不動産トピックス

ホテル運営会社次の一手を探る

2020.08.31 14:33

スーパーホテル 国内155店目を宮城・仙台空港近くに開業 レディースルーム充実化も

地元飲食店とコラボ 泊食分離を進める
 スーパーホテル(大阪府大阪市)では、8月26日に国内155店舗となる「スーパーホテル仙台空港インター」(宮城県名取市)をオープンさせた。宮城県への出店は4店目となる。
 同ホテルは仙台空港から車で約10分、仙台東部道路仙台空港ICから約3分、JR東北本線「館腰」駅から徒歩約7分に位置。RC造7階建て、全105室。駐車場も102台を完備し、車でのアクセスにも対応する。近隣では閖上港で朝市も開催されており、ビジネスと観光どちらにも対応できる立地にある。 
 客室は全室天井仕上げに珪藻土を使用することで、室内の調湿と脱臭効果を見込む。4K対応50インチ壁掛け大型テレビを設置するほか、シーリングライト一体型のプロジェクターによるシアタールームを6室用意する。複層ガラス採用により、遮音と断熱性能のある窓ガラスを使用し、客室扉へのマグネット付エアタイトゴムの採用により光漏れを防ぎ、遮音性を高める。また、客室踏み込み部に人感センサー付照明や、ヘッドボード部へのUSBコンセントを設置する。
 快眠を提供するために大阪府立大学名誉教授の清水教永医学博士と共同開発した、ポケットコイル5ゾーン構造による快眠ポケットコイルマットレスも採用している。
 天然温泉「源氏翼の湯」は、宿泊者全員が利用可能。那須塩原から湧き出た天然温泉で、天然保湿成分と言われるメタケイ酸を含んでおり、肌の新陳代謝を促進する効果があるという。
 「ウィズコロナ」を意識し、光触媒式空気清浄システムをパブリックスペースの一部に搭載する。これは異臭・菌・ウィルスを紫外線による光触媒反応で酸化分解し、水と二酸化炭素に分解するシステムだ。更にエコチェックインシステムによるペーパーレスの推進や、ノーキー・ノーチェックアウトシステムにより出来る限りの「非接触」を実現した。
 同ホテルでは、1名最大5000円分の食事券付きプランを近隣店舗とコラボして販売する。仙台空港からのアクセスを生かし、地元グルメとのコラボレーションで泊食分離を積極的に進め、地域活性化を狙うもの。「Go Toトラベルキャンペーン」の対象施設にもなり、安価で地元を満喫できる体制をつくりあげた。
美容ブランド製品で女性客を取り込み
 同社はまた、昨年8月より導入を開始した美容ブランド「ReFa」製品を設置したレディースルームの販売店舗拡大を本格的に進める。
 8月8日にオープンした「スーパーホテル伊予西条」(愛媛県西条市)はじめ、新規オープンのホテルすべての店舗にレディースルームを設置する。
 同ブランドの中のシャワーヘッド「ReFa FINE BUBBLE」は、普段の生活で目にする通常の泡よりもずっと小さく、特異的な洗浄メカニズムを持つウルトラファインバブルとマイクロバブルが、肌に負担をかけずに頭皮や肌の毛穴汚れを洗い流すという。「また、シャワーヘッドを浴槽に入れると、なめらかな乳白色のシルキーバスに早変わり。肌を柔らかく包み込むため、心も体も温まり、疲れた体に癒しのひと時を与えます」(同社)。
 ドライヤー「ReFa BEAUTECH DRYER」は、髪の温度を約60℃以下に自動で調整する「プロセンシング」機能で、「しっとりやわらかいレア髪へと導きます。ドライヤー内部には純度99・9%の高密度炭素とイオナイザーを搭載し、ハイドロイオンが発生。サロン帰りの髪のような、表面はしっかり乾いているのに内部は水分がギュッと詰まったレア質感を実現できます」(同社)という。
   この他、寝返りしやすい構造で、光電子繊維糸により体内温度をコントロールする「もちふわレディース枕」、体重の軽い女性でも程よく沈みこみ、身体への負荷が少ない設計にした「レディースマットレス」などを設置する。
 同社では、女性の美と健康促進のため、2019年8月より「ReFa」製品を導入したレディースルームの設置を始動してきた。「仕事で日本を飛び回る女性から旅行好きの女性まで、泊まるたびに美しく元気になるホテルを目指していきます」(同社)という。

