不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2020.12.14 10:40
OYO Hotel 新たに7施設749室がチェーン加盟 多彩な施設ラインナップに
テトラグループ全国に25店舗を展開
宿泊・住宅ブランドを運営するOYO Japan合同会社(東京都千代田区)が展開する「OYO Hotel(オヨ ホテル)」ではこのほど、ホテルテトラ グループ(北海道函館市)とフランチャイズ契約を締結した。ホテルテトラグループ本社所在地である北海道を中心に、日本全国5都道府県に7施設、全749室がOYOブランドに加盟。今回の同時新規加盟は、OYO Hotelが2019年に日本でサービスを開始して以来、史上最多となる大型の新規加盟となる。
ホテルテトラグループは、本社のある函館の他、全国に宿泊施設を25軒展開している。今回は、84室の「OYO ホテル テトラ函館駅前」(北海道函館市)、83室の「OYO アネックスホテル テトラ函館五稜郭」(北海道函館市)、47室の「OYO ホテル テトラスピリット札幌」(北海道札幌市)、116室の「OYO ホテル テトラ赤羽」(東京都北区)、36室の「OYO ホテル テトラリゾート静岡やいづ」(静岡県焼津市)80室「OYO ホテル テトラ京都駅前」(京都府京都市)、2020年7月新築開業303室「OYO ホテル テトラ北九州」(福岡県北九州市)。
ホテルテトラグループ社長の三浦孝司氏はこう話す。
「OYOのダイナミックプライシングやオペレーションシステムに興味を持ち、加盟いたしました。運営を開始してから、OTA運営やOYOのウェブサイトやアプリを通じた集客を積極的に推進いただいています。今後、より日本市場にフィットした形のオペレーションやシステム改善等を期待しています」。 一方、OYO Japan合同会社共同代表で、副社長である田野崎亮太氏は話す。
「今回、OYOに加わったテトラグループの宿泊施設は、函館の観光に最適なホテルや、京都の新築のホテル、温泉や富士山の眺めが部屋から楽しめる静岡のリゾートタイプ、東京のカプセルホテル付きのホテルなど多彩なラインアップです。これら多彩な施設がOYOのコレクションに加わったことで、お客様にはより幅広い宿泊施設の選択肢をご提供できるようになりました。ホテルテトラグループ様の期待する集客支援に対して、OYOの運営ノウハウやテクノロジーを活用して運営支援をして参ります」。
「暮らしと旅」プラットフォーム
同社はOYO Hotels Japan合同会社と、OYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPANが7月31日に合併。不動産事業とホスピタリティ事業の総合的な「暮らしと旅」のプラットフォームを展開している。 「OYO Hotel」は、テクノロジーを駆使した価格設定と予約システムにより、宿泊施設と顧客のマッチングを最適化するサービス。現在、宿泊者を安全に迎えるため、全国のホテル・旅館の衛生品質を認証する、あんぜん衛生措置「OYO安心ステイ認証プログラム」を推進している。
一方「OYO LIFE」は、テクノロジーを活用し、スマートフォンひとつで物件探しから部屋の契約・支払いまで一気通貫を実現したサービスを提供。家具家電付きの部屋を豊富に展開し、全室インフラ完備、また基本的なアメニティも提供している。検索しづらい物件情報、複雑な手続き、2年契約の縛りや敷金礼金など、今までの賃貸物件を借りる際に発生する課題を解消しているのが特徴だ。
アパホテルに5棟がFC参加
アパホテルネットワークとして建設・設計中、海外、FC、パートナーホテル含めると全国最大級の659ホテル10万1633室を展開するアパホテル(東京都港区)では、新たに5棟のフランチャイズ契約を締結した。
既存フランチャイズオーナーによる新築のアパホテル建設、既存ホテルの増室を目的とした新築棟建設、チェーンホテル、及び自社で運営するホテルのリブランドを含む5棟の新規契約締結を行い、それぞれ来春以降の開業を予定している。
今回加盟するホテルは、室蘭ホテルシステムが現在も運営している「アパホテル〈室蘭〉」(北海道室蘭市)92室、NVFサービスが現在、「プラザホテル舞鶴」として運営している「アパホテル〈西舞鶴駅前〉」84室、倉島事業開発が「スマイルホテル長野」として運営している「アパホテル〈長野〉」185室、SWANが2021年秋に開業を予定している「アパホテル〈鹿児島天文館〉」126室、竹下コーポレーションが2022年春に開業を予定している「アパホテル〈別府駅前〉」。
