不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2020.12.07 14:59
チョイスホテルズジャパン ウィズコロナ対応型施設を続々開業 東京・六本木は初出店
全国に「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」を展開しているチョイスホテルズジャパン(東京都中央区)は11月26日、愛媛県松山市に「コンフォートホテル松山」を開業させた。
同ホテルは、愛媛県で初めてのコンフォートホテルとなる。伊予鉄道郊外「松山市」駅より徒歩約4分、「松山」空港より「松山市」駅まで松山空港リムジンバスで約24分に位置。日本最古の温泉といわれる「道後温泉」や多くの建造物が重要文化財に指定されている「松山城」、松山市の中心市街地にある「大街道商店街」にも好アクセスであり、旅の拠点として便利な立地にある。
建物は地下1階・地上12階建て、全197室。無料朝食やオリジナル寝具による快眠、全室禁煙、Comfort Library Cafeなどに加えて、宿泊者自身で荷物を預けられるセルフクロークや、客室で動画を視聴できるSVOD、接触を最小限にとどめるセルフチェックインなど、withコロナ時代に対応しながら旅をサポートできる設備を配置している。
客室やエレベーターホールには、”人と人を結びつける”という意味を持つ「水引」をモチーフにしたアートパネルを装飾。1階には、自由に過ごせる空間として「Comfort Library Cafe」を併設している。愛媛県の伝統工芸品である砥部焼が和を演出しつつも、一人用のボックス席を配置したり、松山ならではの本を設置したりするなど、松山を感じられる風情とくつろぎの空間の融合が実現させた。
ロビーには、フロントに立ち寄ることなく荷物を預けられる「セルフクローク」を設置。また、セルフチェックインを導入しており、接触機会を最小限に。客室には、今話題の動画配信サービス「SVOD」を導入し、アカウントを持っていれば、Amazonプライム・ビデオ、Netflix、Huluなどをテレビ画面で見ることができる。
1ベッドルームは15㎡、2ベッドルームは21~24㎡あり、キャリーケースを広げても十分なスペースを確保することが可能だ。
「Comfort Library Cafe」では、プロのブックディレクターが同ホテルのためだけに選んだ100冊以上の本や旅の写真集、ウェルカムドリンクサービス、Wi―Fi、コンセントなどを備える。リモートワークなどでのコワーキングスペースとしても活用でき、ゆったりと過ごせる開放的な空間で、客室以外でも利用客の旅をサポートする。
同社が展開する全国の「コンフォートホテル」「コンフォートイン」「コンフォートスイーツ」では、宿泊者に安心して過ごしてもらえるよう、新型コロナウイルス感染症をはじめとした感染症予防対策を実施。
チェックイン時にはソーシャルディスタンスの確保、検温、フロントへのパーテーションを設置。客室では換気、手の触れる場所の拭き取り、紫外線除菌器の貸し出し。パブリックスペースではタッチレス消毒、テーブルの消毒、エレベーターの消毒。チェックアウト時にはキーボックスへの返却、セルフクロークの導入などの措置を取っている。
同社は、全国各地でコンフォートブランドのホテルを展開。コンフォートブランドのホテルでは、ビジネスや観光に便利な立地、バランスよくヘルシーな無料朝食サービス、オリジナル寝具による快眠へのこだわりなど、安定したサービスを提供し。また、2018年5月31日の世界禁煙デーをもって、全国に50軒以上の規模を展開するホテルとしては日本で初めて、全室禁煙化を達成した。
同社はまた、2021年1月12日、東京都港区六本木3丁目に「コンフォートイン東京六本木」をオープンさせる。
同ホテルは、東京都内で5店舗目のコンフォートブランドのホテルであり、港区に初めてコンフォートブランドのホテルが誕生することになる。
東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木」駅5番出口より徒歩約1分の場所、六本木エリアの中心部に位置する。近隣には「東京ミッドタウン」や「六本木ヒルズ」などの主要な商業施設が立ち並ぶほか、東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅も徒歩圏内あるため、2駅3路線が利用できる。建物は地下1階、地上9階建て、客室は全114室。
「コンフォートイン」は、シンプルで快適な居心地を重視したブランド。気軽に選べる使いやすさと、利便性や機能性を兼ね備えており、全国に7ホテル展開している。
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ 非接触型チェックインシステム導入
ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ(東京都港区)は宿泊業界のDXを推進するCUICIN(クイッキン 東京都渋谷区)と業務提携を締結した。今回、ソラーレホテルズは非接触型チェックインシステムをベースにしたHotelStyle OS「aiPass」を提供しているクイッキンと新たなOSを共同開発する。
