不動産トピックス
今週の一冊
2020.10.19 10:25
コロナ禍前から危機の予想
危機の時代 伝説の投資家が語る経済とマネーの未来
著者 ジム・ロジャーズ
発行日 2020年5月25日
発行所 日経BP
価格 1600円(税別)
コロナ禍直前にまとめられた本書であるが、著者/訳者のまえがき・あとがきは本年4月。当然コロナ禍にも言及しており、「今回の危機が過去とは違うというようなことは決してない」という。コロナ禍前より危機の本番が迫っていたのだ。2019年、既に著者は高値の株価を前に危機を警告していた。「こんな状況がずっと続くわけがない」。今後は世界中で企業経営破綻が広がっていく。「誰が恩恵を受けているのか注視すべきだ」いう。
本書は溢れんばかりのプロの視点でできている。ほとんどの日本人が気にも留めていないであろう、経済危機のジンバブエ、ベネズエラ情報、そして孔子やプラトンに学べという。マシンガンのように情報が降り注ぐ。
野球場でピーナッツとコーラを売り6才で「起業家」になった著者はイエールオックスフォード、ウォール街を進んだ著者は「経営学より歴史や哲学」が投資に役立つというがなぜか。
ブロックチェーンがもたらす破壊、マリファナ投資チャンス等、日本のメディアではそうそうお目にかかれそうにない指摘の数々。本書の内容は新鮮、といえば聞こえがいいが、いかに日本がグローバル化に遅れているかを思い知る一冊。