同社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ホテル業界全体が大打撃を受けている中、中長期的には日本が観光大国となる予測のもと、その中核を担うホテルを積極的に拡大し、百花繚乱の同業界において、日本で圧倒的No.1の地位を築き、寡占化一番乗りを目指している。
ホテル業界ではトップの会員数を誇る「アパホテル会員」、 PMSや自動チェックイン機など、アパオリジナルのシステムを駆使した「運営ノウハウ」、アパホテル公式サイト「アパ直」を中心とする直予約50%超の集客力を武器に。直営ホテルは、大都市圏での新築ホテル建築、地方都市における買収を図る。直営ホテルの出店予定がないエリアにおいては、地域のホテル事業者と連携し、フランチャイズ方式により展開していく。
アパホテルの年間宿泊数は約2613万名に上る。2010年4月にスタートした「SUMMIT 5(頂上戦略)」では、東京都心でトップを取る戦略を開始。現在、東京23区内で直営ホテル77ホテル・1万8853室を展開。2015年4月にスタートした「SUMMIT 5―2.(第二次頂上戦略)」では、東京都心から地方中核都市へとエリアを広げ、大型タワーホテルの出店も積極的に進めていき、アパホテルネットワークとして10万室展開を達成した。現在、首都圏・関西を中心にタワーホテル2棟・3764室を含む33棟・1万1568室を建築・設計中だ。 2020年4月にスタートした「SUMMIT 5―3.(第三次頂上戦略)」では、国内で圧倒的なNo.1ホテルチェーンとなるべく、2025年3月末までにアパホテルネットワークとして15万室展開を目指していく。
「京王プレリアホテル札幌」がレンタルスペース業
京王グループの京王プレリアホテル札幌(北海道札幌市)では、客室を活用した新たなサービスとして、レンタルスペース事業を開始。その第1弾として個室レンタルオフィス6室をオープンさせた。
同サービスは、コロナ禍におけるオフィスの移転・縮小など働き方のニーズの変化を受け、客室からベッドやソファを撤去し、専用のオフィス什器・備品を配置することで、個室レンタルオフィスに転用したもの。京王グループホテル初の取り組みとなる。
同ホテルならではの立地や設備を活かしたハイクオリティな個室レンタルオフィスを1時間あたり1000円からの価格で提供することで、新たな働き方を求めているビジネスパーソンが気軽に利用できるサービスだ。
ビジネスパーソンの隙間時間の活用や、出先での商談など、近年の働き方改革やコロナ禍で加速している場所や時間を柔軟に選択できる働き方をサポートする。
新型コロナウイルス拡大後、稼働率は回復基調にはあるものの、インバウンド需要等は引き続き回復の兆しが見えない状況が続いている。同ホテルでは、既存の宿泊需要だけに捉われず、コロナ禍によって加速した社会の変化や利用客のニーズを踏まえた新たなサービスを開発・提供していく。
「INTEGRATE HOTEL」第5号開業
グランビスタ ホテル&リゾート(東京都千代田区)は、同社のブランドステートメントである「地域の価値で、未来を変えていく」を具現化するホテルブランド「INTERGATE HOTELS」の第5号ホテルである「ホテルインターゲート大阪 梅田」(大阪府大阪市)を2021年4月1日に開業させる。
同ホテルはJR「大阪」駅桜橋口より徒歩5分に位置。周辺にオフィスや大型商業施設が立ち並ぶ西梅田地区にある。
「INTERGATE HOTELS」のシンボルでもある「インターゲートラウンジ」では、めざめのこだわりのコーヒーや朝食、茶菓子、夜食など、時間帯により異なるサービスや地域の伝統文化を体験できるワークショップの開催など、地域と旅行者が繋がる空間を提供する。
客室はスーペリアダブル78室、デラックスダブル99室、スーペリアツイン96室、コーナーデラックスツイン13室、ジュニアスイートツイン1室、インターゲートスイート1室他。
世界各国のラグジュアリーホテルに導入されているシモンズベッド社と共同開発した「INTERGATE HOTELS」のオリジナルマットレスを全室配備。クッション性はもちろんのこと、吸湿性・放湿性・通気性にも配慮した仕様が上質な睡眠をサポートする。