不動産トピックス
今週の一冊
2020.11.09 14:04
「借地人から見た」トラブル解決法を丁寧に解説
底地・借地で困ったときに最初に読む本
著者:中川 祐治
発行日:2020年10月21日
発行所:クロスメディア・パブリッシング
価格:1680円(税別)
底地、借地とは面倒なものだ。格安な地代で長期、なかには親の代どころか祖父母の代から続く関係もある。モノは「地面」というシンプルさだが地代値上げ、更新料、建替え承諾料、増改築承諾、借地権譲渡承諾ほか、地主と借地権者で交渉が必要な局面は頻繁にあるものではないが、必ずやってくるものだ。
本書は数少ない底地・借地の専門家による基礎知識とトラブル解決事例で構成。「地主側から見た」、また「借地人から見た」トラブル解決法を丁寧に解説。底地・借地は長期にわたる契約関係なだけに、当事者双方に代替わりが起こることもある。新しい当事者は更新手続きを専門家に頼む場合が多いだろうが「多くの専門家は、目の前の問題解決には尽力」するが、借地人の将来の利益まで考慮してるかが重要なので最低限の知識を身に着けてほしいという。不動産の専門家というより底地・借地の専門家ならではのアドバイスだ。
掲載されている相談事例は税理士・弁護士・司法書士・ライフプランナーといった専門家の連携の重要性がよくわかる。合間には濃い人情の依頼人エピソードにホロっとする一冊。