不動産トピックス
クローズアップ ソーシャルディスタンス編
2021.01.12 11:15
よく街中で「ソーシャルディスタンス」を呼びかける案内や注意を見かける。商業施設では館内放送でアナウンスする場合もあるほど。それでも新型コロナウイルスの感染者数は増加傾向にあり、ビルオーナーも事前の対策が必要に迫られてきた。手軽・簡単に導入でき、かつ「見える化」も実現する製品が増えている。
スポーツジムや食堂での設置も進む 混雑度合いを検出する「ソーシャルディスタンスカメラ」
アースアイズ(東京都港区)、日商エレクトロニクス(東京都千代田区)は、混雑具合や「密」の状態を可視化した「ソーシャルディスタンスカメラR」を昨年6月から販売開始。施設のオペレーターや店舗を中心に導入が進んでいる。
「ソーシャルディスタンスカメラR」は、3D空間認識技術により映像内の人数や人と人との距離を認識。混雑度合いを検出し、ユーザー・利用者のスマートフォンなどから混雑具合を画像で確認できるAIサービス。利用者は施設内の混雑状況をリアルタイムで把握でき、また導入する店舗も混雑の緩和や「密」を防ぐ取り組み・姿勢を来店者へアピールできる。映像はAI処理により人をいわゆる「棒人間」で映すため、プライバシーの保護も確保。販売当初はスーパーマーケットやドラッグストア、ショッピングモール、医療施設などからの問合せが増えており、実際、宿泊施設や「あべのハルカス」の展望台やエレベーターホール等でも設置された。
営業部・マネージャーの千光士浩喜氏は「スポーツジムやスポーツクラブでの需要に伸びがあります。これまではトレーニング器具やマシンを利用する際に利用者同士が近くに位置することも多く、利用者としては混雑を回避したい思いと、ジム側としては『安全性』をアピールしたいニーズがあり導入が進みました。また食堂での設置事例もあります。ランチの時間になると食堂へ人が殺到し混雑することから、『密』や『クラスター』を回避するには効果的と思われます」と語る。
利用方法や導入側の管理も容易である。カメラは人と人との間隔データをAIで解析。HPや施設責任者のスマートフォンに密集状況を通知する仕組みだ。場所、時間帯、混雑状況、適切な距離の確保などが把握でき、店側も現状の混雑状況を踏まえての対処に活用できる。出入口で人数をカウントするカメラと連動すれば、混雑時間の把握が更に容易となる。
千光士氏は「既に大型複合ビルや複合施設での設置も増えています。それらの施設導入で得たデータをバックアップし、今後は更に現場での混雑具合の可視化を実現できればと思います。ゆくゆくは人数の計測や属性・年齢の把握など実現し、マーケティングにも活用できるようにしたいと思います」と語った。コワーキングスペースやシェアオフィス等のサービスオフィスの需要が再び伸びている今、オフィス内の混雑や「密」の回避・把握にも活用できると思われる。
快適に会話ができるマイクスピーカーシステム
サンワサプライ(岡山市北区)は5日、自社直販サイト「サンワダイレクト」において、ソーシャルディスタンスを保った距離でも快適に会話ができるマイクスピーカーシステム「400-MCIP001」の発売を開始した。
同製品は、受付やレジ、カウンター、チケット売り場などの窓口業務に最適なシステム。配線工事不要で既存の場所にも簡単に設置できる。親機と子機の双方でマイクスピーカーを使って会話ができるため、パーティション越しでも快適なコミュニケーションを実現する。
親機側はスピーカー付きスタンドマイクで、トークボタンを押している間だけマイク入力ができ、子機の声量も調整が可能。親機のマイクはフレキシブルアームで口元近くに寄せられ、単一指向性のため親機側の声を確実に拾うことができる。
子機側はマイク付き小型スピーカーで、電源をONにするだけで使用可能。子機のマイクは無指向(全指向)性で全ての向きの音を拾うので、向きは気にせずに取り付けられる。また、両面テープ式の面ファスナーで、机にも壁面にも固定可能だ。
リモートで販促活動「リモートせっきゃくん」
ピアラ(東京都渋谷区)は、プロの販売員がリモートで販促活動をサポートする「リモートせっきゃくん」の実証実験を1月上旬より開始する。
同サービスは、ITと3D映像、2D映像を活用した双方向性のある接客システム。店内に設置した専用機材に、店外にいる販売員の3D映像を投影し対面販売と同様の接客が行える。またECに誘導することでリアルな体験とECを連動させるオムニチャネル・コマースの展開が可能だ。
更に店頭でタッチパネルを操作しているユーザーが、今どのボタンを押していて、どこまで説明を受けているかなどを把握できるため、販売員は好きなタイミングで声掛け・接客することができる。もちろん、ユーザーからの接客依頼に応じて接客対応も可能。動画を使用した商品訴求などコロナ禍と効率化の双方に対応できる。