OSの開発と導入に向けては、テスト検証を繰り返しながら段階を踏んで進めていく。まず、宿泊者の利便性を向上させ、コロナウィルスの感染対策としても有効な非接触型のスマートチェックインシステムをソラーレホテルズが運営するホテルに順次導入していく計画だ。次にホテルスタッフが接客サービスにより注力できる体制を整えることを目的に、従来の宿泊業界の課題であった複雑な顧客情報の収集や、客室管理などの業務を一元化することで効率化するOSを開発していく。
さらに、将来的には導入したOSで収集できるデータを活用し、サービスに反映させる検討も行う。データを分析し、宿泊者の趣向に合わせたサービスをホテル内で提供するとともに、ホテルの外でも楽しんでもらえるよう観光スポット・飲食店情報などの提供を充実させ、ホテル周辺の地域経済の活性化につながることを目指していく。
HotelStyle OS「aiPass」とは、クイッキンが提供する宿泊施設の基幹システム。非接触型のチェックイン機能をベースに、業務効率化やホスピタリティ向上などのプラグイン機能をカスタマイズすることで、施設のスタイルに合わせた理想のOSを実現する。低コストで汎用性が高いシステムを短期間に導入することで、宿泊業のDXを実現し経営を強くしていきたいという。
ソラーレホテルズは「雨庵 金沢」「ザ・スクエアホテル」「ホテル・アンドルームス」「ハタゴイン」「ロワジール」「ロイヤルパインズホテル浦和」「チサン」などのホテルブランドを有し、国内51カ所、海外1カ所、7422室のホテル宿泊部門および売店部門・料飲部門・大浴場・スパの運営、アセットマネジメント、フランチャイズ運営などの事業を展開している。
パナソニックホームズ 「特区民泊制度」活用したプロジェクト
パナソニック ホームズ(大阪府豊中市)ではこのほど、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)との間で、宿泊施設の建築請負契約を締結、大阪市浪速区の幸町用地(北側)プロジェクトとして11月6日より建築を開始した。
同プロジェクトは、Osaka Metroより同社が宿泊施設の建築請負と、宿泊施設を同社のグループ会社であるパナソニック ホームズ不動産が一括借上げするスキーム。
宿泊施設は敷地面積502・56㎡、延床面積2970・60㎡、鉄筋コンクリート造、14階建て全80室で、2022年3月完成予定。将来的な賃貸住宅への転用も見据え、キッチンやバス、リビングを備えている。一定期間、宿泊施設として「特区民泊制度」を活用する。
同社はOsaka Metro案件のように、企業や自治体の老朽化施設・遊休地を有効活用するCRE/PRE(公的不動産)を設計・施工、運用までトータルで提案し、不動産価値の向上と収益力強化をサポートしている。
同社は宿泊事業におけるテストマーケティングを2018年6月に開始し、その後、2019年4月に多層階住宅「Vieuno(ビューノ)」と「インバウンド・リンクシステム」による宿泊施設提案「Vieuno Stay(ビューノステイ)」の本格展開を開始した。宿泊事業に参入以来、受注は順調に伸び、2020年10月時点における累計受注棟数は35棟全694室にのぼる。大阪市「特区民泊」案件としては、大阪市中央区で開業中の『BON Condo Namba Nipponbashi(ボンコンド なんばにっぽんばし)』がある。
「東急ステイ」が会員制シェアオフィスをスタート
東急リゾーツ&ステイ(東京都渋谷区)が運営する滞在型ホテル「東急ステイ」は、東急不動産(同)が展開する会員制シェアオフィス「Business―Airport(ビジネスエアポート)」のシェアワークプレイスが利用できるプランの販売を、都内18店舗にて開始する。
「出張時の商談の合間の隙間時間を有効活用したい」、「日中少し仕事をして、夕方から観光に出掛けたい」といったビジネス利用やワーケーション利用の他、資格試験や受験勉強等での利用に、宿泊に加えて日中により快適な仕事時間を過ごせるよう、「ビジネスエアポート」全施設のコワーキングスペースが利用できるプランだ。 利用指定日であればビジネスエアポートの入退館は自由に何度でも可能なため、目的地に合わせて働く場所を選択することができる。
利用者は、チェックイン日からチェックアウト日までのいずれか1日に「ビジネスエアポート」を利用可能。商談のための外出を合間に挟み、午前と午後で別の「ビジネスエアポート」の施設を利用することも可能だ。
東急不動産は、都内で会員制シェアオフィス「Business―Airport」を展開。全施設が都内の主要ビジネス街に位置し駅から徒歩圏内という利便性を誇り、移動の多いワーカーにも快適なビジネス環境を提供する。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、オフィス分散やリモートワーク先としてシェアオフィスの需要が高まっている昨今、新しい働き方をサポートしていく計画だ。
また東急ステイサービスが運営している「東急ステイ飛騨高山 結の湯」では、従来の東急ステイの快適性や長期滞在可能な「暮らすように泊まる」ことのできる機能はそのままに、地元のご当地料理を取り入れた夕食の提供や、檜と石造りの庭園温泉大浴場、北アルプスの絶景を望む特別室などを提供する。