プリンスホテル新ブランドに最新デジタルサイネージ導入
 企業へのデジタルサイネージ導入支援を行うインセクト・マイクロエージェンシー(神奈川県藤沢市)では、プリンスホテル(東京都豊島区)が手がける新たなホテルブランド「プリンス スマート イン」の1号店で、10月に開業予定の「プリンス スマート イン 恵比寿」(東京都渋谷区)に、自社サービスのマップ型デジタルサイネージシステム「FLOW MAP4D」の提供を開始する。
 同システムは、時刻表に合わせて電車が動いたり、ホテル近隣の観光・飲食情報の掲載やInstagramの連携表示だけでなく、ホテル周辺の口コミや思い出など、宿泊者からの情報をマップ上に可視化させユーザー同士で情報交換が可能なコミュニケーションの場として機能する。
 「FLOWMAP 4D」は、”可変する情報表示”をコンセプトに、地図に時間軸を持たせ”今の情報”をリアルタイムに発信するする。インスタグラムを連携表示したり、おすすめのスポットや観光ルートなど旅ナカの情報を提供する。
 「プリンス スマート イン」は、プリンスホテルが手掛けるホテルブランドで、プリンスホテルのイノベーションを担う次世代型の新たなホテルブランド。
 ICT、AIを活用して宿泊者の利便性・快適性を追求するだけでなく、これからのニューノーマル社会で求められるサービスを実現し、より安全・安心な環境を提供する。また、予約からチェックイン、チェックアウトまで通貫したシームレスなサービスを提供することで、“スマートな滞在”を求めるデジタル世代の利用者のニーズに対応する。

コロナ感染対策システム 沖縄・竹富島で稼働
 バックムーン(沖縄県中頭郡)とブルー・オーシャン沖縄(沖縄県那覇市)では、同社が提供している新型コロナ感染対策システム「グラスフォンfor健康観察」を沖縄県竹富町で稼働を開始した。
 竹富町の各島には十分な医療体制がないため、新型コロナ感染防止策の徹底、および感染経路の把握が重要となっている。そこで竹富町では「グラスフォンfor健康観察」を導入することにより、観光や仕事で竹富町の島々に渡った人々の健康観察を、来島後1週間にわたって自動的に実施することを可能にした。
 竹富町では、石垣港離島ターミナル内の各船舶会社チケット購入窓口に「グラスフォンfor健康観察」登録用のQRコードを設置。利用者が竹富町の島々に渡る際にQRコードで登録すると、入島から1週間のあいだ健康状態を確認するショートメールが1日1回届き、そこに数タップで回答する。また、感染の疑いが見つかれば別途コールセンターから電話でヒアリングを行い、医療機関と連携して対策を進めていく。 
 観光産業に注力する全国の自治体、またイベント産業に従事する人達にとって、来訪者の健康状態の追跡把握はいまや必須となっている。しかしながらそのための新たなシステム等を構築しようとすると相応の時間と予算が必要となる。「グラスフォンfor健康観察」を利用することで、必要十分な健康観察追跡システムを最短期間かつ最小の予算で導入することが可能になる。

宿泊施設の利用法が多様化
 ホテルの新たな利用法を提案する運営会社が増えてきた。THINK GREEN PRODUCE(TGP 東京都渋谷区)は、“街のかくし味”をコンセプトとした宿泊施設「MUSTARD HOTEL」を渋谷で1棟、浅草で2棟を運営管理しているが、この度、オークハウス(東京都渋谷区)の新サービス「ホテルに住もう、グランステイ」を活用し、長期滞在向けプランの提供を開始する。
 同ホテルは、渋谷・代官山エリアに展開。東京を代表する繁華街の一つであり、最先端の流行やファッション、音楽、若者文化の街で、JR「渋谷」新南口から徒歩5分に位置する。
 中でも「MUSTARD HOTEL ASAKUSA1」、「ASAKUSA2」は、浅草に所在し、日本の歴史、文化が集まった街を最大限に楽しめるエリアだけに、宿泊ニーズだけに止まらない暮らしのニーズに対応する。 
 オークハウスの「グランステイ」は基本的に長期滞在者を送客するサービスだが、 「MUSTARD HOTEL」では「柔軟にユーザーニーズにあった連泊プランを提供したい」との考えから、5日、7日、14日、30日プランを準備して、テレワークや出張、アドレスホッピング、デュアルライフ、他拠点居住などのホテルライフをサポートしていく。
 また、Living Tech(東京都渋谷区)が展開している初期費用0円、5秒で家が見つかるアプリ「NOW ROOM」でも、サンフロンティアホテルマネジメント(東京都千代田区)と、暮らしや住まいの新しい価値創造を目指し、同社が運営する「日和ホテル東京銀座EAST」(東京都中央区)で、マンスリーで利用できる宿泊部屋を掲載した。「NOW ROOM」の登録者は、都心一等地ホテルでの暮らしを実現できる。
 同ホテルは、東京・銀座駅エリアのホテルで、唯一の最上階に露天風呂付大浴場がある。最上階には展望露天風呂とスカイテラスや、日和ブランドならではの琉球畳を部屋に配置。「和」「粋」「艶」の一味違う和テイストを持つ空間を提供する。




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