不動産トピックス

クローズアップ 室内環境編

2021.02.01 10:32

 昨今、ソーシャルディスタンスの確保や感染リスク予防の方法が多様化している。入退館時の体温チェックは特に導入事例も多い。一方で、入館した“後”にも、今いる空間が安全であるか確かめることができれば心強い。今回は室内環境の保全に特化した、コロナ対策の製品に焦点を当てる。

デジタルサイネージ「Ambilens」開発 室内のCO2を「見える化」
 TASKO(東京都品川区)は、昨年11月に室内のCO2濃度を「見える化」するデジタルサイネージ「Ambilens」をリリース。吉祥寺のライブハウス「NEPO」にて昨年9月から試験的に導入を開始していた。 TASKOは、電子楽器「オタマトーン」で知られるアートユニット明和電機(東京都品川区)で知り会ったフリーランサー4名により、2012年に設立された。舞台・美術製作をはじめデザインや設計、イベントプロデュースに至るまで、クリエイティブにかかわる様々な事業を展開する。
 「Ambilens」開発のきっかけとなったのは、吉祥寺のライブハウス「NEPO」からの依頼だった。開発に携わるデザイン&ウェブ事業部の中澤卓巳氏は「『NEPO』のオーナー様は、ライブハウスという『密』になりやすい室内環境を鑑み、コロナ対策製品の導入を検討していました。様々な製品を試行錯誤する中で、『ライブハウスの雰囲気に合った「イケてる」製品がない』とご相談を受けたため、開発に着手しました」と振り返る。
 「Ambilens」は、本体に内蔵されるCO2測定器により濃度を計測する。従来のCO2濃度測定器は、数字のみが表示される事務的なものが大半。が「Ambilens」は本体と連携したディスプレイ上に表示される、オブジェクトの色や画面上に浮かぶ気泡の動きの速さの変化などから、CO2の濃淡を把握できる仕組みとなっている。CO2濃度は「快適」、「正常」、「注意」の3段階で表され、段階を追うごとにオブジェクトの色が青から青白、赤白へとグラデーション的に変化し、最注意の段階では赤になる。実際にどのくらいCO2が充満しているか、運営者だけでなく施設利用者も直感的に認知できることが最大の特徴だ。
 画面上にはほかに、現在のCO2濃度と過去7分間のCO2濃度の数値も表示される。この機能について同事業部の織田洋介氏は「例えば、CO2濃度が注意をすべき値になったとします。その際に窓を開けて数分ほど換気するかと思いますが、実際にどのくらいCO2濃度が戻っているのか、リアルタイムで変化を追うことができます」と説明する。
 リリース開始から約2カ月の現在、複数の事業者から相談が寄せられている。「Ambilens」を、飲食店やフィットネス、バーといった人が密集しやすい場所への導入を見据えているようだ。織田氏は、「この製品は、導入先向けロゴマークを入れる、オブジェクトのデザインを変えるなど、画面カスタマイズの充実性を強みにしています。また、当社は美術装飾を含む空間全体の装飾、依頼があればディスプレイを含む空間全体の装飾もできます。量産品ではなく、当社の持つアート&テクノロジーのノウハウを生かしながら、お客様が求めるものを作り続けていきたいと思っています」とした。

パナソニック システム ソリューションズジャパン 「AcroSgn version 3.0」販売
 パナソニック システムソリューションズ ジャパン(東京都中央区)は、デジタルサイネージソリューション「AcroSign(アクロサイン)」の機能を強化し、クラウド制御による「空間演出」×「サイネージ」を実現する「AcroSign Version 3・0」を販売している。
 「AcroSign Version 3.0」では、従来は現場での運用・調整が多かった「空間演出」において、映像表現を向上させる機能を強化し、AcroSignクラウドサービスを通じたクラウド制御により、多拠点配信・管理することが可能となった。
 対応するデバイスはマルチディスプレイや4Kディスプレイ他、プロジェクターなど環境特性に合わせてさまざまな映像デバイスに対応する。今回BrightSign(米国)のデジタルサイネージコントローラーのXT4シリーズ、HD4シリーズ(日本国内正規代理店:ジャパンマテリアル、以下「BrightSignコントローラー」)をラインアップに採用、追加したことで、複数の映像デバイスで1つの映像コンテンツを再生させるときに必要な「同期再生パフォーマンス」の強化、および「クロマキー合成」などの映像表現を強化し、空間を占有する大型映像においてダイナミックで美しい映像表現が可能となった。
 Webブラウザ上の管理画面では、BrightSignコントローラーを操作しドラック&ドロップで、直感的にコンテンツのレイアウト作成や並べ替えが可能。コンテンツ登録から配信・運用管理まで容易に実現する。画面レイアウト編集、配信スケジュール登録、映像デバイスの「リモート監視」、「電源ON/OFF制御」に加え、設置したサイネージコントローラーをMAP上に表示する「設置MAP機能」やサイネージコントローラーの設置・交換時に迅速にリモートで設定できる「オートセットアップ機能」を搭載することで、クラウド制御による、多拠点での保守、運用に必要な機能を強化した。

ウイニップ 空間除菌のポータルデバイス販売
 ウイニップ(東京都港区)は、UV&光触媒で空間を除菌するポータブルデバイス「Air Wenip(エアーウィニップ)」を販売している。「テレワーク・外食・車内・外食」等で、少しでも不安を解消するアイテムとして活用できる。
 同製品は、エアービューティ(空気を美しく)「光があなたを守ってくれる」をコンセプトに誕生した、UV&光触媒空気清浄機。一般的に周知されているUV(紫外線)での除菌効果と、光触媒(日本製)による除菌効果のダブル機能を持ち合わせたポータブル空気清浄デバイス。
 細胞に最も浸透しやすい253nmの波長を照射することで、効果的に除菌。細菌の再繁殖を防ぐ。また、紫外線ライトと本体カバー内側の光触媒(日本製)が反応し、空気中の酸素と水分から活性酸素を生成。強い酸化力を持つ活性酸素が、除菌・消臭効果をもたらす。薬剤を使用しないため、小さな子供のいる環境でも安心して利用できる。
 設計はスイッチを無くしたUSBタイプ。USB給電式により多様な場所で使用できる。 除菌機能は、PC等のデバイス機器にUSB接続することで開始され、周囲周囲3m2を除菌する。
 機能とデザインを必要最低限のものにすることで、販売価格を抑えた。




週刊不動産経営編集部  YouTube