不動産トピックス
今週の一冊
2020.05.25 12:21
拡大を期待 不動産オークション
不動産は「オークション」で売りなさい
著者:土屋 忠昭
発行日:2020年3月12日
発行所:幻冬舎
価格:800円(税別)
軽いタイトルではあるが中身はしっかり新書にふさわしい丁寧で真面目な本。 まず一般的に不動産業者に仲介してもらう売却の解説は、土地の「一物四価」の説明から、建物評価の計算式、業者の都合による不透明な取引のカラクリまで、不動産鑑定士の著者による分かりやすい解説。
「不動産売却はとにかく業者リードで進みがち」、なので、カモにならないための自衛策がオークションだという。「不動産取引の可視化」はオークション方式の特長でもあり、今後、何かと悪評の多い業界が変わるためにもオークション売買はもっと広がるべきだ。
「万全の入札要綱を作ることもオークションを成功に導く大きなポイント」とのことで、きっちりとした要綱を作成でき、かつ、透明性を担保できるプロに任せる方が安全であろう。買い手(オークション参加者)の選定や入札後の調査など、素人では手に負えない作業もある。 どこまでをプロに任せどこまで自身が決断できるかは重要だ。無駄に付け焼刃の知識と、費用が勿体ないなどの目先の小銭損得で不動産売買を手間のかかるものにする必要はない。
巻末の「ワケあり不動産」、「想定外の高値売却事例」など多数の実例は大いに参考になろう。手元に置きたい1冊。