日本人女性の方(主に近隣のテーマパークに遊びに来られた方や出張の方)がスパの休憩所にたくさん泊まりに来るようになり、宿泊需要が高まっていた事もあり女性専用カプセルフロアを設けようと思い至りました」とその背景について触れた。
 宿泊料金は日~月は一泊3600円、木は3900円、金は4300円、土祝は4600円となる。が、現在は期間限定で一泊2500円にて宿泊可能となっている。また女性限定のサービスとして、朝食の提供を実施している。
 サウナが人気の当施設。今後は、さらなるサービス向上を目指していくという。「今後は女性スパにある岩盤浴のコーナーで、インストラクターの方を招いてホットヨガを実施したいと考えています。また、朝食メニューの充実も検討しています」(石井氏)。

F&Pジャパン わずか2坪からスムージーショップ導入支援サービス
 F&Pジャパン(東京都台東区)は「ヘルシーファーストフード」をコンセプトとする本格スムージー専門店「FICO&POMUM JUICE」(フィコ&ポムム ジュース)で培ったノウハSmoothie Package」を開始した。
 「スムージーパッケージ」はスムージー販売事業を始めるにあたって必要な準備をすべてパッケージ化したサービス。日本発のスムージーブランドを代表する「フィム&ポムム」のクオリティを既存店舗やオフィスのわずかな区画を利用して提供することにより、空きスペースへの収益化をはじめ店舗イメージの向上やクロスセル(ある商品の購入を検討していく顧客に対して、別の商品もセットもしくは単体で購入してもらうためのセールス手法)に大きな効果を発揮する。
 一般的なフランチャイズビジネスと比較すると低コストで開業することが可能。また既存施設の一画を利用して併設する形式により、既存スタッフのサイドワークとして活用することで人件費や採用費を大幅に抑えることができる。
JTBとNEC系が共同でホテル遊休スペースwシェアオフィスに
 JTB(東京都品川区)とNECソリューションイノベータ(東京都港区)は東京都心とその郊外のホテルの遊休スペースを活用したシェアオフィス事業を8月31日に開始する。
 このサービスではホテルの客室や会議室などをシェアオフィスとして利用することでテレワークに適した環境の提供と、通勤電車の混雑緩和、また稼働していないホテルの客室、会議室、宴会場などの収益化を目指す。
 新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークが普及するなかで、集中して仕事をする環境や安定したインターネット環境、オンとオフの切り替えなど、自宅などでの仕事環境をめぐっては様々な課題が浮上している。今後、多様な働き方が進みテレワークが定着していくと予想される中で、全国に広域ネットワークを持つJTBとICTで社会課題を解決するNECソリューションイノベータがタッグを組み、作業環境の課題解決と企業のテレワーク推進を後押しするため、事業を展開していく。
 まずは東京都とその周辺都市でサービスを開始し、2021年3月頃までに名古屋、大阪へ提供エリアを拡大。利用企業のニーズに応じて順次拡大し、2022年3月までに全国展開を目指す。20年度に30社、21年度には50社の利用を目標とする。7月27日時点での参画ホテルは、上野ターミナルホテル、オークウッドプレミア東京、スーパーホテル(東京都・その近郊の一部店舗)、第一イン池袋、ハイアットリージェンシー東京ホテルニューウエノ、ホテルラングウッド、ラ・ジェント・ホテル新宿歌舞伎となっている。

コロナ禍のテレワーク支援施設 瀬戸内ワークスがテレワークサービス
 瀬戸内ワークス(香川県三豊市)は2月に滞在者に「住まい」、「仕事」、「コミュニティ」の3つを提供する施設「GATE」をオープン。そこで主に都市部で働く人を対象とした「GATEテレワーク」と、それを契機に地域とのつながりを深める「weekend works」の募集を開始する。
 「GATEテレワーク」では現職の仕事を継続することを前提として、移住に関心を持っている人を対象に、三豊でのテレワーク環境を提供する。またそれと連動する「weekend works」では、滞在者が現職を維持しつつ休みの日を使って地方で働くことを体験できる機会を提供する。具体的には滞在者の経験や希望を考慮しながら、地元企業2~3社での週末のアルバイト(weekend works)を紹介していく。「三豊地域の内外をつなぐ役割を果たす」ことをミッションに掲げる同社では、滞在者には地域でのテレワークでは得られない地元の人とのつながりや経験を提供し、地元企業の人材不足解消にも寄与していく。




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